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【カウンセラーの想い】「いつも元気で明るく」いなくてもいい自分を受け入れる|北原由佳さん

目次

  1. 自己紹介
  2. 「いつも元気で明るい」自分と、内側にある「そうじゃない」自分
  3. 社会人になってからの挫折
  4. 傾聴への興味から、産業カウンセラーの資格取得へ
  5. 「ありのままでいいんだよ」と認めてくれた同期の存在
  6. 「いつも元気で明るく」いなくてもいい
  7. Smart相談室があったら、私の人生も変わっていたかもしれない
  8. カウンセラーが安心して話せる環境
  9. 「そもそも話していいのかな」と思う人ほど、まずは相談してほしい
  10. 相談相手の選択肢の一つになれるように

北原由佳(きたはらゆか)
産業カウンセラー、国家資格キャリアコンサルタント

1. 自己紹介

はじめまして。Smart相談室でカウンセラーをしています、北原由佳(きたはらゆか)と申します。普段は研修講師として活動しています。
カウンセラー紹介の冒頭で言うことではないのですが、実は私、自己紹介が苦手です!(笑)
自分のことを語るのは、何だか恥ずかしいような気がするからでしょうか。私には、語るようなことなんてないんだけどな…という思いがあるからでしょうか。
しかしながら、せっかくの機会ですので、私は日頃、どんな風に見られることが多いのかという視点をスタートにして、私のことをお話できればと思っています。

2. 「いつも元気で明るい」自分と、内側にある「そうじゃない」自分

私は、幼い頃から「いつも元気で明るい」と言われることが多かったように感じています。そして、そう言われることが多かったからなのか、「いつも元気で明るい」状態でいることが当たり前と思っていました。

「いつも元気で明るい」と言われることは、今でも嬉しく思います。ただ、一方で、「いつも元気で明るい」ばかりの自分ではない自覚もあって、思春期の頃の私は、外で「いつも元気で明るい」自分でいる分、家では大爆発をすることもしょっちゅうでした。そりゃあ、「いつも元気で明るい」なんて、限界があります(笑)典型的な外面がいいタイプの私に、家族は手を焼いただろうなと、反省しています。ただ大人になってからは、家族の前で爆発する機会もなくなり、こらえきれない時は入浴中シャワーを出しっぱなしにして大泣きする、そんな風にして心身のバランスを保つような時期がありました。
私は、そうやって、外で見せる「いつも元気で明るい」自分と、内側にある「そうじゃない」自分の折り合いをつけてきたのです。
ふとした思いから、産業カウンセラーの勉強を始め、自分自身を内省した時、私は、誰かに求められてきた訳でもないのに、どうして「いつも元気で明るい」自分でいようとしているのだろう…という疑問にぶつかりました。
幼い頃、私は、虚弱体質で、学校を休むことも特別なことではありませんでした。幼少期は病気で入院、その後の定期検査も思わしくない結果が出て、再検査ということもありました。私の体調が悪くなる度に、親の白髪が増えていく様を見て、家族が私中心に動いてくれる生活の中で、「私は大丈夫、私は大丈夫」と言い聞かせることが当たり前になっていきました。そして、私が元気でいることを喜ぶ家族に、私は「いつも元気でいたい」「明るくいたい」と思うようになりました。結果、「いつも元気で明るい」ことが当たり前になり、外ではその様子が褒められ、私の中での大事なことになっていったように思います。

3. 社会人になってからの挫折

社会人になって半年ほど経ち、上司からのハラスメント被害に遭った時も、状況を伝えることはできても、心に抱いたモヤモヤや、怖かった気持ち、加害者を責めたくなるようなドロドロした感情は口に出すことができませんでした。
「いつも元気で明るい」私だから、そんなこと言えない、言いたくない。その時は、それが私の大切にしたいことだったのだと思います。カウンセリングの効果を学んでいる今の私が、その過去の私に声を掛けるなら、「早くその気持ちを吐き出したら楽になれるかもしれないよ」だと思いますが、20年程前の私は、その選択肢を持てずにいました。

4. 傾聴への興味から、産業カウンセラーの資格取得へ

私は、後輩の教育を担当していた時期があります。転職したばかりの私が、その時点で後輩にどんな教育ができるのか考えた末、思いついたことは、ひとまず私自身の意見は置いておいて、後輩の話をよく聴こうということでした。初めの頃、話してくれる内容はプライベートの話ばかりだったのが、いつしか仕事の悩みも打ち明けてくれるようになり、しかも仕事の悩みを吐き出すと、「まあ、でも、やってみる」と言って、前向きに仕事に取り組んでくれるようになったのです。ここで、私は一つの疑問にぶち当たりました。私はただただ聞いているだけで、解決策は何も伝えられていないのに本当にこれでいいのだろうかと。
そして、私はここから数年後、「話を聴く(傾聴)」ことの効果を知りたくて、産業カウンセラーの養成講座の門をたたきました。この講座で、話を聴く上で何より大切なのは、聴く側が自分の考えにとらわれることなく話し手に寄り添い、話し手が伝えたいことをそのまま受け止めることと知り、あの時、私がしてきたことは間違っていなかったんだと安堵の気持ちを覚えたことを今でも鮮明に覚えています。

5.「ありのままでいいんだよ」と認めてくれた同期の存在

ある時まで、私は自分から誰かにヘルプを出すよりも、自分の力で何とか乗り越えるほうが得意なタイプでした。ある時までというのは、自分の力で乗り越えられずもがいていた時、自分からはヘルプを出せない私を見かねて、助けてくれた人の存在があったからです。
当時、私は職場の同僚たちの楽しそうな輪の中に入りたいと思っていたけれど、うまく入っていけませんでした。一人ポツンといるのは寂しいし、どうすればあの中に入っていけるのだろうか、受け入れてもらえなかったらどうしようと、堂々巡りで悩んでいた時、真っ先に気づいてくれたのが同期でした。仲間内で話している時にそれとなく私を呼ぶ、出張などで私が居ない時に周りにフォローするなど、陰で支えてくれたのです。結果、その同期を通じて新たな輪ができました。後からどうして助けてくれたのかを訊いた時、「いつも元気で明るい由佳ちゃんの背中が、ある時から元気がなさそうに見えたから。」と言われました。その時、一人で肩肘張って頑張らなくても、本当の私の姿を見て助けようと思ってくれる人がいることに気づきました。さらに同期は、いたずらっ子のような笑みを浮かべて、「でも、いつも元気で明るい由佳ちゃんも好きだけどね!」と言ってくれました。ものすごく救われた気がしました。私が当たり前にしてきたことを否定することなく、でも、元気がなさそうだから手を差し伸べてくれた同期に、「ありのままでいいんだよ」と認めてもらえたような気がしたのです。
その経験があったから、私は、育児や家事、仕事の進め方など、必要な場面で、家族や友人、一緒に仕事をする仲間にヘルプを出せるようになってきたのだと思っています。

6.「いつも元気で明るく」いなくてもいい

私は、傾聴の効果が知りたいという気軽な気持ちで、カウンセリングを学び始めました。資格取得までに至ったのは、養成講座で共に学ぶ仲間が一緒に勉強しようと声を掛けてくれ、時間を見つけては傾聴の練習をし、支え合う環境が整っていたからで、一緒に学んだ仲間に心から感謝しています。
カウンセラーになりたいと思ったのは、せっかく取得した資格を活かしたいという考えも、もちろんあったと思います。
ただ、それ以上に、「いつも元気で明るい」状態でいたかった私が、自分の正直な気持ちを吐き出すことができない苦しい経験をし、「いつも元気で明るく」いなくてもいいことに気づき、助けてもらうことの大切さも知ったからこそ、学んだことを活かして、誰かの役に立てることがあるのではないだろうか…と考えるようになったことがきっかけです。

7. Smart相談室があったら、私の人生も変わっていたかもしれない

子どもが少しずつ私の手を離れつつあり、徐々に一人時間が増えていることを自覚するようになった頃、カウンセラーとして仕事をしていきたいという気持ちが、私の中で、どんどん膨らんでいきました。そんなある日、美容院で読んでいた雑誌の中で、Smart相談室に関する記事を目にしました。
「ちょっとしたモヤモヤの段階で相談してもらう事で、メンタル不調に陥る事を防ぎ、従業員の生産性向上を実現します」というサービスが、すごくいい!と思ったのです。私がハラスメントで苦しむ少し前、「あ、なんかこれ、おかしいかも…」と感じた時に、このサービスがあったら、私の人生も変わっていたかもしれない、そんな風に思いました。また、「どんなことでも話していいよ」という気軽に相談できそうな雰囲気を、あの時の私が目にしていたら、ちょっと話してみようかなと思えたかもしれないと感じました。
雑誌の記事を目にしてから、会社の思いを伝えるYouTubeを見るまでに時間はかからず、拝聴した勢いのまま、履歴書と職務経歴書を作成して応募、今に至ります。

8. カウンセラーが安心して話せる環境

Smart相談室にジョインして驚いたことは、カウンセラーをサポートするために、万全の体制が整っていることです。こんなにサポートしてくれるの?と、常日頃感じています。
毎月実施されている研修では、どのような場面で学んできたカウンセリングの理論や知識が活かせるのかなどの視点で学びを深めています。きちんとした理論に基づいてカウンセリングを行えるようSmart相談室のカウンセラーが一丸となって取り組んでいることは、相談者さまの安心できる材料の一つになると思います。
また、カウンセラーが安定した気持ちで相談者さまの話を聴けるよう、カウンセラーにも安心・安全の場で話せる環境が用意されています。
そして、Smart相談室には様々なバックボーンのカウンセラーが多数おり、それぞれの道のプロの話を聴くことも、私の自己研鑽の一つです。

9.「そもそも話していいのかな」と思う人ほど、まずは相談してほしい

冒頭、実は自己紹介が苦手という話をしましたが、改めて自己紹介で何を話すか考える中で、気づいたことがあります。それは、他者から見た私というテーマで、自分自身を掘り下げてみた時、カウンセラーへの道に繋がっていたように感じられたことです。こじつけや美化された過去もあるとは思いますが、やってみたからこその気づきと思うと、私のことを話す時間は、私にとって有意義だったなと思います。
また、助けを求めることもあまり得意なほうではなかったこともお伝えしましたが、誰にでも、苦手なことや一歩踏み出すことに躊躇することがあるかと思います。
相談したいという気持ちはあっても、相談することを悩むという方の中には、もしかしたら「誰にも言えない」「誰に言おうか迷う」「そもそも話していいのかな」などの思いから、二の足を踏むことがあるかもしれません。そんな方にこそ、ひとまず相談予約することからはじめてほしいと思います。迷ったり、考えすぎたりした時、人はその気持ちに共感してもらうだけで、心が軽くなることがあるからです。
私たちSmart相談室のカウンセラーは、相談者さまの気持ちや考えを一緒に整理し、次のステップへ一歩を踏み出せるよう伴走していきます。どうか安心してSmart相談室をご利用いただけましたら幸いです。

10. 相談相手の選択肢の一つになれるように

Smart相談室にジョインして、あと4か月で一年。月日が経つのはあっという間ですね。
私は、今までもこれからも、相談者さまの本来の力が発揮できるように、相談者さまの中に何が起こっていて、どのように解決していったらよいのかを、一緒に考え、寄り添っていきたいと考えています。家族、友人、同僚、先輩、上司に加えて、Smart相談室のカウンセラーである私に相談することが選択肢の一つになれるよう、自己研鑽を積みながら、来るご相談に備えていきます。


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次回の【カウンセラーの想い】

▶︎ごきげんで仕事する人をもっと増やすために|清水 智子さん

▶︎働く人のウェルビーイングが大切にされる社会を目指して|須藤 拓さん

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