当社は、2023年度・2024年度において、男性育児休業取得率100%を達成しました。合せて、2年度間の男性育休平均取得日数は61日と、全国平均を大きく上回る水準となっています。
この結果は、「育休取得率を上げること」そのものを目的にしたものではなく、国の制度改正(産後パパ育休創設、育休の分割取得など)をきっかけに、社員の実態や声に向き合いながら、育児休業を「使いやすい制度」として整えてきた積み重ねによるものです。社員が安心して育児休業を取得できる環境づくりを進めてきたことが、結果として高い取得率や取得日数につながりました。
大きな転機となったのは、2022年の育児・介護休業法改正です。産後パパ育休の創設や育児休業の分割取得が可能になったことで、男性が育児に関わるタイミングや期間の選択肢が大きく広がりました。当社では、この法改正を単なる制度変更として受け止めるのではなく、「社員の実態に合った取得を可能にするための機会」と捉え、施行前から制度内容の社内への理解促進と運用面での工夫を進め、施工後は産後パパ育休と分割取得を積極的に推奨しました。
DEIの視点に繋がる3つのポイント(「取得率100%のコツ」)
1. Diversity:多様な育休取得スタイルの尊重
具体的には、育児休業制度相談窓口を中心に、改正内容を分かりやすく整理し、取得可能なパターンや留意点を丁寧に説明する啓発を継続して実施しました。あわせて、育児休業から復帰した社員へのアンケートを行い、実際に役立った制度や取得時の不安、復帰後の状況を把握し、その声を制度説明や運用改善に反映してきました。さらに、社内における取得日数や取得時期、復帰後の働き方といった実績データを蓄積・可視化し、取得を検討する社員が自分に合った取得計画を立てる際の具体的な判断材料として提供しています。
2. Equity:育休取得しやすさを高める運用の公平性
当社では「休業を取る人」だけでなく、「業務をサポートする側」の納得感も重視し、「お互い様意識」を大切にしています。長期休業に伴い業務を代替した社員に対し、「休業サポート手当」を支給する制度を導入しました。
一緒に働く仲間の業務をサポートすることは、当社が大切にしているバリューの一つである「チームワーク」の実践であり、スキルアップや視野の広がりによる「進化」につながる機会でもあると考えています。
3. Inclusion:安心して育休取得できる職場環境
2023年度・2024年度における男性育児休業取得者の管理職割合は60%です。管理職自身が積極的に育児休業を取得してきたことも、全体の取得率向上を支えた重要な要因です。
管理職の取得は、「役職があると休みにくい」という固定観念を和らげ、制度を利用することが特別ではないというメッセージを社内に浸透させました。
復帰後の管理職アンケートでは、「休業を前提に業務棚卸や標準化を推し進めた」「日頃から属人化防止や情報共有を意識するようになった」との意見も聞かれ、各部門で実際の取得事例が積み重なることで、業務上の対応についても現実的なイメージが共有され、後に続く社員が安心して上司に相談・取得できる環境が整っていきました。
こうした制度理解の促進、相談体制の整備、多様な取得スタイルの蓄積、管理職の率先行動、そしてチームワークを意識したサポートする側への配慮が重なった結果として、共働き世帯や2人目以降の育児など、より現実的で多様な家庭状況にも対応できる職場環境が整いました。必要なタイミングで育児休業を選択できることは、社員の安心につながり、結果として組織の強さを支える基盤となります。また、DEIの観点からも重要な成果だと考えています。
今後にむけて
当社は「チームワーク」、「進化」、「事実に基づく判断」を大切にする組織です。
今後も、法改正の趣旨を的確に捉えながら、制度を「整える」だけでなく「正しく伝え、安心して利用できる」状態を維持・向上させることで、誰もがライフイベントとキャリアを両立できる組織づくりに取り組んでいきます。
Wantedly過去記事