【実例紹介】「ひとりひとりに寄り添う空間」──障がい者福祉施設の設計より
Photo by Maarten Deckers on Unsplash
今回は、鹿児島市郊外に完成した障がい者向けの生活介護施設の設計事例をご紹介します。
この施設では、知的障がいや発達障がいのある方々が、日中を安心して過ごし、
それぞれのペースで活動できることを第一に考えました。
設計の主なポイント:
- 「落ち着ける空間」と「活動的な空間」を分けて配置
にぎやかな作業スペースと、静かに過ごせる個別スペースを明確にゾーニング。
利用者が「自分の今の気分に合った場」を選べるよう配慮しました。 - 見通しの良い動線と、パニック時の“逃げ場”の確保
通路や扉は、行き止まりをつくらず、視覚的な混乱を避ける設計に。
一方で、小さな個室や囲まれ感のあるベンチスペースなど、
「安心してこもれる場所」も随所に設けました。 - 素材と色彩のバリアフリー
触感に敏感な方のために、床材や壁の素材はやわらかく、温かみのあるものを採用。
また、空間ごとにやさしいコントラストをつけ、視覚的な区別もサポートしました。 - 職員の視線と動線も大切に
スタッフが自然に目を配れる配置と、緊急時にすばやく動ける動線計画も同時に設計。
“ケアする側の安心”が、“ケアされる側の安心”にもつながります。
この施設の設計では、建物のスペックよりも、
**「その場所で、どう過ごしてもらいたいか」**を何度も立ち返って考えました。
利用者も職員も、どちらか一方に偏らず、
「ここで過ごせてよかった」と思える空間づくりが、
福祉施設の設計において最も大切だと私は考えています。
今後も、さまざまな用途の福祉施設や、小さな改修の工夫などもご紹介していく予定です。
「既存施設の使い勝手をよくしたい」
「新たに小規模な施設を立ち上げたい」
などのご相談も、どうぞお気軽にお問い合わせください。