「自分に嘘をつかない」生き方・働き方を求めて、2度の新卒就活を経て、ビービットにジョインした吉澤さん。選考・入社時期が限定されない「通年採用※1」で、10月に新卒入社しました。
※1 ビービットでは、一般的な新卒一括採用ではなく、個々人のタイミングで選考・入社が可能な「通年採用」の仕組みを導入しています
自らの「主流から少し外れた視点や原体験」を強みとして捉え直し、現在はマーケティングコンテンツ制作や広報業務を中心にマルチに活躍しています。
この記事ではそんな吉澤さんへのインタビューを通して、就活やキャリア選択の中で「型にはまる」ことに葛藤する方へ向けて、自分らしく価値を発揮するためのヒントをお届けします。
吉澤 俊平 (よしざわ しゅんぺい)/ UX人材開発部
一橋大学卒業後、新卒でビービットに入社。研修期間を経て、マーケティング&コミュニケーション部に配属。現在は自社のマーケティングコンテンツ(セミナー・各種レポートなど)の企画・制作や、社内外のコミュニケーション業務全般を幅広く手掛けている。
◤「主流じゃない」自分だから見えたこと、選べたもの
—— 吉澤さんは10月入社という少し珍しいタイミングでの新卒入社ですよね。まずは入社までの経緯について教えていただけますか?
はい。実は大学時代、一度は別の会社から内定をもらっていて、そのまま入社するつもりでした。しかし卒業が近づく中で「本当に自分に合う環境なのか」を改めて考え直した結果、内定辞退と自主留年を決断し、もう一度就活をし直したんです。
—— 就活をやり直して、周囲と卒業時期や入社時期がずれることに対して、不安のようなものはありませんでしたか?
不安は…多少はあったと思うんですけど、そこまで深刻には捉えていなかったと思います。
これはたぶん、幼少期からどこかにあった、「自分は必ずしもメインストリーム(主流)のど真ん中にいる人間ではないな」という感覚に由来している気がしていて。
例えば小学生の時、自分の家が学校からめっちゃ離れた場所にあって、みんなが放課後に「誰かの家に行こうぜ」と遊んでいる中で、自分は時間の決まったスクールバスに乗ってすぐ帰らなきゃいけなかったり。もっと遡って保育園の頃、みんなが積み木を投げたり蹴ったりして走っている中で、僕は一人で積み木を黙々と積み、絵を描きたいから描き、と独自路線をいっていたり、みたいな。
自分と他人とは違うものだし、たまたま自分の立場が「主流」から外れることもある、という認識をぼんやり持ち続けている人生だったので、就活の時にもそこまで焦燥感とかは抱いていませんでした。
—— 小さい頃から「みんなと同じではない」自分を感じていたのですね。就活以外でも、そういう感覚が影響していた決断や選択はあったのでしょうか?
そうですね。大学を選ぶときも似たような感じでした。この頃になると、自分以外の「主流じゃない」他者が課せられている不利益、みたいなものに関心が強くなっていて。
一橋大学って社会科学の専門大学なんですけど、そこに入ろうと決めたのも、誰かを社会の「主流」から疎外するような不備とか不具合を変えるための知見や力を学びたいと思ったからでした。
原体験の1つは些細なことで、中学生のときにニコニコ動画で見ていたゲーム実況者の中に、女性同士で交際しているカップルの配信者がいたんですね。当時はただのオタクとして見ていたのですが、ふと「この人たちって今の日本の制度では法的に結婚できないんだな」と気づいて。自分の両親は結婚できているし、自分もおそらく異性と結婚するだろうけど、じゃあなぜこの人たちはできないんだろう、何が違うんだろうか、と。その頃から 「今ある世の中の仕組みは絶対的に完全なわけではなく、どこかに手を入れるべき『不備』のあるものなんだな」という素朴な感覚を持ち始めました。
その意味で、大学入学前までの人生は「主流じゃない」環境に身を置いたり、そういう環境に向き合ったりする機会が多かったように思いますね。
◤大学時代の学び:「人の気持ち」や「表現の背景」に向き合う
—— 大学時代は、どのように過ごしていましたか?
学問としては、アメリカ文学と社会の関係性を読み解くゼミに所属していました。
最近の作品から戦時中のプロパガンダまで、主に映画を題材にしながら「その表現がどのような世論形成を促したか」「どんな人を排斥するために使われてきたか」を分析する領域です。フィクションであれノンフィクションであれ、表現という活動にまつわる恐ろしさと責任、そしてそれを読み解く面白さを学びました。映画1つを見るにしても、ただ「カッコいい」「強い」で終わるのではなく、「作り手はどういう意図や背景でこれを表現したのか」「この表現は誰を救い、誰を傷つけたか」と、「裏側」を探る習慣がつきました。
「自由の象徴」とされるアメリカの中でも、さまざまな制約や対立の中で表現が生まれていることに気づかされ、物事を多角的に捉える視点が養われた2年間でした。
—— 課外活動でも、社会的な問題意識に基づいた活動をしていたのでしょうか?
はい、性的マイノリティを取り巻く社会環境や制度に関する調査・発信を行うサークルに所属していました。大学の中で辛いことがあったときに逃げ込める「セーフティスペース」のような部屋を作ろうという活動をして、実際に一室立ち上げることができたんです。
そこは図書室兼保健室のような場所で、社会的な課題に関心がある人向けの本を置いたり、居場所として開放したりしていました。自分自身もその部屋の管理や留守番をしていましたね。
「世の中を少しでも良くしたい」「困っている人の力になりたい」という想いが、自分の活動の原動力になっていました。
◤就活の再スタート:「嘘をつかない」関係性を求めて
—— 一度決まりかけた内定を辞退して再スタートを切った就活ですが、どのような軸で進めていったのですか?
大学2〜3年生の1回目の就活では、とにかく早く就職先を決めたい一心で「どう選ばれるか」「『良い』と判断されるような人間性をいかに分かりやすく作るか」ばかり考えていました。ですが、その結果、自分と全く合わない会社への入社を決めてしまいそうになっていました。その会社の内定式に参加したとき、同期として一緒に働くことになる人たちと話してみると、「自分がもっと活躍したい」とか「自分が『成長』するためにこうしたい」、みたいな方向に熱意を向けている人が多くて。もともと自分自身のことよりは社会とか人間全般のことに関心があったこともあり、どうしても、自分がその環境で働き続けられる未来が見えませんでした。
その感覚から、2回目の就活に挑むことを決意しました。1回目の就活からの反省として、「自分がしたいことや思っていることに対して、嘘をつかなくても、それを受け止めてくれる会社」を探そうと決めました。急いで焦って入っても良い結果にならないと分かったので、あえてのんびりというか、自然体で構えることにしたんです。
そんな中で、登録していた就活サイト経由で声をかけてくれたのがビービットでした。
—— ビービットからのスカウトで、印象に残っていることはありますか?
スカウト文面で、僕がプロフィールに書いていたゼミでの研究内容(アメリカ文学と社会の関係性)に触れてくれていたことです。世の中の就活では「インターン経験」「留学」「バイトリーダー」といった、「ガクチカ」然としたエピソードが有利とされがちで、「大学のゼミで映画を見ながら論文を書いていた」なんて話は受けが悪いと思っていました。それでも就活サイトにゼミのエピソードを書いていたのは、一種の「嘘をつかないための社会に対する抵抗」みたいなもので、正直、そこを買ってくれる企業があるとは期待していませんでした。
それなのに、ビービットは「こんな研究をしているんですね」「うちに適していると思ってお声がけしました」と評価してくれた。自分の研究や、そこで得た思考のプロセスそのものを認められた気がして、最初の印象としてすごく嬉しかったのを覚えています。
◤選考で感じた「人や価値に対する本気度」
—— 面接や選考を進めていく中で、ビービットの印象はどう変化していきましたか?
とにかく「建前や嘘がない会社だな」と感じました。説明会でも、ビジネス的な用語を極力避けて、学生と同じ目線の言葉で真摯に語ってくれたんです。
面接でも型通りの「学生時代に力を入れたことは?」といった質問ではなく、僕がそれまでの人生で大切にしてきた価値観や、ゼミでの学びに関する話を深く掘り下げてくれました。嘘の無さでさらに言うと、面接の最後に「何か気になることはありますか?」と聞かれ、「正直、特に無いです」と答えると「面接はもう通すと決めてるんで、本当に何でも聞いていいですよ」とフランクに返してくれたり。もったいつけずに、正直に言った方が話が進むならそうする、というスタンスにすごく好感を持ちました。
—— 最終面接でのエピソードも印象的だったとか。
室伏さんとの最終面接ですね。最初に室伏さんから「頭と口が動けばいいんで、全然寝転がっててもいいですし、お茶飲んでもお酒飲んでもいいですよ」と言われたんです(笑)もちろん本当に寝るわけではないですが、「この場で本当に話すべき本質的な会話に集中しよう、建前っぽいことやマナーごっこはやめよう」という強いメッセージだと受け取りました。
採用の責任者がそれを体現していたことで、この会社に抱いていた正直さという印象が本物なんだと確信を持てましたね。
—— ビービットの理念や思想についても共感する部分があったのでしょうか?
「一兆円企業を目指すよりも、人々の笑顔(スマイル)を増やすことに価値がある」という一兆スマイルの思想がすごくしっくりきました。当時の自分はゼミやサークル活動を通じて、「世の中はお金を中心に回りすぎている」と感じていて、その疑念と響く部分がありました。たとえば性的マイノリティの生きやすさを考える文脈では、しばしば 「この差別によって生じている経済的損失は何十億ドルだから、助けるべきだ」というロジックが登場するのですが、「お金になるとかならないとかじゃなくて、人間が困っているんだから助けるべきだろ」と思っていたり。
自分の中で価値の優先順位として、「人」が一番上にあった。ビービットの理念は、まさにその価値観と通じるものだと感じました。
◤研修時代の葛藤と、成果へのアプローチ
—— 10月の入社後、まずは研修期間があったと思います。実際に働いてみていかがでしたか?
正直、思ったよりずっと大変でした(笑)
入社前は「コンサルティング」という仕事のシビアさ、特に求められる役割とスタンスを、本当の意味では理解していなかったんだと思います。極論、学生時代のアルバイトなら決められた時間に決められた作業をすれば給料がもらえるわけですが、コンサルタントとして他社の事業、その事業におけるプロの人たちがずっとやってきた仕事に対して口を出す以上、価値を出さなければ存在する意味がない――それどころか、失礼にあたってしまう。実践研修に苦戦する中で、研修マネージャーからそうした趣旨のことを言われ、ハッとさせられましたね。
自分の未熟さを痛感し、「プロとしてどうあるべきか」と意識を切り替える大きなきっかけになりました。
—— その大変な研修期間を、どのように乗り越えたのでしょうか?
心の支えになっていたのは、メンター※2との週1回の面談です。仕事の進捗だけでなく、仕事とは直接関係のない社会課題のことや「人間にとって良い状態とは何か」「なぜ人は優しくなれないのか」といった抽象的なテーマについても議論していました。
研修に関わる目の前のタスクに追われてどうしても視野が狭くなってしまいがちな中で、「自分がなぜこの会社に入り、どう社会に貢献したいのか」という原点の問いに立ち返ることができる時間になったのかなと思っています。
※2 「メンター」とは、普段の業務を共にするマネージャーとは別に、定常的にキャリアやプライベートのことなどを相談できる社員のこと
◤現在の仕事:コンテンツ制作と「伝える」喜び
—— 実践研修の後は、マーケティング&コミュニケーション部(略称:DMC)へアサインされました。どんな経緯があったのでしょうか?
当時、新卒の研修やアサインを管掌していた方からは、「チームUCD※3を実践する機会を持ってほしい」という意図があると伺いました。10月入社の自分は(4月入社のメンバーと異なり)最後まで一人で研修をしたので、チーム間の協働で行うDMCのマーケティング活動から多くを学んでほしいという期待があったのかなと。
一方、アサインされてからはDMCの中で、文章作成に関わる貢献を期待されることが増えていきました。もともと書き物は趣味でしていたのですが、それが1つの「強み」として活かせるようになったのは嬉しかったです。もともとは「経験を補う」意味合いの強かったアサインだとは思うのですが、そういう経緯もあり、今は自分の持ち味を活かせる場だと強く実感しています。
※3 「UCD(User Centered Design)」とは、その場における「ユーザ」を起点として物事を考え、ユーザとのコミュニケーションやそれに紐づく仕組みを設計する考え方
—— 具体的には、DMCで現在どんなことを担当しているのでしょうか。
メインはマーケティングコンテンツの制作です。
具体的には、ビジネスやUXに課題意識のある方に向けたダウンロード用レポートの執筆であったり、セミナーやイベント、解説動画の企画・資料作成、それらを告知するためのメルマガやSNS・広告の文章を作成したり、最近だとウェブ記事を作成しての認知拡大施策を行ったりしています。
社外コミュニケーションの領域では、会社から出ていく発信物全般の文章チェックをしたり、オープン社内報の作成をしたりしています。あとは社内コミュニケーションの領域として、全社イベントの運営を行うこともありますね。結構「何でも屋」的なところが大きいです。
—— 仕事の中で、特にやりがいを感じる瞬間はどんなときですか?
例えば、藤井さんが登壇するセミナーの準備では、事前に内容を打ち合わせ、「このモデルや事例をスライドに入れた方が、参加者に意図が伝わりやすいのでは」と自分なりに構成を提案してスライドを作成します。そうやって練っていったセミナーを実際に開催した後で、「〇〇の例えがすごく分かりやすかった・印象に残った」と参加者からフィードバックをいただけたときは、最高に嬉しいですね。
自分が頭を捻って考えた表現や構成が、画面の向こうのお客様の深い理解や気づきにつながっていると実感できる。表現の持つ力を学んだ学生時代の経験が、形を変えて今の仕事に活きていると感じます。
—— 幅広い業務を担当しているのも特徴的ですね。
そうですね。マーケティングだけでなく、社内コミュニケーションや広報など、性質の異なる複数のプロジェクトが同時に走っています。最初は大変かと思いましたが、やってみると「あれ、意外とこういう動き方得意かも」と思えるようになってきましたね。全体を俯瞰して「今はここが手薄だからフォローしよう」「この準備を先にしておこう」と適切に優先順位をつけて動けるのは、実際に現場で揉まれる中で鍛えられた自分の強みだと思います。
◤「傍流」としての自分の立ち位置を強みに
—— ご自身のこれまでの歩みや視点が、ビービットでの仕事に活きていると感じる部分はありますか?
結構大きいと思います。特に、周囲と違う時期に就活をして入社をして、なおかつコンサルティングのデリバリ現場ではないところで仕事している、という「傍流」の立ち位置は、自分が書くコンテンツや会社から出る発信物を俯瞰して評価する上で、大いに役に立っているのかな、と。
たとえばこういう、就職活動に関する記事をチェックする際には、「コンサルタントという職種と他の職種とを比較したり、優劣を付けたりするようなニュアンスが入っていないか」「あるキャリアパスのことを『誰もにとって当たり前』のように表現していないか」みたいな目を向けるようにしています。そういう視点は、いわゆる「主流」から少し逸れた生き方をしたからこそ持てているものだと思っていますし、そういう自分が介在することで、意図したメッセージを公正に伝えられたらいいですよね。
—— そのこだわりから生まれたコンテンツの一例として、弊社を受けにきてくださる方々に好評な「新卒2年目が主観で語る!beBitってこんな集団」という記事ががあるんですね。
そうですね。この記事は、入社前に不安に思っていたことだったり、1回目の就活の後悔だったり、そういう自分自身の経験に向き合って書いたもので、同じように悩んでいる人の役に立ちたい、という意図で執筆しました。
この記事の中でも、表現は違うんですが「『傍流』である自分が感じる居心地の良さ」について書きました。その記述に好感を持った人たちが、その人なりの視点をビービットに持ち込んでいくことで、さらにビービットという組織の懐が広くなっていく。そういう流れが、細くともできていけば良いなと思います。
◤就活生へのメッセージ
—— 最後に、これからのキャリア形成や就活に悩んでいる方に伝えたいことはありますか?
就活をしていると、「世の中の枠組みや一般的なやり方に自分を合わせなければいけない」と強いプレッシャーを感じることがあると思います。上手くいかないと、自分という人間そのものを否定されたような気持ちになるかもしれません。
でも、みんなと同じ主流の道に乗ることだけが正解ではありません。無理に自分を偽って嘘をつくくらいなら、少し立ち止まったり、歩みを緩めたりしても大丈夫、と個人的には思います。少し外れた場所で悩み、考え抜いた経験や独自の視点こそが、将来どこかで誰かを救ったり、新しい価値を生み出す源泉になるんじゃないでしょうか。
それぞれが自分の原体験や違和感に誇りを持って、自分らしくいられる環境を焦らず見つけていってほしいなと思います。