第1章:塩干から店全体を動かす日々
現場で感じる「今」を、会議で「未来」に変える/数字と売場をつなぐ戦略会議/“全員参加”で進化するチーム
僕はいま、宝塚旭町店の店長と、たこ一全体の鮮魚部長を兼任しています。現場で扱うのは塩干や日配といった繊細な商品。でも、僕の仕事はそれだけにとどまりません。
店舗の運営方針を決める店長会議や、現場スタッフ全員での店会議では、「数字」と「売場」をどうつなぐかという戦略を話し合っています。
特に最近は、「翌月の予算をどう達成するか」というテーマで、各部門の主任たちがしっかり考えてきた内容を共有する場に進化してきました。
この変化がすごく面白いんです。
昔は「上からの伝達」だった会議が、今は「現場の声が起点」になっている。
僕は、塩干や日配の動きを肌で感じながら、「この店で今、何が売れているか」「お客さんは何を求めているか」を毎日考えています。
そして、それを戦略に落とし込む。感覚を数字に、数字をアクションに変える仕事だと思っています。
第2章:「未経験の鮮魚人材」に必要なマネジメントとは
“魚が好き”だけでは仕事にならない/一律教育では育たない時代/「この子に合った育成」で飛躍を後押し
「魚が好きで、鮮魚の仕事をやってみたかったんです!」という子が、よく応募してきます。その気持ちはすごくわかります。僕自身は、魚も好きだけどやっぱり肉が好き(笑)、商売としての面白さに惹かれてこの仕事を続けてきました。
ただし、趣味として魚を触るのと、仕事としてやるのは全然違う。包丁を握る姿勢も、スピードも、責任も、まったく別物なんですよね。
だから僕は、未経験の新人に対して「みんな同じ育て方」では、もう限界があると思っています。
スピード感のあるタイプと、コツコツ積み上げるタイプ。それぞれに合った育成方法を取ることが、結果的に早く一人前に育てる近道になる。
現場では主任の熱量が強すぎて、逆にスピード感が合わなくなる子もいる。そこをうまく橋渡しするのが僕の役割だと思っています。
さらに、最近では「この仕事を通じて、将来どうなりたいか?」というキャリアビジョンも、できる限り聞くようにしています。
やってみたいことはどんどん挑戦してもらいたい。そういうチャレンジの土壌を整えることで、未経験でも活躍できるチームが作れると信じています。
第3章:新店を支える“主任候補”をどう育てるか
新店構想と人材のギャップ/“2年かけて覚える”ではもう遅い/採用と育成のスピード感を合わせる時代へ
たこ一はこれから新店を出していく可能性があります。ワクワクする話ですが、同時に大きな課題があります。
新しい店を任せられる“主任クラス”の人材がまだまだ足りていないんです。
魚の知識をしっかり身につけるには、本来2年くらいは必要です。1年目で季節ごとの魚を覚えて、2年目でようやく加工技術を磨く。
でも、会社のスピード感に合わせるには、そのスピードでは間に合いません。だからこそ、僕たちは「最初から主任を見据えて採用する」という意識が必要だと思っています。
もちろん、スピード重視と言っても、雑に育てるわけではありません。
タイプ別のマネジメントや、現場と連携した実践育成によって、1年以内に一定の戦力に育てる。
そして、そこから先は任せていく。その仕組みを整えることが、たこ一の次の成長に欠かせないと感じています。
第4章:「魚好き」より「商売好き」が光る職場
魚が好きでも、売れなきゃ始まらない/裁量権で生まれる“売場の個性”/正解のない商売を楽しめる人に向いている
よく「鮮魚って、魚が好きじゃないとできませんよね?」って聞かれるんですけど、僕はそうでもないと思ってます。
僕自身、魚も好きだけどやっぱり肉が好きですし。
最近は歳のせいか魚も好きになりました(笑)
仕事終わりに食べるのも、だいたい肉のほうが美味しいな~って思ってますから。
でも、そんな僕でもこの仕事が面白いと思えるのは、「商売として魚を売る」ことが楽しいから。
どの魚を、どう並べて、いくらで出して、どう売り切るか。そのすべてに自分の裁量があるんです。
今日仕入れた魚を、明日どう料理提案して、どう売り場に出すか。それを自分で決められる面白さが、この仕事にはある。
だから、向いているのは「魚が好きな人」だけじゃない。「自分の考えで売場を動かしたい人」「お客さまの反応をダイレクトに感じたい人」そういう人たちが、この仕事で本当に輝けると思います。
少し真面目すぎるより、ちょっと肩の力が抜けている人のほうが、臨機応変に動けて、結果的に売れることも多い。