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【産業エネルギー部】まさに今が転換期。次世代の上原成商事を担う中核部門の成長戦略に迫る

部門インタビュー第三弾は、産業エネルギー部の営業チームへ直撃。産業エネルギー部は法人のお客様・主に製造メーカーに向け、産業用燃料(石油、ガソリン、灯油、軽油、重油、潤滑油など)の卸売販売をメインとする部門。建設資材部、液化ガス部と並ぶ、上原成商事を支える3本柱の事業です。
オール電化や電気自動車の普及により脱炭素化が進み、産業用燃料を主力商材とする産業エネルギー部において決してポジティブとは言い切れない潮流の今、業界シェアを拡大するためどのような成長戦略を描いているのか?産業エネルギー部 部長・長尾と課長・中山にズバリ迫りました!

写真中央:長尾 勝利(1990年新卒入社・社歴33年)
産業エネルギー部 部長

写真右:中山 慎平(2001年新卒入社・社歴22年)
産業エネルギー部 課長

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ーーまずは近年における、産業燃料業界全体の変化をどう捉えていますか?

中山:当社に限ったことではなく、産業エネルギー業界全体が少数精鋭化の傾向にあります。一人の営業が担当するエリアが広域化しているんですね。昔は東京都内に在籍していると都内近郊を担当するのが主流でしたが、関東甲信越や東北まで広範囲でカバーする時代になってきました。その理由は、価格提案が簡略化したことで請け負う件数が多くなってきたことにあります。

ーー具体的にはどういったことでしょう?

中山:ガソリンを例に挙げましょう。ガソリン価格は原油価格や為替レートなどに影響されます。昔なら一度着いた値段は1ヶ月そこらでは変わりませんでしたが、今は価格変動が激しく1週間で大きく変わることも珍しくありません。価格の動き方がロングスパンからショートスパンになってきたんです。
以前は月一回ほどお客様の元へ訪問し、商談・価格交渉のうえ受注していました。しかし今は「わざわざ訪問しなくても見積書だけ送ってくれたらOK、他社比較してその中から安いものを選びます」というのが主流になってきたんです。物理的にお客様と接触する機会が減り一件に関わる時間が簡略化されたことで、エリアの広域化によってシェアを争っているという現状ですね。

変わらないために変わり続ける。ネット通販事業への参入

ーーなるほど。では今後産業エネルギー部がシェアを拡大・獲得していくための戦略は、どのように考えていますか?

中山:これまで営業担当がお客様の元へ訪問し、提案・販売するスタイルを貫いてきた当社ですが、いよいよ法人のお客様向けのネット通販へ参入することになりました。私は本事業の責任者としてプラットフォームの選定や販売システムの構築などすべての陣頭指揮をとっています。盤石な経営基盤を確保しながらも時代の流れを鋭敏に読み解き、お客様や世の中の要望・期待に応える対応力は必要不可欠です。

ネット事業最大のミッションは新規顧客の開拓です。既存のお客様は引き続き営業担当がきめ細やかにフォローし、営業チームがまだカバーしきれていないお客様、例えば個人経営の整備工場様などの掘り起こしや接点の拡大を狙っています。

ーー新しいビジネスの芽を育てる、まさに転換となる事業がスタートしたわけですね。

中山:しかし全社員が諸手を挙げて賛成というわけではなく、これまでどおりお客様と直接顔を付き合わせて販売していくべきだという声があったのも事実でした。ある程度覚悟していましたが、ギャップを埋めていくのは大変なことでしたね(笑)

ーーお察しします…。では異議を唱えるメンバーとはどうやって向き合っていったのでしょう?

中山:反対意見の声にとことん耳を傾け、全員が同じ方向を目指せるポイントを探りました。先ほどネット通販のメインターゲットは新規顧客と言いましたが、当初は既存顧客に向けてネット販売することも選択肢の一つにあったんです。ですが新規顧客・既存顧客の両軸へ販売するなら、究極の話、営業担当は必要なくなってしまうんじゃないか…そこに難色を示されていたようですね。

そこで思い返したのは、当社の存在意義です。私たちがお客様との関係性を何より重んじ、ご要望に寄り添いながらベストなご提案をすることが創業時からの当社の理念と誇り。そこで得た信頼が選ばれる理由のひとつでもあります。創業から80年余、長きにわたり祖業と向き合ってきたことが現代で新たな視点やアイデアと結びつき、ビジネスの優位性となることに気づきました。
オンラインが当たり前の世の中だからこそ、今まで以上に顧客の行動や声に真摯に向き合っていく必要があり、それができない企業は淘汰されていくのではないでしょうか。
そのため既存顧客は引き続き営業担当がお客様との関係性を深め、オンラインへチャネルを増やすことでこれまで接点を持てていなかった新規顧客を取り込んでいこう、と方向性が定まり、合意を得ることができました。

むしろ反対意見を言ってくれる方々がいたからこそ、あらためて私たちの強みや価値を再認識するきっかけになりました。これまでをまっさらにするのではなく、原点に立ち返る。時代にふさわしくあるよう磨きをかけていくべきところですね。創業時の意思にあらためて具体性を持てた瞬間でした。

ーー伝統に裏打ちされた当社ならではの事業展開となる予感ですね。ネット通販では今後どんな商材を販売していく予定でしょうか?

中山:まずは当社のオリジナル製品を販売する方針です。当社は特約店契約を交わしているメーカーの商材を取り扱っているのですが、価格面などはメーカーのルールに従わなければならない制約があります。そのためOEMで上原成商事グループのオリジナル製品を作ることで、制約に縛られず自由に販売することを目指しています。
しかし当社は商社としての基盤が強固だからこそ、せっかくオンラインに参入したからには新しい商材の販売にも挑戦したいと考えており、「こんな商材はどうか」というアイデアを、若い人たちからもぜひほしいですね。もし発展的に売れる奇策があれば、大根でもキャベツでも取り扱いますよ(笑)

ここでもう一度原点に立ち返るのですが、私たちの一番の財産はお客様です。だからこそネット事業を軸に、お客様にとっての新しい価値を創れないかということに注目しています。例えばお客様は製造メーカー様が多いので、逆に我々がお客様から商材を仕入れて販売するとかね。ほかにも企業同士のマッチングであったり、お互いがwin-winになれる仕組みを描きたいんです。ネット事業という新たなビジネスモデルをきっかけに、数珠つなぎのようにほかの事業が生まれていく可能性は十分にあると感じています。

東北・九州エリアの市場開拓から全国進出を目指して

ーーネット通販以外にも構想はあるのでしょうか?

中山:もちろんです。クロスセルの強化と新たな市場開拓に向けても着々と動いています。
まず一つ目のクロスセルの強化ですが、既存のお客様へ産業用燃料とセットでご提案する商材を増やしている真っ最中です。そのひとつが当社のオリジナル製品「ブルーゴリラ325」という高品位尿素水。これはトラックの排気ガスの有害性を低減する製品ですが、環境問題が叫ばれる時流に伴い需要が高まっている製品です。ブルーゴリラ325の製造工場が京都にあるため、現在は関西圏での販売が主力となっていますが、関東にも販路拡大を狙い、費用対効果を考えながら配送拠点や供給ネットワークを整えていく方針です。まだ売上の多くを占めるようなシェアには至ってはいませんが、確実に伸びてきているのでさらに商品品目を増やしていきたいところですね。

ーー関東の販路拡大、さらに加速させたいですね!

長尾:現在産業用燃料と潤滑油が売上の大半を占めているので、それが部門の強みでもあり弱みでもあります。そのため売上の約2割程度を目標に燃料に変わる主力商材を、この10年間のうちに育てたいと思っています。先ほど説明したブルーゴリラ325もそうですし、もちろん新たな商材を作ってもOK。だからこそ、これから入社してくれる若い世代の力に大きな期待を寄せています。ネット事業もまだまだこれからですが、ゼロベースだからこそ自由でのびやかに活躍できる環境だと確信しています。

中山:もうひとつはこれまで攻めきれていなかったエリアの市場開拓です。産業エネルギー部は本社である京都支店・大阪支店・松山支店・名古屋支店・東京支店の全国5支店と、潤滑油を専門的に扱う1グループで構成されています。東京支店と大阪支店を起点にして北は青森、南は鹿児島・宮崎・熊本を攻めているところです。販路を拡大・定着させることができれば、各地に営業拠点を構えることができますし、そこを足場にまた近隣地域を攻めて…と、最終的に目指すのはやはり全国への進出ですね。

新規開拓は山登りのようなもので、過程の苦しさを経て頂上に到達した時の喜びは計り知れません。ルートを試行錯誤し登った先に成約する一件をつかむ…その爽快感たるや!営業経験がある方ならきっとおわかりかと思いますが、その瞬間にビールを飲みたいくらいですよね(笑)それが営業ならではの醍醐味ではないでしょうか。

商社としての盤石な基盤があるからこそ枠に縛られずチャレンジできる

ーーこれまでお二人は産業エネルギー部の第一線を走ってこられました。ご自身の職域の誇り、やりがいはどんなところにあるのでしょうか?

中山:産業エネルギー部の配属なのでメインは「産業燃料の営業」ではありますが、もっと大きな括りで「商社の営業」だと思っています。もちろんいち営業としてまだまだ精進すべきことはありますが、ネット事業や市場開拓、新商材の開発など枠を超えた領域まで任せていただいているのは、何よりの喜びかつやりがいですね。

ーー中山課長はバイタリティのかたまりのような人ですよね(笑)

中山:どのプロジェクトも先頭を走らせていただき、もちろんプレッシャーはありますがめちゃくちゃ楽しいですよ!

長尾:私はやりがいは人から与えられるのではなく、自ら作るものだと思っているんです。そして続けることで見つかる、とも。よくメンバーに言う「何かをしたい人は10,000人、それを実行する人は100人、続ける人は1人」という、私の好きな言葉があります。一時的にがんばれてもその努力を継続できる人はなかなかいませんし、難しいことです。「今日からこれをやる!」と決心しても日々に追われ、いつのまにか決心したことすら忘れてしまった…という経験は、誰もが身に覚えがあるんじゃないでしょうか?
中山君は継続したからこそ、自らの力でやりがいを見つけ今を楽しむことができている。もちろんやり方は人それぞれなので自分にフィットする方法を見つけてほしいですが、やはり「続ける」というのは正解のひとつなんじゃないかと思います。

中山:それでいうと産業エネルギー部は入社後早い段階から経験を積める部門ですね。入社後1年以内には各自の顧客を担当してもらい、早ければ半年ほどで任せる場合もあります。その方が仕事がおもしろいじゃないですか(笑)

ーーちなみに1件あたりの商談(商材)の金額はどのくらいでしょう?特に学生さんはイメージしづらいかと…。

中山:潤滑油であれば5,000円〜数万程度のものもありますし、石油燃料であれば数百万という商材もありますね。月々の購入回数によっては年間億単位の売上になることも当然ありますよ。

ーープレッシャーが大きくなりそうですね…!

中山:もちろん適正やスキルを見て担当を割り振ります。新卒の方の場合、初めは関係性が構築された既存顧客を中心に引き継いでもらうことが多いですが、早い段階で独り立ちを目指してほしいので新規開拓もどんどんお任せしていく予定です。油断していると競合他社に取って代わられてしまう業界なので、常にアンテナを貼って世の中の動向を注視することがポイントです。驚かせているわけではないですよ(笑)

ーーでは今後の産業エネルギー部にとって必要なのはどんな仲間でしょうか?

長尾:どんなに時代が変わろうと自ら考えて行動できる人、そこはブレないですね。もし間違っていたとしてもいろんな切り口を持ってきてくれる人が活躍できる部門でもあります。
産業エネルギー部にはVプロジェクトという若手中心の活動グループがあり、そこで販売戦略や営業方法などメンバー間だけで自由にディスカッションする機会をつくっています。同年代が集まるからこそお互いの存在が刺激になり、いい意味でライバル意識も芽生えているので熱量が高いですよ。もちろんプロジェクトだけでなく私たちもうまく利用して、自身のキャリアアップにつなげてほしいですね。

上原成商事の中でも、産業エネルギー部が独立したひとつの商社のような動きを取り始めている今だからこそ、いろんなタイプのメンバーがいていいと思っています。一人ひとりの得意分野を生かし、輝ける役割を用意できるのがこのチームの魅力です。そして部長が言うとおり、臆せずガンガン意見を言ってくれる意気込みのある方は間違いなく活躍できますし、大歓迎です!


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