こんにちは、株式会社ビービット人事採用担当です。
このストーリーでは、UX&ビジネスストラテジーに所属し、特にAI活用支援を中心に活躍しているシニアマネージャ、淺野恵介さんへのインタビューをお届けします。
AIの華やかな最先端を走る仕事をしているように見える淺野さんですが、話が進むにつれ、実は一貫した静かで強い信念を持っていることが明らかになっていきます。
キャリアを考えること以上に、ひとつの哲学として興味深い内容です。ぜひ、ご覧ください。
淺野 恵介(あさの けいすけ) / UXインテリジェンス事業本部/コンサルティング営業部/UX&ビジネスストラテジー / シニアマネージャ
京都大学経済学部を卒業後、ビービット入社。UXコンサルタントとして、医療・金融・人材・教育・鉄道・電力など幅広い分野のサービスデザイン・改善支援に従事。AIを活用した体験設計においては、大手メーカーやインフラ系企業をはじめとする支援実績を積んでおり、AI Experience Labにて主導的な役割を担う。
◤ずっとUXに携わってきたからこそ見える、ビービットがAIに取り組む意義
──今日はよろしくお願いします。淺野さんは2012年にビービットに新卒入社されたとのことですが、入社してからこれまでの経歴を簡単に教えていただけますか。
淺野:チーム名や上司はいろいろと変遷がありますが、入社以来ずっと、UXのコンサルティングに携わっています。例えば、ユーザ調査をメインにしたチームや、企業の新規事業立ち上げを専門に支援するチームなどに所属していました。
2017年頃から新入社員やマネージャの育成プランニングにも関わるようになり、2024年に「AI Experience Lab」という横断組織が立ち上がるタイミングで、UX&ビジネスストラテジー(以下、UBS)に異動してきました。
僕はAI Experience Labができる前から、「ビービットはAIをやるべきだ」と強く思っていました。ビービットは、自分が「やるべきだ」と思うことをできる、という意味で僕にとっては良い環境だと感じています。
──UBSでは、メンバーが「営業」といわれる仕事と実際にプロジェクトに入って支援をする「デリバリ」の仕事の両方を担う形になっていますよね。営業とデリバリの違いや、両方を一人で担うことの意義など、感じていることを教えてください。
淺野:営業段階でやることは、突き詰めると「クライアントがやるべきことを整理して、UXの方法論で解けるところにフォーカスをあてて解決までの道のりを示すこと」です。なので、デリバリの中でマネージャがやる仕事と大きな違いはないと思っています。どちらにせよ、ちゃんと頭を使ってクライアントが取り組むべきことを考えましょう、ということなので。
僕自身は、自分でコントロールできる領域が大きい方がやりやすいと感じる人間なので、自分で営業した案件を自分でデリバリする今の形は、向いていると思っています。
──UBSは取締役COOの藤井さんが直に指揮を執っているチームですが、取締役と一緒に働くことについてはどう感じていますか。
淺野:前提として、取締役だからどうこうというよりは、結局のところ人と人との相性だとは思っています。その上で、やるべきだと思うことを伝えれば「じゃあやってみなよ」と言ってもらえるし、ある程度裁量を与えてもらえるのは、働きやすい状態だと感じています。
藤井さん自身も、本当の最先端にいるエンジニアほどではないにしろ、AI関連の先頭集団にいる人、いようとしてキャッチアップを続けている人です。もちろん僕もそこにいようとしているんですが、僕とは別の視点で世の中を見ている藤井さんと話ができるのは、刺激にも勉強にもなると感じています。
──ラボの立ち上げ以降、常にAI関連支援の最前線に立っていると思います。AIとUXについては、どんなことを考えているのでしょうか。
淺野:僕のAIに対する基本的な考えは、「AIは人間を幸せにする構造にはなっていないのではないか」なんです。使える人と使えない人の差が大きくなることで、「富める者はますます富む」世の中になっていくことを加速させるのではないか、と。
でも、だからこそ何かできることがあるはずだ、という想いもあります。
僕は、UXとは「一部の人しかできなかったものごとを民主化していくこと、また、そのための考え方や仕組みを作ること」だと捉えています。そうだとするなら、AIをUX的に考えること、つまりAIを民主化していくことは、悪いことではないだろうと。そこにこそ、UXの会社であるビービットがAIに取り組む意義があると感じています。
◤時流を見ながらも、良心にもとることはしないという強い信念
──淺野さんの話を聞いていると、仕事への向き合い方というか、仕事というものの捉え方に独自のこだわりがあるように感じます。
淺野:他のビービットにいる人と比べると、僕は「前のめり」の度合いが低いかもしれませんね。そのベースには、人の命を助けるとか、食べ物を作るとか、そういった仕事こそが「本質的な仕事」だと思っていることがあるのかもしれません。
──なるほど、そういう想いがある中で、どうしてビービットを就職先に選んだのでしょうか。
淺野:就活のときに念頭に置いていたのは「生き残る」ということでした。もう少し噛み砕いて言うなら、「でかい波に乗りつつ、本質的なことをする」という感じ。
僕が就活をしていたのは大企業でも倒産するような時代で、そんな中「何をするかより誰といるかが大事」というような言説が流布していました。でも、「それは就活生をターゲットとする企業のポジショントークだ」と思っていたし、何をやるかも大事だろうと思っていた。
だからといって、好きなことをやる、というのも違うと感じていたんですよね。その瞬間に好きなことは競争相手も多くなるだろうし、そもそも学生がこれまで経験してきたことをベースにする判断なんて、社会に出てからの生存戦略としては多分正しくない、と。
とはいえ生き残るためには、「でかい波」に乗りたい。当時のでかい波というのは、日本が人口減少局面にあることを考えて海外で働いたり海外売上比率の高い日本企業で働いたりするか、IT系の企業で働くか、でした。
僕は旅行が好きでいろいろな国に行ったことがあるんですが、海外で働くのは嫌だったんですよね。一瞬通り過ぎる旅人としてはいいんだけど、住めるイメージが湧く国が多くなかった。でも、じゃあ海外比率が高い日本企業で働くのかというと、そういう企業は大抵は製造業で、文系の自分ができることといったら結局営業。英語を話して営業するというのも別にいいんですけど、それって僕の介在価値はどのくらいあるんだ、と思うと、生存戦略としては微妙だなと。
でもITの世界も当時はスマホゲーム全盛期で、僕はそれも嫌いだった。嫌いなもので稼いだお金で生かされるのはしんどいというか、自分の良心にもとる気がするなと思っていたし、さっきも言った自分の介在価値みたいな観点でいうと、「結局のところ強力なIPを生み出せるかどうかにかかっている」という世界では、あまりそれを感じられそうにないなと。
そんな中で、ビービットの当時の副社長と話して感銘を受けて、会社がやっていることも、少なくとも50年くらいは無くならなそうな思想だなと思ったので入社を決めた、という感じです。
──淺野さんの中には自分なりの哲学というか、信念がしっかりあるんですね。
淺野:哲学というほどのものではないですが、『シャンタラム』という小説に出てくるある人物の信念が参考になるなとは思っています。
その人物はマフィアのボスで、武装闘争や紛争にも関係する、現代社会の基準に照らせば「悪」と判断されるような人物なのですが、彼が「宇宙は究極の複雑性(Ultimate Complexity)へ向かっている」「その最終的な複雑性を私は神と呼ぶ」という趣旨のことを言っているんです。例えば、人は増えれば増えるほど複雑性が増すから人の命は救ったほうが良いし、異なる文化は共存していた方が良い。文化の消滅や民族の抹殺は、食い止めるべき事態である、と。
僕は彼の考えに完全に同意するわけではないんですが、ものごとはエントロピーが増える方向に進んでいくという意味で「わかるな」と思うところも大きいんです。そしてそこから発展して、「一人ひとりが自分らしく生きていることが許される状態」が良い世界で、逆に言えば「選択肢が奪われる世界」は良くない世界だな、と思っている。
例えば、あえて比較するなら「先進国が自己縮小局面にあって国としての力が云々」という話よりも、個人の幸福度の方がより関心が高い、みたいな感じです。言い換えるなら、全体主義的というより新自由主義的な思想が強い、というか。
──筋が一本通っている感じがありますね。これからについては、いかがですか。何かやりたいこととか。
淺野:やらざるを得ないだろうな、と思っているのは、ビービット自体をAI化すること。
AIというものが世の中に浸透し、クライアントもAIを使っている。そういう状況の中で我々が価値を出し続けるためには、仕組みや人の考え方を変えていくことが必要だろうなと思っているし、早く動き出せばそれ自体がアドバンテージになるかな、とも思っています。
個人としては、「かっこいいじーさん」になりたいと思ってますかね。かっこいいというのは、自分の人生に満足していること。自分の選択に満足していること。自分の幸せを自分で決めていること。人を助けられる能力があること。自分の良心に嘘をつかずに生きていること。あと、健康(笑)。
──健康は、大事ですね。淺野さんは、革靴を作る趣味もおありだとか。
淺野:革靴ね、すごく楽しいですよ。いや、生産的ではないですが。だって、僕が作る必要なんてないんですよ、なんなら機械で作ったほうが「生産性」は高いですしね。
でも、すべての事に本来意味は無くて、だからこそ自分で意味を付与する自由が与えられている。自分で意味を与えていく方が、人間としての豊かさがあって楽しいと思いますね。
※インタビュー当日に淺野さんが履いていた、ご自分で作った革靴
──生産性は低いかもしれないが、淺野さんにとっては意味がある、と?
淺野:仕事は生産的であり、かつ本質的であった方が良いと思っているんですけど、人生は余剰の方により本質が現れると思うんです。
人生において、何に情熱を傾けて、何に時間を使ってきたかによって人は規定されていく。それは、価値の高低という話ではなくて、厳然と規定されてしまうじゃないですか。そう考えたときに、何に時間を使うのかを自分の意思で選び、それを遂行するということ自体が楽しいと思うんですよね。動画を漫然と見続けるより、ソシャゲを回すより、ずっと健全。健全というか、僕はそっちの方が好きな生き方だなと。
野菜を育てるとか、家をリフォームするとか、何でもいいと思うんです。自分で決めて何かをやっているという状態が、余暇の使い方として良いのではないかなと思っています。
──仕事とは、本質とは、人生とは。淺野さん、いろいろと興味深いお話をありがとうございました!
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以上、淺野さんへのインタビューをお届けしました。
この記事を通して、ビービットに少しでも興味を持っていただけたら幸いです。
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※役職や業務内容など、記事中に含まれる情報は取材時点のものです。