契約と身分
ここまで制度の話を書いてきたけど、実際に応募を考えると気になるのは、もっと生活に近いところだと思う。
契約はどうなるのか。
社会保険は。
副業はできるのか。
住民票は移すのか。
このあたり、調べても情報がバラバラで分かりにくいんですよね。
理由は単純で、自治体ごとに全然違うからでした。
総務省の要綱でも、契約の形は地域の実情に応じて弾力的にやっていい、ということになっており、同じ名前の仕事なのに、隣の町では全然違う条件だったりする。
本記事ではその点について深掘りをしようと思います。
大きく分けると、2つの型がある
まず全体の構造から。
地域おこし協力隊の働き方は、大きく2つに分かれる。
ひとつは雇用型。
会計年度任用職員として役場に雇われる形で、身分としては公務員。
健康保険も厚生年金も雇用保険も入れるし、労災も効く。
そのかわり地方公務員法が適用されるから、勤務時間の自由度は低い。
副業も制限されることが多い。
もうひとつは委託型。
自治体と業務委託契約を結んで、個人事業主として活動する。
働き方の自由度は高くて、副業もやりやすい。
ただ、国民健康保険と国民年金が全額自己負担になるし、雇用保険も労災もない。
体調を崩したときの後ろ盾がない、というのは地味に大きい。
レンチナスは、3つ目のパターン
うちは3つ目のパターンになる。
企業が直接雇う型。
雇用契約を結ぶ相手は役場じゃなくてレンチナス。
普通に会社に就職するのと、形はそんなに変わらないです。
社会保険は当然つくし、健康保険も厚生年金も雇用保険も労災も、会社の制度に入ってもらう。
委託型で全額自己負担になる部分が、ここでは会社と折半に。
移住して、知らない土地で暮らし始めるのに、保険が手薄なのは違うと思うので。
レンチナスの場合は副業も可能にしている。
事前の承認は必要だけど、禁止はしていない。
任期中に自分でやりたいことがある人もいると思うし、あとのことを考えたら、その動きを止める理由がない。
本業であるレンチナスの業務は当然行っていただきますしそこを蔑ろにするようじゃ副業は認めませんが、プライベートの時間は自由に使っていいとお話してます。
あとは時代もあるので。
契約は、まず契約社員からのスタート。
試用期間を終えたあとに正社員として登用する道はちゃんと用意してあります。
ここを曖昧にしている会社もあると思うけど、うちの地域おこし協力隊採用時にはしっかり示してます。
そして居住についてですが、住民票は八峰町に移してもらうことになります。
これは制度の要件なので、どの型でも同じ。
移住が前提の制度だから、ここは避けられない。
生活ごと引き受けてもらうことになるので、会社としても軽く考えていない部分です。
細かい条件については、面談で直接話しをします。聞かれたら答えますし、答えられないことがあるとしたらそれはまだ決まってないことで、決まってないなら決まってないとも言います。
ここで話を盛っても、来てから困るのはお互いなので。
3年、場合によっては5年
ひとつだけ先に言っておくと、この制度には任期の区切りがあります。基本は最長3年。
ただ、2026年度から地場産業に関わる隊員に限って、最長5年まで延ばせるようになったんです。
条件は、任期のあとに同じ分野で起業するか、事業を引き継ぐこと。
うちは椎茸といちごなので、この対象になり得る。
ただ、実際に適用するかどうかは町との調整次第なので、そこはまだ確定した話じゃないです。
なんで延びたかというと、農業みたいな仕事は3年じゃ足りないと国も認めたからなようです。
でも実際そうだと思いますね。菌床の扱いを覚えるだけでも1年では終わらないもんですし。
とはいえ、いつかは区切りが来る。
3年か、5年か。
そのとき、会社に残るのか、独立するのか、別の道に行くのか、必ず何かを決めることになる。
普通の転職なら、辞めるまでずっといられるわけだし、期限を切られるのはけっこう重たいと思います。
逆に言えば、その期間は考える時間を持てるということでもあるけど、ここをどう捉えるかは、たぶん人によって分かれるでしょう。
次の記事では、その期間で実際に何をやってもらうことになるのか、という話を書こうと思います。