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「人がいない」現場に、グローバル水準のAIを。技術提供で終わらせない、実装のための新体制。
コンサルティングファームでのAIプロジェクト立ち上げ、AIスタートアップの経営とIPO、そしてAI BPO企業・リソースワーカーの創業——約9年にわたりAI業界を歩んできた周涵は、自社チームごとDaisybellグループに参画するという決断をしました。
今回のテーマは、日本市場です。深刻な人手不足に直面する日本の電話業務の現場に、グローバル水準のAIをどう「実装しきる」のか。新生Daisybell Japanの体制と、これからの事業展開について、周涵にインタビューしました。(聞き手:Daisybell Japan 広報)
1. リソースワーカー、チームごと参画── 目指す世界観が完全に一致した
── リソースワーカーがDaisybell Japanグループに参画した背景・経緯を、改めて教えてください。
周:リソースワーカーはもともと、ユーザーとしてDaisybellのソリューションを使っていました。使いながら理解を深め、関係値が深まっていく中で分かったのは、お互いが最終的に目指そうとしているものが同じだ、ということです。
AIを使った世の中の業務オペレーションの刷新。AI BPOが実現する世界観。まさにこの人手不足の日本市場において、その課題を解決できるソリューションを提供していきたい——目指している最終像への目線が完全に一致していました。そうした中で「リソースワーカーのチームごと参画しないか」というお話をいただき、参画を決めた、という経緯です。
一人の転職ではなく、チームごとの参画です。一緒に事業をつくってきたメンバーと、同じ目線のまま次の挑戦に移れる。この形を提案いただけたことも、大きかったと思います。
2. 新体制で何が変わるか── グローバル水準のAI×日本市場に精通したチーム
── 「グローバル水準のAI×日本市場に根差した実装体制」の融合とは、具体的に何が変わることですか。
周:シリコンバレー本社を中心とするグローバルの体制のもとで開発されている、水準の高いAIソリューション。これに対して、リソースワーカーのチームを中心にDaisybell Japanのチームが強化された、ということです。営業体制はもちろん、エンジニアメンバーも新たに加わり、マーケティング担当のメンバーも入りました。
これで何ができるようになるか。まず、日本市場のニーズをきちんと吸い上げた上で、我々の取り組みを発信し、多くのお客様に我々の存在を知っていただく。その上で、日本市場に精通したメンバーが、営業・技術それぞれの観点からお客様のニーズを把握し、文字通り要件を定義した上で、確実に実装・デリバリーまでやりきる。
特に大きいのは、日本のエンジニアチームの存在です。日本語特有の言い回しや敬語表現、業界ごとの専門用語に対する細やかなチューニングを、日本のチームが継続的に行っています。
海外製のツールでよくある「日本語は使えるが、日本の現場では使えない」という状態にはしない。グローバルのプロダクトをそのまま日本に当てはめるのではなく、グローバル水準のプロダクトを、日本市場に合った形でご提供していく。その体制が整ったということだと捉えています。
3. 日本の電話業務、最大の課題── 「そもそも人がいない」
── 日本の電話業務の課題──採用難・教育コスト・品質のばらつき──の中で、最も深刻だと感じるものは何ですか。
周:やはり「そもそも人がいない」ことが一番大きな課題だと思います。まずオペレーターが採用できない。採用できたとしても教育コストがかかり、品質が安定するまでにかなり時間がかかる。そうしているうちに辞めてしまう可能性もある。採用・教育・定着のすべてが同時に難しくなっているのが、いまの現場です。
つまり、オペレーション全体を安定して維持すること自体が難しくなってきています。しかもこれは、一時的な問題ではありません。日本の労働人口が減っていく以上、構造的に深刻さを増していく課題です。非常に深刻な問題ですが、逆に言えば、我々がプロダクトで解決策を提示できる、非常に大きなチャンスがあるということでもあります。
大事なのは、我々は人を「置き換える」ためにやっているのではない、ということです。そもそも人が足りず、やりたくてもできていなかった対応を、AIが可能にする。人にしかできない判断や配慮に、人が集中できるようにする。その供給不足を埋めることが、我々の役割だと考えています。
4. 技術提供で終わらせない── 専門コンサルタントが伴走する「実装型」
── 「技術提供で終わらせない実装型ソリューション」とは、導入企業にとって何が違うのですか。
周:単にプロダクトをお渡しして終わり、にはしないということです。我々には、コールセンター運営や業務改善を専門とするコンサルタントがいて、導入から運用まで一貫して伴走します。実際に運用する中で上がってきた課題を検証し、継続的な改善を伴走しながら行い、より良いものを作っていく。そして利用する範囲を拡大していく。これを継続的に行っています。
AI導入の成否は、ツールの性能だけでは決まりません。どの業務から適用するか、どう運用フローを設計するか、現場にどう定着させるか。ここを設計しきれるかどうかが分かれ目です。導入企業からすると、入れて終わりではなく、AIをうまく使いこなしROIを広げていく活動を、我々が並走しながら安定して行える。ここが最大の強みであり特徴です。
── 導入は、どんな広がり方をするケースが多いですか。
周:最初は「まずは夜間対応だけ」といったスモールな導入から始まるケースがほとんどです。人が対応できない時間帯や、業務のごく一部からで構わない。ただそこから、実際のクオリティを感じていただいて、対象の業務や時間帯が一気に広がっていくケースが増えてきています。
── 実証から本格導入に進む企業と、そうでない企業の違いはどこにありますか。
周:我々は「実証したけれど本格導入に進まない」というケースを極力減らそうとしています。実証の中で、どんなユースケースが求められるか、どんなクオリティが求められるかをお客様と目線合わせした上で、きちんとそのクオリティでデリバリーし、プロダクトに落とし込む。これを徹底しているので、現状、本格導入に進まないケースはほとんどありません。
実証は「AIを試す場」ではなく、「本番運用の設計を固める場」だと捉えています。この目線合わせができていれば、実証と本番の間に断絶は生まれません。
5. これからの展開── ハイブリッド運用と、広がるユースケース
── 既存の導入企業からは、次はどんな業務・領域への拡張要望が来ていますか。
周:音声以外への要望も出てきています。テキストと音声をハイブリッドで提供してほしいという要望もありますし、電話を受けたあとの業務システムの処理——いわゆる後処理の部分をAIエージェントで自動化したい、という要望もあります。CRMをはじめとする既存システムとの連携は我々の得意とするところですので、電話の前後の業務まで含めて、広範囲な導入に応えていきたいと思っています。
── AIと有人を組み合わせる「ハイブリッド運用」については、どう考えていますか。
周:AIで100%処理できないときに有人のオペレーションと組み合わせて運用する、いわゆるハイブリッド運用のご要望は多くいただいています。それを含めた、本当の意味でのBPOとしてのソリューション提供への要望もあります。そうしたソリューションの設計、提供できる体制の構築も、なるべく早く展開していきたいと考えています。
── 今後は、どのような領域を中心に展開していきますか。
周:コールセンターの有人対応の代替以外にも、不動産管理会社への問い合わせ対応、金融の督促電話、ECの定期購読メニューの変更など、多種多様なユースケースをいただいています。
共通しているのは、電話が多くかかってきていて、問い合わせ内容自体は必ずしも人間でなくても十分処理できるものでありながら、人間が対応しきれず、体制の運用に苦労している現場だということです。まずはそうした領域を中心に、着実に展開していきたいと考えています。
── 最後に、読者へメッセージをお願いします。
周:電話業務の人手不足は、これから確実に深刻になっていく構造的な課題です。一方で、AIにできることは、多くの方が想像しているよりずっと先まで来ています。夜間対応だけ、特定の問い合わせだけといった小さな範囲からでも始められますので、まずは一度、実際の会話を体験してみてください。「これなら任せられる」と感じていただけるはずです。
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