昨今、「SaaSの死」が現実味をもって語られています。
AIエージェントの台頭、per-seat課金モデルの構造的脆弱性、ホワイトカラーのリストラによる座席数減少。SaaS企業の株価軟調もあり、「AIがSaaSを代替する」という議論は加速する一方です。
私は今、PMOコンサルティングとAIプロジェクト管理SaaSの二本柱で合同会社Projimoを立ち上げたばかりの立場です。
まさにこれからSaaS事業を作ろうとしている人間が、この議論をどう捉えているか。率直に書きます。
■ 死ぬSaaSと死なないSaaSがある
AIに代替されやすいのは「入力→処理→出力」がシンプルな汎用SaaSです。経費精算、請求書処理、情報の収集・整理。これらはAIエージェントで置き換え可能な領域に入りつつある。
しかし、プロジェクト管理は違います。
日本のITプロジェクトの約70%が「失敗」とされている現実があります。その原因は「ツールがない」ことではなく、「何を管理すべきか、いつ誰にエスカレすべきか」という判断基準が現場に浸透していないことにあります。
AIに「プロジェクト管理ツールを作って」と指示すれば、タスク管理やガントチャートは生成できるでしょう。でも、「このプロジェクトは今、健全なのか?」「どのリスクを今週中に潰すべきか?」という問いに答えるには、現場で積み重ねた知見が必要です。
Projimoが作るSaaSは、4年間のPMOコンサルティング現場(NTTデータ社の大規模プロジェクト、自治体DX、大手EC開発等)で得た「なぜプロジェクトは失敗するのか」のパターンを、設計思想として埋め込むものです。
■ 本当に死ぬのは「座席数課金」というビジネスモデル
per-seat課金は、リストラで人が減ればそのまま売上が減る構造です。AIが業務を代替すればさらに減る。
だからこそ、SaaSの価値は「何人が使うか」ではなく「使った結果、何が変わるか」で測られるべきです。プロジェクトの成功率が上がる。毎週3時間かけていた報告書作成が自動化される。そういう成果に紐づく価格設計が、次のSaaSには求められます。
■ コンサル×SaaSは「SaaSの死」への構造的な備え
ProjimoはコンサルティングとSaaSの二本柱で設計しています。
仮にSaaS市場が縮小しても、AIで内製化が進むほど「それを正しく管理・運用できる人」への需要は高まる。「精度の担保」「既存システム連携」「保守運用」は、まさにPMOが日々扱っている領域です。
そしてコンサルティング現場の知見をSaaSにフィードバックし続ける限り、AIが一晩で生成するツールとは質的に異なるプロダクトを提供できると考えています。
■ 結局のところ
「SaaSが死ぬかどうか」を議論するより、「AIの時代に、現場で本当に必要とされる価値は何か」を問い続ける方が建設的です。
Projimoのミッションは「日本のITプロジェクト成功率を30%から70%に変える」こと。それがSaaSで実現されるのか、コンサルティングで実現されるのか、あるいはその両方なのかは、手段の問題に過ぎません。
変わらないのは、プロジェクトを成功させたいという現場のニーズです。
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