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代表インタビュー|HR業界のクリエイティブ事情を聞いてみた

こんにちは!NOVELライターの米田です。
残暑がつづく毎日ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか?

今回は代表インタビュー第2弾を実施しました!
NOVELは青戸と裵(ぺ)の2人が共同代表を務めるちょっとだけ珍しい会社。
販売戦略や営業活動の取り仕切りは青戸が、クリエイティブに関わる品質管理は裵が管轄しています。

ここ数年におけるHR市場の変化や求人広告の意義とは?また、これからNOVELが目指す採用支援とは?
それらの内容を踏まえ、HR業界におけるクリエイティブについてたっぷり語っていただきました!

今回のターゲットは……


裵 東儁(ペ・ドンジュン)
高校卒業後、​某HR系企業に営業として入社。当時最年少の支社長として大阪支社を立ち上げ、営業とライターの兼業をスタート。退職後はフリーランスとして1年間活動し、前職からのパートナーである青戸と共に株式会社NOVELを設立。現在はCEO / Creative Department 管掌として活躍中。

「クライアントに責任を果たしたい」完璧主義から生まれた、営業とライターの二足の草鞋

ーー今でこそCreative組織を引っ張る裵さんですが、元々は営業出身なんですよね。現在に至るまでの経歴を教えてください。

高校卒業後は大好きだった音響の仕事でその日暮らしをしていたんですが、ある夜突然将来が心配になり、居ても立っても居られない気持ちになったんです(笑)。同世代の友人が社会人2〜3年目の頃でした。「人生を巻き返さないとヤバイぞ」と不安になり、一発逆転が狙えそうな営業会社でのチャレンジを決めたんです。

でもめちゃくちゃ馬鹿なので、入社するまで何を販売する会社なのかよくわかってなくて。
蓋を開けてみると「求人広告をとにかく売りまくる営業会社」だったんですね。そうやってなんとなく選んだHR業界に今もへばりついてるのは、なんとも不思議な感覚です。

ーー現在はクリエイターということですが、売りまくる営業は肌に合わなかったのでしょうか?

そんなこともないですよ。むしろ営業らしい営業も自分には合っていたみたいで、ひたむきに数字を追いかけるのも嫌いじゃなかったです。だけど営業成績以上に、クライアントごとに異なるビジネスモデルや採用課題に強い関心を持っていた私は、判を押したようなモノしか制作できない自社のオペレーション体制が我慢ならなくて。もう自分で作っちゃおう。と思うようになったんです。

そんな強いこだわりというか、責任感みたいなものが「自分で売って自分で書く」スタイルに繋がっていきました。

ーー1人2役をこなすなんて凄いバイタリティですね!

だけど自分​的には営業もライターも同じ仕事という感覚だったんです。自分にしかできない仕事でお客様をお助けする、ただそれだけ。業界全体に「クオリティは二の次」なムードがあったので、私のそんなスタンスは珍しがられて、たくさんお取引をいただけるようになりました。

とまあ、求人業界の悪口みたいなことは言っちゃいましたが、そんな盛んな営業活動が、結果的に数万件の求人情報をいつでも閲覧できる世界を作っているわけだから、必ずしも悪ではないとも考えています。

だけど私だけは、自分を信じてくれたお客様には最大限の費用対効果でお応えしたかったし、私の広告を経由して入社した人にも幸せになって欲しかった。この考えはNOVEL創業の土台にあるものだし、ウチの「ミッション・ビジョン・バリュー」営業と制作の対等な関係」という文化にもつながっているように思います。

▲NOVELは共同代表制。青戸(写真右)は前職時代の同僚であり、現在は歩みを共にするパートナーです(青戸のインタビュー記事はコチラ)。

この10年で揺れ動くHR業界。小手先の技術では勝てない市場に。

ーー長年、求人広告に携わってきた裵さんですが、ここ数年で人事や採用担当の仕事はどのように変化したと思いますか?

​求人広告で認知を獲得するだけでは、すっかり太刀打ちできない市場になりました。リーマンショック以降右肩上がりだった有効求人倍率は、コロナ禍以降少し落ち着いたものの、売り手市場である現状に変わりはありません。

広告を工夫すれば人が集まる時代は終わり、人事部門は自社の「ファン」を増やすために、会社のアイデンティティや理念、理想とするメンバー像、職場の雰囲気などを戦略的に発信するスキルや知見が求められるようになりました。

ーー求人広告が発揮できる価値も、10年前とは様変わりしているんですね。

もちろんクリエイティブ次第では、凡庸な記事よりも飛躍的に成果をあげることもできますが、それでは本質的な人事課題の解決は難しいんです。「人が辞めたらまた採ればいい」時代はもう終わっています。今は採用した人を長く定着させるための細かい採用要件の設計が求められています。

だからこそ、ライトな広告物とは性質が違って、雇用に直結するクリエイティブは非常に責任が重いと考えるべきなのです。クリエイティブは時にあらゆる採用フェーズをすっ飛ばすほどの威力を発揮しますが、社員定着率向上には「いかにドーピングしないで企業の魅力を伝えるか」という視点で認知獲得を図ることが重要だと感じます。

ーー確かにお客様から求められるクリエイティブの質も上がってきていると感じます。

と、ここでちょっと矛盾するようですが、求職者とのタッチポイントが細分化された現代は、インパクト重視の広告も攻め手としてOKだと考えています。広告しか手段がなかった時代は、記事内容だけでマッチングを図る工夫が必要でしたが、求職者のカスタマージャーニーを理解して、戦略的に挑むならば、ユニークな訴求も大いにアリです。だからこそ当社のコンサルタントには全体像を把握し、提案する能力が期待されます。

▲採用におけるカスタマージャーニーのイメージ。求人広告は認知獲得におけるひとつの手段です。

▲わりと遊べる求人広告バナー。「マッチング重視=無難な訴求」は逃げです。

とはいえ、目的と手段が入れ替わってしまっては本末転倒。よりよいクリエイティブには『データ』に基づいた採用ブランディングが不可欠です。

データドリブンな採用支援から生まれる新たな可能性

ーーこの業界のクリエイターは燻っている人が多い印象です。原因はどこにあるんでしょうか?

それは業界が頑張ってこなかったツケかもしれません。支援がうまくいかなかったときは「もう一回載せましょう!」「違う媒体に載せましょう!」「企画を上に上げましょう!」なのに、うまくいったときだけは「自分たちのおかげ」なんて虫が良すぎるでしょう。売り手市場にかまけてデータに基づいた改善をしてこなかったツケが、自分たちの居心地の悪さを作り上げてしまったように思います。

採用活動の継続的改善には、【応募▷書類選考▷説明会▷面接▷内定▷入社▷定着…】といった採用フェーズ毎の歩留まりデータが重要ですが、そんな当たり前の思考法がこの業界では育っていないのです。これはかつて大局観で仕事をすることも多かった自分自身も反省すべきポイントですが、今ではもっとお客様に近づいて、もっと責任を取りに行こうと考えるようになりました。だからこそ、今期私たちが本格スタートさせたRPO(採用代行)事業は、クリエイターの仕事にも深く関係しているんです。

ーークリエイティブとRPOがどう紐づくんでしょうか?

RPOは大きく「採用戦略の企画」と「ノンコア業務の代行」に分類されます。
RPOを得意とする会社は数多くあれど、データに基づいたクリエイティブを目に見える形でアウトプットしてくれる会社は多くありません。案外そういったデータはノンコア業務、つまり現場に眠っていたりするのです。

例えば、
『店舗ごとの面接通過率が大きく異なる』
『求職者の離脱理由に一定の傾向が見られる』
『リファラル採用の紹介数が減少傾向にある』
といった事実を見つけたとき、私たちは直接改善を促す人事コンサルティングを行うこともできれば、面接資料やWEBサイト制作、求人広告の抜本的なテコ入れなど、説得力あるクリエイティブでお返しすることができます。

クリエイターが成果をダイレクトに感じられる環境は成長につながりやすい。これは営業とライターを兼業した私がよくわかっていることです。これからも組織同士が深く連携することで、もっと品質の高い成果物を世に届けていきたいですね。

HR業界のクリエイターに求められるもの

ーーそれでは最後に、裵さんが考えるHR業界のクリエイターに求められる要素を教えてください。

当たり前のことを言いますが、自分の仕事にワクワクできていない人が、赤の他人の仕事から面白さを見出すことはできません。"他人の仕事を書くこと(描く)"を仕事にする私たちは、己の仕事のプロフェッショナルであることが出発点なんです。駆け出しのHR業界のクリエイターがこぼしがちな『このお客さんには共感できない』という言い分は、買い手目線の好き嫌いでしか観察できないアマチュアなマインドが正体だと思っています。

そのためにも、書かない時間を大切にしてほしいです。必要十分なリサーチ、関係者とのコミュニケーション、日常的なインプットも含め、書き始める時点で仕事の出来は9割が決まっています
質より前に当たり前という心構えと、小手先のスキルに頼らない土台を築くことで、独りよがりだったり、大量生産なモノづくりでは生まれない、本当に質の高いアイデアを生み出すことができます。

最後に、やっぱりデータ。お客様を勝たせてナンボの世界なので、当てずっぽうではない再現性あるクリエイティブを実現するために、全ビジネスパーソンに必要とされるロジカルシンキングが当然クリエイターにも求められます。なんなら、そうならなければ生き残れない時代がすぐそこまで来ていると思います。

私はこの業界が大好きなので、今以上に意欲的なクリエイターが集まり、切磋琢磨できる世界になっていけば嬉しいですね。

NOVELでは無尽蔵な増員は行っていませんが、粒揃いなメンバーたちで良い仕事を生み出すべく、
厳選採用を継続的に行っています。当社の事業に共感できた方は、セールス、クリエイティブ、カスタマーサクセスなど、関心のあるポジションにエントリーしてみてください。

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