移住を考えている人と話していると、季節の話になることがあります。
冬の雪はどうか。夏は涼しいのか。そういう質問はよく来る。
でも、秋について聞かれたことは、ほとんどない。
無理もないと思います。秋は移住の障害にならないし困る要素が見当たらないですから。
ただ、実際に住むとなると、この季節の短さは知っておいたほうがいい。
秋田の10月は、平均最高気温が18度くらい。
朝晩は9度まで下がるので、日中と夜で10度近い差が出ます。
東京の10月より一段冷えるくらいの感覚でしょうか。過ごしやすい時期です。
紅葉も見頃を迎える。
問題は11月
平均最高気温が12度、最低気温は4度まで落ちる。1か月で6度も低下。
10月に「涼しくて気持ちいいな」と思っていたら、11月にはもうコートが必要になっている。
そして中旬を過ぎると、雪の話が出始めます。
9月の今、まだ30度を超える日があります。それが11月には冬支度に入る。
つまり秋と呼べる期間は、実質1か月半くらいしかない。
都市部から来た人がよく驚くのは、この切り替わりの速さだそうです。
だんだん寒くなるというより、ある日を境に季節が入れ替わる感じに近い。
衣替えをのんびりやっていると、間に合わないだとか。
準備の観点で言うと、ここがひとつの分かれ目になります。
冬用の装備を揃えるタイミングは余裕を持つなら10月中。
タイヤの交換、灯油の手配、雪かき道具の確認。
11月に入ってから動くと、店から物がなくなり始めてスタッドレスタイヤの交換も、予約が埋まっていく。
地元の人は、秋のうちに全部済ませておく。
来週初雪ですなんてニュースで見てからタイヤ交換はほぼできないと思った方がいいですね。
この感覚、住んでみないと分からないと思います。
都市部なら、寒くなってから買えばいい。
でもここは、寒くなってからでは遅い。
仕事の面でも似たところがあります。
椎茸のハウスも、冬に向けた準備は秋のうちに終わらせておく。
降り始めてから慌てても、できることは限られる。
先に動く習慣がつく土地なんだと思います。
移住を検討しているなら
下見に来るなら、時期の選び方にもコツがあります。
夏に来ると、八峰町はかなり快適だと思います。
海があって、山があって、涼しい日もある。
けどそれだけ見て決めると、冬に驚くことになる。
かといって、真冬に来ると今度は雪しか印象に残らないかもしれません。
除雪された道路と、白い景色と、寒さ。生活のイメージが極端に振れてしまう。
個人的には、11月に一度来てみるのがいいと思っています。
季節が入れ替わる瞬間が見られるのと、まだ雪は本格化していないけど確実に冬が近づいている。
そういう空気の中で町を歩くと、一年の実感がつかみやすいと思います。
もしくは、10月と2月に一回ずつ来る。
両極端を見ておけば、間はだいたい想像がつきます。
夏のいいところだけを見て決めるより、そのほうがお互いにとっていい。
来てから「こんなはずじゃなかった」となるのが、一番もったいないので。
秋は短いけれど、悪くない季節です。
空気が澄んで、山が色づいて、海の音がよく聞こえる。
夏の観光客もいなくなって、町が静かになる。
この時期の八峰町が一番好きだという人は、実際けっこう多い。
稲刈りが終わって、山の色が変わって、そのまま雪景色に。
慌ただしいけれど、一年で一番きれいな時期だとは思います。
短いからこそ、なんでしょうね。