「どちらも諦めないという選択」
── バリスタと大工、気持ちの切り替えはありますか?
袈裟丸:意識して切り替えているというよりは、やっていることが全然違うので自然と変わる感じです。
バリスタのときは、お客さんの前に立っているので、常に周りを見ながら動いていますし、お店全体の流れも見ながら動く必要があります。
一方で大工のときは、基本的に一人で作業することが多いので、かなり集中して、自分のペースで進めています。
同じ仕事でも時間の流れ方が全然違うので、その違いが、もう一方の仕事に向き合う原動力になっていると感じています。
あと、それぞれの仕事でお給料も違っていて、大工とバリスタで別の基準になっています。自分の場合は大工としての経験の方が長いので、大工の方が少し高い設定になっています。
── スピード感も違いそうですね。
袈裟丸:そうですね。
バリスタはどうしてもお客さんを待たせないようにする必要があるので、スピードが求められます。効率よく動くことも大事ですし、その中でもクオリティを落とさないようにする必要があるので、そこは難しい部分でもあります。
大工はもちろん納期はありますが、その中で自分のペースで進められるので、じっくり向き合える時間があるのは大きな違いだと思います。
異なるリズムの仕事を行き来することが、働き方そのものにバランスを生んでいると感じています。それに、この店の特徴として、仕事のスピードの速さもあります。日々の営業の中で、新しい取り組みや改善が次々と生まれ、それが実際の業務としてすぐに動いていきます。
その分、一ヶ月の中で経験する内容は非常に濃く、短い期間でも多くのことに向き合うことになっています。このスピード感と経験密度の濃さが、それぞれの成長を後押しすると同時に、この店ならではの特徴だと感じています。
店の中にいるからこそつくれるもの
── 店の中のものを自分でつくることには、どんな意味があると感じていますか?
袈裟丸:お店に実際に立っているからこそ、「ここにこれがあったらいいな」とか、「ここもう少しこうしたいな」というのが分かるんです。
それを自分でそのまま形にできるのは、この環境ならではだと思います。
言われてつくることもありますが、自分で考えてつくることもあります。実際に使ってみて違ったら、すぐ直したり別のものをつくったりできるので、その柔軟さはすごくいいなと思っています。外から買ってくるものだと、どうしても調整が難しい部分もあるので。
「何も諦めなくていい」働き方
── この働き方について、どう感じていますか?
袈裟丸:楽しいですし、本当に恵まれていると思います。
大工の仕事も好き、ものづくりも好き、その中でコーヒーという好きなものにも関われているので、自分にとってはすごくいい環境です。
どちらかを選ばないといけないわけではなくて、両方できているので、「何かを諦めなくていい働き方」だなと思っています。
── この会社の特徴はどんなところだと思いますか?
袈裟丸:型にはまっていないところですね。前職とか経歴に関係なくて、それぞれができることや好きなことを活かして働いている感じがあります。一人ひとりの可能性を前提にした働き方が、ここには自然に根付いていると感じています。
無茶振りされることもありますけど(笑)、それも含めて面白いですし、信頼して任せてもらっている感じがあるので、やろうと思えます。
「二刀流」という働き方
── この働き方を一言で表すと?
袈裟丸:「二刀流」です。シンプルですけど、自分の中では一番しっくりくる言葉です。どちらかではなく、どちらもやっているという感覚なので。
これからのこと
── 今後やっていきたいことはありますか?
袈裟丸:バリスタとしてもっとレベルを上げていきたいですし、大工の技術も伸ばしていきたいです。大工はメインでやっているわけではないので作るものに制限はあると思いますが、その中でもできることをしっかりやっていきたいです。
どちらも中途半端にならないように、きちんと向き合って続けていきたいと思っています。