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デザインカンパニーで感じるデザイナー採用の現状。そしてHRとして出来ること。

今年も早いもので3月の中頃になって来ましたね。
こんな感じで1年が終わって行くのでしょうが、久しぶりの今回の投稿は、昨年フルで1年グッドパッチの採用に関わる中で、自分としては未知の領域ながらも気付いたことがいくつかありました。

ちなみに私は2017年で数百人ほどのデザイナーと採用(カジュアル面談も含む)を通して関わったのですが、記録が残っている限りでは、その半数弱がスカウト(恐らく7割ぐらいはいるがカウント漏れがありまして。。)で出会い、そしてそのうちの4%ぐらいの方が入社をしていただきました。

まだまだ改善は多いのですが、日々四苦八苦しながらやっています。

ただ、今日はそう言ったところの話ではなく、多くのデザイナーと面談、面接をし、その中で気付いたデザイナーの現状、そして日々言われているデザイナー採用が難しいと言われているその背景について、HRの観点から話をしたいと思います。特にデザイナーを取り巻く環境については色々思う所があり、HRの観点ではありますが、書かせていただくことにしました。色々なご意見はあるとは思うのですが、私個人が感じたこととして生暖かく見守っていただけると嬉しいです。

デザイナーの地位の低さ。そしてデザイナーでは生きていけない

私がグッドパッチに入社して驚いたことの一つとして、グローバル市場でのデザイナーの地位の高さと、それと比較して、日本でのデザイナーの地位の低さです。入社直後はUXデザイナーのメンバーに、「ツールは何を使ってデザインするんですか?」と聞いて、「そういうツールを使ったデザインとは違うんですよね」と返答されて、今考えると赤っ恥な質問をしていた自分が言うのもアレなのですが、採用イベントなどに登壇し、「デザイナーの採用についてどうすれば良いか」という質問をいただいたりしますが、そのほとんどがロゴやバナー、ランディングページ(LPと記載されているものです)を制作する人を指しており、出来る限り低い給与、かつ契約社員や業務委託という形での採用ばかりで、一時的なリソースとしてしか考えていません。時には「つべこべ言わずに、言われたことをやってくれるデザイナーを採用したいのですがどうすればいいですか?」と言われたこともあります。流石に「えっ、それグッドパッチの人に聞く?」と思いましたが。。

更に面談や面接を通して聞くのが「待遇」「労働環境」の悪さです。
生産年齢人口の平均年収は約378万円(※1)、情報通信業の平均年収が584万円(※2)に対し、大企業やメガベンチャーを除いたデザイナーの平均年収(インタビュー時のヒアリングベース)は300万円台前半からよくて500万円に届くか届かないケースが多く、生活をしていくことが困難になり、デザイナーを途中でリタイアしたり、もしくは専門性よりも幅広さ(例えば、コーディングも出来るようにするなど)を広げることで、待遇改善を図る方もいらっしゃいますが、選考過程を見る限りは、やや器用貧乏な傾向があります。また、労働集約型の傾向が強く、グッドパッチ に入社をしたメンバーの前職の退職理由の一つが「労働時間の長さ」です。(※1、2は総務省統計局平成28年のデータより算出)

ただ、待遇や労働環境そのものだけにヘイトと言う訳ではなく、デザインも好きで、会社自体も好きではあるものの、掛け持ちが当たり前で、クオリティーよりもどうしても納期が優先になるなど、スキル的な部分の深掘りが弱くなり、デザイナーとしてのキャリアに不安を覚えていることも、転職へと舵を切るきっかけの一つにもなっているようです。

更に更に前述した通り、真の意味でデザイナーを受け入れるが整っておらず、転職しようにもどう行った会社に行けば現状の不安や不満が解決できるのかがわからない、もしくは、色々考えはするものの今の会社の方が良いと言う人が多いと言う状況もあります。

これだけ売手市場と言われている転職市場ですが、水面下では理想と現実のギャップに苦しんでいるデザイナーがたくさんいるわけです。

UX/UIとかいうやつは面倒臭いやつ


このセリフは前述しましたが、とあるイベントに参加した際に、とある会社の経営者の方が仰っていたもので、これは入社して間もなかった私の中に大変印象に残っていて、さらに「デザイナーにはそう言うことをやってもらうことは期待していない」とまで言い切っていらっしゃったのも印象的でした。

ただ、私は経営者としての経験がないため、経営を考えればそうせざるを得ないこともあるかと思うのでこれ自体を否定するわけではないのですが、「UX/UIを言うデザイナーが面倒臭い存在で価値がないと思われていること」は残念でしかありません。グローバルな視点で言えば、経営陣にデザイナー出身者がいることは決して珍しいことはなく、日産も1999年の段階でCDOがいるなど、事例はいくらでもあります。

経営にはビジネス的な視点も必要ですし、テクノロジー的な視点も必要ですが、グローバル市場では、それにさらにデザイン的な視点を加え成長を遂げています。最近スタートアップの中にもCDOが在籍する会社が出てきていますが、まだまだこれからという状況です。

ちなみに「なぜ面倒臭いと思っているのか」をさりげなく聞いてみたのですが、UX/UI=見た目と考えていらっしゃったようで、見た目なんか後回しでも良いので、そこばかり気にする人は必要ないと言うような考えがベースになっていたようです。

私自身も入社当時はあまりその違いを理解出来ていなかったのですが、グッドパッチは、そういった誤解や思い込みを解いていくこともデザインカンパニーとしての使命かもしれません。

日本人デザイナーがどんどん海外に行く。

私がLinkedinを採用ツールとして使うようになり、海外人材や、外資系企業に在籍されているデザイナーへのインタビューをすることが増えました。色々興味深い話を聞ける中、私にとって一番衝撃的だったのは、「日本でのキャリア」もしくは「日本企業でのキャリア形成」を考えている人がほとんどいなかったという点です。更に言えば、日本人ですらデザイナーのキャリア形成は日本では難しいと思っており、最近では弊社の認知度も上がり、グッドパッチを認知して頂けている企業様も増えたのですが、Linkedin経由の場合は知らないケースがほとんど。「日本にもこう言う会社があったんですね」と言われたこともあります。。

なかなかデザイン人材がいないと言われていますが、裏側ではこういった現実があるわけで、確かにデザイナーの人口が少ないこともあるのでしょうが、こういった背景があることも理解するべきところです。まずは日本がデザイン人材のキャリア形成が出来る場所であることを証明していくことも必要ではないかと感じた事例でした。

採用する側のスタンス

エンジニア採用でも同じことが言えるのですが、採用する側が採用ターゲットのことを理解していなかったり、とりあえずバズワードとしてUI/UXを使うと言うスタンスの企業も多いようです。

例えば、UIデザイナーの募集と言うから話を聞きにいったところ、「バナーとロゴを作ってくれと言われた」とか、「入社したら名刺作成とコーポレートサイトの更新が仕事だった」など、話を聞いていて驚くような事例もありました。

とりあえず採用して、なんか色々やってもらえばいいだろう的な感覚で採用をしているのかもしれませんが、ミスマッチを産みますし、何より、こういった事例が日本人デザイナーに日本ではデザインキャリアを形成するのは難しいと思わせる温床になっているのではないかと思うのです。

前も書いたかもしれませんが、採用は採用した後が最も重要です。とりあえず採用するといったスタンスや、バズワードを使っての採用は双方にとって不幸に繋がるだけですから。

最後に

私は「ハートを揺さぶるデザインで世界を前進させる」というビジョンと、「デザインの力を証明する」というミッションの中で約1年半を過ごし、入社時では考えられないぐらいのデザインというものの素晴らしさを体験してきました。また、デザインはデザイナーだけのものと思っていましたが、考え方そのものは色々な職種に共通点もあり、活かすことが出来るという発見もありました。

そして自分自身の実務で今回書いたようなことを目の当たりし、自分自身は実務をするメンバーではありませんが、自分なりに「デザインの素晴らしさ」「デザインの持つ可能性」を伝えていくことをより強く思うようにもなりました。

拙い文章なので、あまり言いたいことが伝わっていないかもしれませんが、今後も自分で勝手につけたコミュニティープランナーの名前が伊達にならないように情報発信をしていきたいと思います。

ついでに言いますと、HRはデザイン的な考えは絶対持った方が良いです!  弊社のメンバーにはいつも感謝しかないです!


最後の最後に

グッドパッチでは「デザインの力を信じている」デザイナーを大募集しています。
元々グッドパッチに興味のあった方、この拙いブログを読んで心躍らせた方など、ぜひ一度お話を聞きにきてください!! お待ちしてます!!

UI/UXデザイナー
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Goodpatchはビジネス課題をデザインの力で解決するデザインカンパニーです。 「ハートを揺さぶるデザインで世界を前進させる」というビジョンのもと、デザインの力を証明するためにUI/UXデザインを強みとした新規事業の立ち上げや、企業のデザイン戦略立案、デザイン組織構築支援などを行い、 デザインの価値向上を目指しています。 主な事業は、企業のデザインパートナーとしてビジネス課題を解決するデザインパートナー事業と、クライアントワークのノウハウを活かした自社プロダクト開発を行うデザインプラットフォーム事業の2つです。 ▼デザインパートナー事業 日本を代表する大企業からスタートアップまで、様々な企業のデジタル領域での新規事業立ち上げ、リニューアルを支援しています。主な事例にSUNTORY+、SPEEDA、出前館、Unipos、モチベーションクラウドなどがあります。 実績:https://goodpatch.com/work デザインパートナー事業:https://design-partnership.goodpatch.com/ ▼デザインプラットフォーム事業 クライアントワークで得たノウハウを活かし、デザインを必要とするすべての方に向けてプロダクトを開発しています。 ・オンラインホワイトボード「Strap」https://product.strap.app/ ・デザイナー特化型キャリア支援サービス「ReDesigner」 https://redesigner.jp/ ・デザイナー学生の就活プラットフォーム「ReDesigner for Student」https://student.redesigner.jp/ ・プロトタイピングツール「Prott」 http://prottapp.com ▼Goodpatchヒストリー 2021年9月に創業10周年を迎え、約200名のデザインの力を信じる仲間が集まっています。今までのヒストリーについてはこちらをご覧ください。 https://goodpatch.com/design/story ▼情報発信 デザインをより身近に感じてもらうために、日々情報発信を行っています。 Goodpatch Blog http://goodpatch.com/blog/
株式会社グッドパッチ


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