M&Aを3度経験し、4名の起業家を輩出してきた大石。旅行・金融・不動産・福祉・AIと幅広い領域で事業を立ち上げ、EXITまで走りきった後、現在は株式会社ミリタンイの取締役会長として新規事業や経営戦略をリードしている。
働く人がやりがいとワクワクを持てる環境をつくりたい
その想いを軸に、組織づくりと人材育成に向き合い続けてきた。多様なキャリアを歩む中で見えてきた“成長のポイント”や“仕事の選び方”、そして若手時代に直面した壁とは何だったのか。
今回は、若手社員から寄せられた「入社したらどんなキャリアが描けるのか」「どんな成長ができるのか」という率直な疑問に対し、大石自身の経験・視点・哲学をもとに語っていただいた。
キャリアの未来を描きたい読者に向けて、リアルなストーリーに迫る。
なりたい未来をつくる働き方。大石が語るキャリアのリアル
目次
なりたい未来をつくる働き方。大石が語るキャリアのリアル
ーーこれまで複数の会社を立ち上げ、M&Aも経験されていますが、その中で「なぜ最終的にミリタンイという会社をつくる決断」をしたのでしょうか?その原点を教えてください。
ーー失敗から前に進める若手と、そこで止まってしまう若手。両者の違いはどこにあると思いますか?その差を生む”思考”や”習慣”についても教えてください。
ーーこれまで数々の事業を立ち上げてきた会長だからこそ感じている、“組織が挑戦し続けるための条件”とは何でしょうか?また、ミリタンイではそれをどのように形にしているのでしょうか?
ーー最後に、いまキャリアに迷っている20〜30代へ。「失敗しても前に進める人になるための、たった一つのアドバイス」をお願いします。
ーーこれまで複数の会社を立ち上げ、M&Aも経験されていますが、その中で「なぜ最終的にミリタンイという会社をつくる決断」をしたのでしょうか?その原点を教えてください。
いろんな会社を立ち上げたりM&Aを経験したりしてきたんですけど、どの事業も正直チャンスがあるからやるって流れで進んでいて。うまくいったものもあったし社員も増えましたが、どこかで本当にこれがやりたいことなのかな?という気持ちがずっと残っていました。サラリーマン時代も自分が歯車みたいに感じてしまって、じゃあ自分は世の中に何を残したいのか、どうありたいのかを考えるようになったんです。
そこで思い出したのが、これまで日本人にたくさん助けられてきたこと。日本人の細かさや繊細さって本当にすごいと思っていて、その良さをちゃんと残したいという想いが強くなりました。そのとき“ミリ単位のこだわり”という言葉が浮かび、それを体現する会社をつくりたいと思ってミリタンイという名前にしました。
今回は事業ありきではなく想いありきで会社をつくっています。どんな事業でもやりますが、根底にあるのはどこよりも細かく気が配れる会社でありたい”という想い。それを形にしていきたいと考えています。
ーー20代・30代での葛藤や失敗体験は、その後のキャリアや事業づくりにどんな影響を与えましたか?
20代の頃は挑戦もたくさんしたんですけど、振り返ると全部自分のためだったんですよね。モテたい、稼ぎたい、褒められたい…って気持ちで突っ走ってて、年商1億いったら次は10億、その上…って終わらない階段をずっと登ってる感覚でした。一時的な快楽はあっても、全然幸せじゃなくて。快楽と幸福って違うなって気づいたのは大きかったですね。
本当に心が動いたのは、誰かに喜んでもらえた瞬間とか、仲間と成功を分かち合ったとき、家族と何気なく過ごす時間だったんです。あ、これが幸せなんだって思えて、そこから自分のためじゃなくて人のために動くほうが幸福度が高いって実感しました。
売上を上げたくて無理に販売してクレームをもらったこともあって、数字は伸びても心は全然満たされないし、仲間も疲れちゃう。逆に、胸を張って提供できる仕事をしてるときは一番エネルギーが出るんですよね。
だから今は、お客さんにも仲間にも後ろめたさのない、人が喜ぶ仕組みで事業をつくるようにしています。失敗から学んだことで、今の事業づくりの軸になってます。
ーー失敗から前に進める若手と、そこで止まってしまう若手。両者の違いはどこにあると思いますか?その差を生む”思考”や”習慣”についても教えてください。
失敗から前に進める若手と止まってしまう若手の違いは、結局覚悟と日々の向き合い方だと思っています。しんどい場面で逃げるか、ここが変われるポイントだと一歩踏み出せるか。その思考の差が、後の成長スピードを大きく分けます。
日々の習慣として、変化を怖がらずに小さくても新しい選択を積み重ねていく人は、出会いや可能性が一気に広がっていきます。環境を変える、頼ってみる、挑戦してみる。そんな小さな行動習慣が大きな変化を連れてくるんですよね。
もちろん、否定されたり悔しい思いをすることもありますが、それを感情で終わらせず、次の行動に変える習慣を持てる人は、何度倒れても立ち上がれる強さが身についていきます。
最終的には、倒れた回数ではなく立ち上がるためにどんな思考と習慣を持てているか。そこが、前に進み続けられる若手をつくるのだと感じています。
ーーこれまで数々の事業を立ち上げてきた会長だからこそ感じている、“組織が挑戦し続けるための条件”とは何でしょうか?また、ミリタンイではそれをどのように形にしているのでしょうか?
挑戦し続ける組織をつくるうえで欠かせないのは、まず可能性を見抜く目を持ち続けることだと思っています。できない理由ではなく、まだ開いていない扉があるはずだという視点で世界を見ると、事業のチャンスって自然と増えていくんですよね。
そして、もうひとつの鍵は声が埋もれない組織であること。
立場に関係なく、メンバーの何気ない気づきやアイデアが自然と共有される環境って、挑戦のスピードを何倍にも高めてくれます。
ミリタンイでは、出てきたアイデアを一度やってみようの精神でとにかく動かす文化があります。小さな改善でも、理由さえあればとりあえずチャレンジ”が原則で、失敗は責めるものではなく、次の挑戦に向けた材料として扱われます。
挑戦とは、誰か一人では続かないもの。
その一歩を讃え合い、失敗すら前に進むための資産に変えていける。
そんな組織であることが、ミリタンイの大切な価値観になっています。
ーー最後に、いまキャリアに迷っている20〜30代へ。「失敗しても前に進める人になるための、たった一つのアドバイス」をお願いします。
失敗しても前に進める人になるために、いちばん大事なのは、自分の人生に嘘をつかないことだと思うんですよね。
人それぞれ自分のテーマみたいなものがあって、それを大事にできているかどうかが、キャリアの軸になると思っています。
収入が高いとか、有名な会社にいるとか、そういうのが偉さじゃないんです。
自分らしさをちゃんと追いかけられているか。その一点だけでいい。
もし今の職場で「ここだと自分を出しきれないな」って感じるなら、迷わず違う環境にトライするのも全然アリだと思います。
自己表現できる場所に身を置くと、人って不思議と前に進む力が湧いてくるんですよ。
だからぜひ、自分の良さを自分で認めてあげてください。
それを大事にして生きていけば、どんな失敗があってもまた立ち上がれるし、ちゃんと前に進めます。