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なぜ優秀な人材が「エージェント離れ」しているのか?

Attack(株)代表取締役の村上篤志です。弊社は【TARGET】というサービスを通じて、主にスタートアップ/ベンチャー企業に対してWantedlyやビズリーチ、Green、キャリトレなどダイレクトリクルーティングメディアでの採用業務を支援しております。Wantedly Partners 認定企業にも選ばれており、Wantedlyでの企業情報や求人情報の作成、ダイレクトスカウト、フィード投稿などもサポートしております。

今回は多くの企業様で中途採用をお手伝いする中で「年々、エージェントから優秀な人材が推薦されなくなってきている」という事象について書かせていただければと思います。「優秀な転職希望者はまったくエージェントに登録に行っていないのか?」というと、そうではありません。優秀な転職希望者の方もエージェントに登録し、相談に行っています。それにもかかわらず、なぜ優秀な候補者が「エージェント離れ」を起こしているのか?その理由をまとめました。

私もエージェントをやってました

私自身も以前、エージェントをやっており、トータルで1000人近い転職希望者の方とキャリア面談をしました。そのためエージェントについてあまり厳しいことを書きたくはないですし、もちろん今でも素晴らしいエージェントの方はいます。ただ、「求人情報のオープン化」が進んでいる中で、エージェントの「ビジネスモデル」(フィーを誰からもらうか&いくらもらうか)は徐々に厳しい局面を迎えているように感じます。

特にスタートアップ/ベンチャー企業の採用においては、その候補者がエージェントから紹介されている時点で以下の可能性が高くなります。

■情報収集能力に欠ける
⇒これだけスタートアップ/ベンチャー企業に関連する情報が溢れている時代に、魅力的な企業を自分で探そうとしない。

■主体性に乏しい
⇒自分自身のキャリアデザインを他者に頼っている。もしくは自分で企業を探す努力を怠っているというただの怠惰。

■志望意欲が高くない
⇒最大の志望理由が「エージェントから紹介されたから」など、自分自身の応募意思がない。

あくまでも「可能性」ですので、すべての候補者に当てはまるわけではないですが、年々その「確率」は上がってきているように感じます。そしてこれら3つの属性は「スタートアップ/ベンチャー企業」が採用する人材にとっては致命的とも言えます。まずこれが第一のポイントです。

転職希望者がエージェントに登録する理由

ちなみにそもそもなぜ転職希望者はエージェント(人材紹介会社)に相談しに行くのでしょうか?私は主に以下の3つの理由に集約されると考えています。

■キャリアコンサルティング
⇒私の今後のキャリアに対してアドバイスをしてほしい

■非公開求人(独占求人)の紹介
⇒エージェント独自の求人を紹介してほしい

■日程調整やオファー年収の交渉
⇒求人に応募した後の活動をサポートしてほしい


【図】転職希望者がエージェントに求めていること

エージェントの本音…

そしてエージェントは候補者から見放されてしまわないように、上記のような候補者の要望に沿ったアドバイスやサポートをします。しかしエージェントは企業から紹介手数料という「成果報酬」を頂戴するビジネスモデルのため、候補者にキャリアアドバイスや求人紹介、転職活動のサポートをしているだけでは仕事になりません。

そのためどうしても候補者を「転職させる」という力学が働きます。そしてその候補者が自主応募している企業の方が条件が良くても、他のエージェントから受けている企業の方が魅力的な求人であっても、「自分が紹介している求人に転職してもらう」ためのアプローチをしがちです。

具体的には以下のような考えを持っています。

・受かる会社を受けさせたい
受けたい会社やキャリアの希望に沿った会社ではなく、「受かる会社」の求人を受けてほしい

・採用人数の多い会社を受けさせたい
自社だけが取り扱っている独自の求人などはないので、より採用確率の高い「募集枠の多い会社」の求人を受けてほしい

・なるべく高い紹介手数料を得たい
複数の内定が出たら、とにかく早く「一番年収の高い会社」の求人に決めてほしい


【図】エージェントの本音
※もちろん中には親身に相談に乗ってくれるエージェントもいます※

私もエージェントをやっているときにはこの候補者の意向と自社の意向が食い違う「葛藤」に悩まされました。そして私は候補者の意向を優先してしまうことが多く、エージェントとしての売上成績はイマイチでした(苦笑)。いずれにせよこの転職者の意向とエージェントの意向が食い違うことが第二のポイントです。

優秀な候補者ほど「エージェント離れ」を起こしている

そして優秀な候補者ほど企業に採用される確率が高い=エージェントとしては「紹介手数料を得るチャンスが大きい」ということになり、より上記のようなエージェントの自己中心的なアプローチを受けがちです。そのため優秀な候補者ほど「エージェント離れ」を起こし、自分で転職先を探す「ダイレクトリクルーティング」を転職活動の主戦場にしていく傾向があります。これが第三のポイントです。


【図】優秀な候補者ほどエージェント離れを起こしている

以上が優秀な候補者ほどエージェント離れを起こしている理由です。まとめると以下の3点となります。

①エージェント経由で転職活動をする人材は「情報収集能力に欠ける」、「主体性に乏しい」、「志望意欲が高くない」という「スタートアップ/ベンチャー企業」が採用する人材にとっては致命的な属性である可能性が高い。

②企業から成功報酬をもらうというビジネスモデルから、転職者の意向とエージェントの意向が食い違うことが多い。

③優秀な候補者ほどエージェントの自己中心的なアプローチを受ける機会が多く、余計にエージェントに嫌気が差している。

もちろん中には親身に相談に乗ってくれる素晴らしいエージェントの方もいますし、実際に優秀な人材をエージェント経由で採用した企業も多く存在します。ただ、徐々に上記のような理由から優秀な転職希望者ほど「エージェント」よりも「ダイレクトリクルーティング」で転職活動を行う傾向が強くなってきているように感じます。

次回は企業にとってもエージェントよりダイレクトリクルーティングの方が優秀な人材を探しやすくなっている「データベースのカラクリ」について書かせていただきます。

※スイマセン、最後に宣伝です※

弊社が提供しているTARGETでは多くのスタートアップ/ベンチャー企業様の採用をお手伝いしております。もし本サービスにご興味を持ってくださったスタートアップ/ベンチャー企業の代表の方、採用責任者の方がいらっしゃいましたら、ぜひお気軽に以下のLPからお問い合わせください!

【TARGET】LP
https://www.attack-inc.co.jp/target-lp/

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