コパイロツトは自律分散型組織を目指した運営を続けており、メンバーと共にさまざまな試行錯誤を重ねています。
長くチーム・組織開発を探求していた長谷部可奈さんは、自律分散型で仕事ができる環境を求め、2023年にコパイロツトに入社しました。
長谷部さんの目に、コパイロツトの組織はどのように映ったのでしょうか。入社当時の印象に加え、現在の課題や今後の取り組みについても聞きました。
プロフィール
長谷部 可奈
大学、大学院で動物応用科学を専攻。修了後、SIerでのSE、プロジェクトマネージャーを経て2023年に入社。現在はプロジェクトマネージャーとして、プロダクト開発の現場支援を中心に担当。ファシリテーターやコーチとしても活動中。
自律分散型組織を探究する道のりでの出会い
—— 長谷部さんはコパイロツトに入社する以前、大手SIerに務める傍ら、一般社団法人の運営に携わったり、個人のファシリテーターとして仕事をしたりと、精力的に活動していたそうですね。コパイロツトとは、どのようにご縁がつながったのでしょうか?
長谷部:学生時代からチームづくりや組織開発に興味があり、2018年頃からは特に自律分散型組織の探求に注力するようになりました。そのとき一緒に活動していた仲間から、定金さん(共同創業者)を紹介されたのが最初の出会いですね。
初対面から意気投合し、「プロジェクトをどう進めるべきか」「自律的に動いていくために必要なものは」など、3時間以上話したことを覚えています。その流れで、組織に対して提供できるソリューションを検討するメンバーとして、コパイロツトに複業で関わることになりました。
実はこのプロジェクトメンバーの一人が米山知宏さんで、定例ミーティングで対話を重ねるうちに「本を書いたらいいんじゃない?」という話になったんです。それが、2025年に『両利きのプロジェクトマネジメント』を出版する起点となり、私も2年間、本を作るプロジェクトに伴走させてもらいました。
—— 複業での関わりから、完全に転職することを選択したのはなぜですか?
長谷部:前職は社員数が1,000名を超える規模で、ヒエラルキー型の縦割り組織でした。でも自律分散型の組織の探求を続けるうちに、だんだん窮屈になってきてしまって。
前職の組織体制が大きく変わるタイミングで転職を決意し、そこで定金さんに「転職を考えているのでカジュアル面談させてほしいです!」と連絡。そこから選考に入り、2023年7月に、正式に入社することになりました。
「自分たちで変えられる」制度や組織環境に驚いた
—— 実際に組織に入って働きはじめたとき、どんな印象を持ちましたか?
長谷部:「ここは極楽か!」と思いました(笑)
—— なぜそう思えたのでしょう?
長谷部:まず、組織にフリーライドしているような人が誰もいないこと。個々のメンバーが主体的に意見を出し、合意形成しながらものごとを進めていく文化が根付いています。報告のための会議や資料作り、社内政治などが一切ないので、私にとってはとても動きやすく、居心地が良い環境でした。
正確には、「フリーライドできない仕組みが構築されている」というべきかもしれません。だから自律的に動くのが苦手な人や実務経験の少ない人にとっては、逆にかなり厳しい環境だと思います。自分から動いて周りにはたらきかけていかない限り、仕事にならないので。
—— 組織運営に関することで、驚いたことや戸惑ったことはありますか。
長谷部:個人目標の設定方法や評価制度が、一般的な企業とは大きく異なっていたことです。トップダウンで目標とする数値やノルマが設定されるわけではなく、あくまでも個々人が自律的にコミットする基準が定められています。入社当初は、その制度設計にとても驚きました。
またメンバーから福利厚生や新しい制度に関する提案が出てきて、みんなでディスカッションしながら合意形成していくボトムアップのプロセスも、非常に新鮮でした。社内制度や福利厚生が整っているかどうかではなく、こうして自分たちでいつでも変えられる仕組みが機能していることの方が重要だと気が付きましたね。
組織としての強さ、多様性を活かす道を模索している
—— 逆に、現在のコパイロツトの組織的な課題はどんなところにあると考えますか?
長谷部:個人的にはもう少し、組織としての突破力や強さが必要かなと感じています。確かに個々のメンバーが自律的に動けるので各々の仕事は円滑に進んでいくけれど、さらに一歩踏み込んだ議論や対話が発生しにくい側面があると思っています。
—— より深い議論や対話が必要だと感じる理由を教えてください。
長谷部:個々のメンバーが自律的に動けている分、「それぞれのやり方を尊重しよう」で止まってしまいやすいと感じています。それって、多様性を尊重しているようで、実は「みんなそれぞれ花を咲かせればいいよね」という姿勢に収束して、最終的には自己責任論に行き着いてしまうことがあるんです。
あなたはそう考えるんですね。でも私はこう思うので、このまま進めますね――このやり方だと、なかなか深い議論や対話にはつながりませんし、組織自体にも大きな変化が生まれません。しかし本来の「多様性を活かした組織づくり」とは、決してそういうことではないはずです。
あなたはこう思う。私はこう思う。じゃあその違いを活かして第三の道を一緒に模索し、新たに生成していきましょう、というのが理想なのではないかと、私は考えています。
—— その理想を実現するためには、何が必要なのでしょうか。現在、具体的に取り組んでいることはありますか?
長谷部:現在は、1冊の本を複数人で分担して読む「アクティブ・ブック・ダイアローグ®(ABD)」という手法を取り入れた読書会を週1回開催しています。この取り組みは入社直後からスタートして、約3年間休まず継続しています。
コパイロツトは基本的にみんなフルリモートで働いているので、まずは業務以外でメンバー同士が関わる時間が必要だと考えました。共通の本を介して雑談をすることで、メンバーの考え方や価値観、人柄などを知る機会が生まれ、組織内でゆるやかなコミュニケーションを促す場になっていると思います。
その他にも、社内でどのようなはたらきかけをすれば新しい風を吹かせられるか、いろいろと試行錯誤しているところです。組織のアップデートも必要だと思いますし、何より、ずっと同じ状態のままでは面白くないですから。
「実践者」としてプロジェクト推進の責任を負う
—— 今回はコパイロツトの組織についてお話を聞いてきましたが、最後に事業に関する質問をさせてください。コパイロツトの事業の強みは、どこにあると考えますか?
長谷部:最大の強みは、徹底した「プラクティショナー(実践者)」であることだと思います。
遠いところから方法論をふりかざすだけではなく、現場の「ままならなさ」を無視せずに、当事者としてクライアントと共に向き合い、あの手この手でプロジェクトを前に進めるために奔走する。そうした姿勢とプライドを、メンバー全員が持っていると感じます。
コパイロツトが請け負っているのは、「プロジェクトを確実に推進していく責任」なんです。
今後、最適な手法や最短ルートを導き提示する役割はAIに代替されていくでしょう。いずれ、1人の人間が何人分ものAIをマネジメントしてプロジェクトを進めていくようなケースも出てくると思います。
それでも最終的な意思決定の責任を負うのは人間であり、それを支えていくのが基本的なプロジェクトマネジメントの知見とスキルなのではないでしょうか。
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