「作りたいものが作れなくなる未来」を防ぎたい──。
ネクスゲートが挑んでいるのは、日本の社会基盤を支える建設業界の変革です。地震大国である日本では、インフラの維持・更新需要が今後も増え続けます。加えて、データセンター建設や再開発、防衛関連施設の整備など、この産業への期待はますます高まっています。
しかし、その一方で現場を支える作り手は不足し続けています。
この巨大な社会テーマに対して、「誰かがやるのを待つのではなく、自分たちが変える側に立つ」そんな想いから生まれたのがネクスゲートです。
今回は代表の宮崎さんにインタビューを実施しました。創業の原点となった原体験から、ミッション・ビジョン・バリューに込めた想い、そして売上・利益ともに前年比200%成長を続ける中で描く事業戦略について語っていただきました。
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宮崎唯人 / 代表取締役
1996年生まれ、東京都出身。新卒で建設業界のDX化を推進するシェルフィー株式会社へ入社。2023年10月にネクスゲート株式会社を設立し、建設業が直面する経営戦略や組織活性化、事業承継といった課題に伴走し、現場の一次情報を武器に専門工事会社に特化した実行支援を行っている。
なぜネクスゲートは生まれたのか。原体験から始まった建設業界への挑戦
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ーーまずは、創業につながる原体験や、きっかけを教えてください。
一番大きいのは、私の実家が電気工事会社を営んでおり、幼い頃から職人たちの光景を目の当たりにして育ったことです。感じていたのは、「こんなに朝から晩まで一生懸命働いて、すごい技術を持っているのに、なぜかいつも大変そうだ」という素朴な疑問でした。
当時は言語化できていませんでしたが、社会人になってビジネスの世界を知るにつれ、あの時の違和感の正体が、「現場の技術と会社経営を両立する難しさ」だったんだと点と点がつながったんです。どんなに優れた技術があっても、経営を支える仕組みがないために守りきれなくなってしまう。そうした課題に対する危機感がありました。
ーー現在の建設業界における課題を教えてください。また、それを解決するネクスゲートの使命についてはいかがでしょうか?
解決すべきものはいくつかありますが、私の課題意識にダイレクトにつながるものとしては、大きく二つ。
一つ目は「増え続ける需要と、減り続ける作り手」という絶対的な数不足です。大前提として、日本は地震大国であり、インフラの老朽化も進んでいます。さらに近年ではデータセンターの増設やインバウンド需要の拡大、防衛費の増加などもあり、建設需要が下がることは考えにくいです。しかし一方で、それを作る供給側が不足しているのがリアルな現状です。
そして二つ目が、「健全な競争原理が働きにくいこと」です。これには構造と心理、2つの要因があります。まず構造的な問題として、元請けから一次、二次、三次…と何層にも仕事が流れていく多重下請け構造があるため、下層になるほど利益を出しづらい状況に置かれています。
さらに心理的な問題として、「わざわざ人を雇ってまで会社を大きくする必要はない」「今のままで生活できれば十分だ」という、拡大を避ける守りの姿勢があります。その背景にあるのは、建設業の社長の多くが、本来は誰よりも腕の立つ"職人"であり、現場の責任者だということです。技術への誇りを持って現場に立ってきた方ほど、会社経営という"まったく別の競技"に向き合う時間も余力も奪われていきます。
人を増やして会社を大きくすることは、売上が増える前に固定費と責任だけが先にのしかかる「割に合わない選択」に見えてしまう。結果として、優秀な作り手であればあるほど、拡大よりも今を守る方向に進みやすいんです。これらが絡み合うことで、あえてリスクを取って会社を良くしようという動きが生まれにくく、競争原理が機能しづらくなっていると感じます。
ーーそうした課題を放置した場合、社会にはどのような影響があるのでしょうか?
そう遠くない未来に、「作りたいものが作れない、直したいものが直せない」という事態が起こりうると考えています。身近なところで言えば道路の陥没や水道管の破裂が放置されたり、大きな震災が起きたときに復旧が大幅に遅れてしまったり。そんな未来が現実のものになりかねません。
ですから、これはもはや業界内だけの話ではなく、日本という国全体に関わる社会問題なんです。だからこそ、自分たちの手でこの巨大な産業を根本から変革していかなければならない。その使命感こそが、ネクスゲートの存在意義です。
テクノロジーだけでは変えられない。ネクスゲートが信じる「人」の力
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ーーそうした想いから生まれたのが、現在のMVVですね。まずはビジョンである「ものづくりに集中できる、建設業界へ。」に込められた想いをお聞かせください。
このビジョンには、現場で汗を流す方たちへのリスペクトが込められています。彼らの根底にあるのは、純粋な「職人魂」です。現場に出るのが大好きで、技術に誇りを持っている方々ばかり。しかし昨今は、現場に向き合いたいのに、厳しくなる法律への対応、事務作業などに追われ、やりたいことに向き合えていない現状があります。
だからこそ、経営と技術を分離させることで、彼らがもう一度、純粋なものづくりにコミットできる環境を取り戻したい。その決意を込めて、このビジョンを設定しました。
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ーー続いて、ミッションの「私達は、『人』と『技術』で、建設業界の発展を牽引する会社を目指します。」について。IT業界出身でありながら「人」を先に持ってきたのには理由があるのでしょうか。
先ほど少しお話しした通り、最初はプロダクト開発を中心としたITによる支援を先行して考えていました。前職でまさに「建設×IT」の領域に携わっていたこともあり、当時はそれが一番効率的な手段だと考えていたんですよね。
しかし、業界の実態に触れるほど行き着いたのは、「人の介在価値」だったんです。
建設業には29もの工種があり、一つの建物をつくり上げるために、数多くの職人や番頭の方が関わります。みなさんが建設業に対して抱くイメージ通りかもしれませんが、義理人情や、人間関係がベースに存在しており、システム導入で全てを解決できるような単純な世界ではありません。
何より個人的には、数字のロジックだけでビジネスを進めようとする姿勢を見ると、少し寂しい気持ちになってしまいます。だからこそ「本気で寄り添い、愛を持って業界を変えていこう」という想いからこのように策定しました。
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ネクスゲートが大切にする3つの価値観──誠実さ・感謝・プロ意識
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ーーバリュー(行動指針)には「誠実」「感謝」「プロ意識」が掲げられていますが、どのように体現されているのでしょうか?
まず「誠実」ですが、これは「嘘をつかない、裏切らない、人として当たり前のことが最も大切」ということです。実は、私が幼い頃から父親から徹底的に教育された価値観なんですよね。
創業期の若い会社は、売上が欲しいあまりに目の前の利益に食いつきたくなる瞬間があります。でも、これだけの社会課題を解決していこうと思えば、結局は人間としての「誠実さ」に行き着くと思うんです。小手先のテクニックなんかじゃなくて、嘘偽りのない誠実さこそが、最終的には最大の武器になると本気で信じていますね。
そして「感謝」も、根底にあるブレない指針です。優れた戦略やビジネスモデルがあっても、最後は信頼関係でビジネスは動きます。だからこそ、傲慢さを捨て、関わるすべての人へ感謝し尽くす。これはこれまでのキャリアで大切にしてきたことが詰まっていて、これからも本当に大切にしたい価値観だからこそ、設定しました。
ーー「プロ意識」については?
「スピードと学び続ける姿勢、そして継続力から目を背けない」という意味を込めています。スタートアップで社会に大きなインパクトを残そうとすれば、必ずハードシングスが訪れます。
些細なことかもしれませんが、例えば「体調が悪いのに無理をして出社する」といった働き方は当社ではプロフェッショナルとは呼べない。それよりも「1〜2日しっかり休んで体調を整え、残り3日を高いパフォーマンスで働き、1年、3年単位での継続力を保つ」方が絶対に重要です。
もちろんベンチャー企業ですから、瞬間的な熱狂や勢いもすごく大事です。ただ、求めているのは一過性の熱狂ではなく、持続可能な熱量と結果です。それを組織全体に求めているという意味では、華やかさよりも、地に足をつけて地道にやり抜く組織だと言えるかもしれませんね。
巨大産業をどう変えるのか。ネクスゲートの3ステップ戦略
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ーー今後の具体的なロードマップについて教えてください。
3つの事業ステップを敷いています。
まずStep1として取り組んでいるのが、伴走支援や顧問紹介を通じて、経営者の最も身近な“懐刀”として入り込むことです。ここで29にも及ぶ工種ごとの勝ち筋やリアルな経営課題という一次情報を収集・型化し、今後の意思決定を支える強力な武器へと昇華させていきます。
そして次のStep2では、自ら工事会社の経営に参入します。Step1で蓄積したノウハウを自社に投下し、自分たち自身も実践で結果を出していく。口先だけでなく、自ら実証することで初めて、本当の信頼を得られると思っています。
ーーその先にある、最終的なゴールは何でしょうか?
最終的なStep3として、業界特化のロールアップ企業へと進化します。成功モデルを横展開し、多数の企業をネクスゲートのグループへ迎えていきます。
ここで大事なのは、「資本を入れて短期間で売却し利益を得る」ようなことは絶対にしないということ。一社一社の大切な技術と雇用を守り抜き、あくまで分かりやすい一例ですが「週休3日の工事会社」や「新卒の職人が毎年入社してくる会社」といった成功事例を連続的に生み出していきたいです。
それを見た他社が「自分たちにもできるかも!」と希望を持てるような波及効果を起こし、誰もが「建設業は稼げてカッコいい」と胸を張れる未来を創り上げます。
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売上前年比200%成長。今だからこそ飛び込む価値がある理由
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ーーその描かれている事業ステップに対して、現在の進捗はいかがですか?
ありがたいことに順調に進んでいると感じています。売上は前年比200%超のペースで成長を続けていて、事業の本格稼働から約1年8ヶ月で50近いプロジェクトが動いています。「0→1フェーズ」は突破し、ここまでの成功モデルをもとに、現在は拡大させる「1→10フェーズ」へと移行した実感がありますね。
しかし、包み隠さずお話しすると、事業成長のスピードに対して、組織規模が追いついていません。これから多くの工事会社をグループに迎え入れていく中で、経営の根幹を担う人材や、組織のコアとなるメンバーが不足しているのが現状です。
ーーこれから入社する人には、どんなチャンスがありますか?
裏を返せば、これからのメンバーにとって「事業成長の波に乗れる確実性」と「余白・裁量」が同時に存在していることを意味します。
検証が進み、勝ち筋が見え、数字もついてきている。CxOとして会社を引っ張るポジションはもちろん、将来的にはグループ会社の経営を直接担うようなチャンスも次々と生まれていきます。ポジションを創り出し、組織そのものを一緒に形作っていける。これ以上の成長環境はないと思っています。
ーー組織のコアメンバーとして、これからのネクスゲートを一緒に引っ張っていってほしい、と。
もちろん「自分の市場価値を上げたい」「稼げるようになりたい」というモチベーションも素晴らしいですし、それはネクスゲートの環境なら叶えられます。ただ、その先にある目的を共有できる人と働きたいです。
ちなみに、最初から建設業に興味がある必要はまったくありません。いま活躍してくれている在籍メンバーたちも、最初は業界の知識も興味もゼロの状態からスタートしています。
大事なのは関心よりも、お金儲けや自己成長だけで終わらない「なぜやるのか」という強い目的意識。巨大産業のアップデートという大きな社会インパクトを自分の手で残したい。そんな野心と誠実さを併せ持つ優秀な人材にとって、今のネクスゲートほど熱量に溢れた環境は他にないと自負しています。
私たちが目指す未来を、共に泥臭く牽引していける同志をお待ちしています。
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