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「信じて任せる」が組織を変えた〜27歳アフィリエイト局 局長のリアル〜


渋谷ではたらく社員のリアル ~Voices of AD.AGENCY~

先進国では次々とインターネット広告費がテレビ広告費を上回り、日本でも数年以内にはその時代が来ると予測されています。
サイバーエージェントは1998年の創業以来、インターネットに特化した広告事業を展開しており、当社インターネット広告事業本部はまさに事業の中核を担い続けてきました。会社全体の売上の約半分にあたる1,704億円を売り上げる広告事業を牽引する当部署ではあるものの、部署に所属する社員数は全社員数の約2割600名弱という筋肉質な組織。

この組織では、若手社員からベテラン社員まで年齢に関係なく、それぞれが大きな裁量のもと、市場の開拓と拡大に挑戦し続けています。

渋谷ではたらく社員のリアル ~Voices of AD.AGENCY~では、そんなサイバーエージェントの広告事業ではたらく社員の仕事について、そのリアルを紹介します。

連載2回目となる今回は2012年新卒でアフィリエイト局局長を務める手塚のインタビューとなります。彼の新卒~現在に至るまで、また、彼自身の考える人材育成についての考え方に迫りました。

ちっちゃいプライドを守るだけで成果が出せない新卒

-- 手塚さんは2012年に新卒入社して3年後にマネージャー、その翌年に局長に抜擢されていますが、入社当時からキャリアビジョンを描いていたのでしょうか?

入社1年目は同事業部にて、インターネット広告の営業を担当しました。活躍したい気持ちは強かったのですが、実力は全然伴っていませんでした。

学生時代の変な自信から、自分ひとりで何でもできると勘違いしていて、誰にも頼らず成果を出そうとしていました。今ふりかえると、なりふりかまっていたというか、小さい仕事をちっちゃなプライドで守っていたんですね。当然、成果はまったく出ず、どんどん抜擢されていく同期を横目に、平気なふりして内心ただ焦るだけでした。

1年3ヶ月経って、アフィリエイト局への異動が決まりましたが、戦力外通告をされたみたいで正直ショックでした。当時の局長に「アフィリエイト局はベテランばかりなので、若手をいれて盛り上げたいタイミング。ぜひ活躍してきてほしい」とまで言って頂いたのですが、当時は適材適所の意図を理解できていませんでした。

当時の自分としては、なりふりかまってプライド守ってたんでしょうね。

もうなりふりかまっていられない。異動後に覚悟したこと。

-- 自分より年上ばかりの環境で、若手としてどんなことでインパクトを与えたいと思いましたか?

アフィリエイト局への異動をきっかけに、今までのやり方じゃダメだと思いました。成果を出すことになりふりかまっていられない、どんなことをしてでも結果を出す。異動したことを正解にするしかないと覚悟して働き始めました。

当時の局は、アフィリエイトがインターネット広告業界の中でも、歴史あるプロダクトというのもあり、社歴10年超のベテラン社員が多い組織でした。

アフィリエイト局が設立されたのが2004年。Web業界にとっては歴史ある部署です。昔からある市場なので、参入企業も領域も固まっていて成熟している業界で、イノベーションが起こりづらいマーケットでもありました。

成熟した市場だからこそ、新しいことでイノベーションを起こしていきたい。歴史を知らないからこそ、あれこれ新しいことにチャレンジして、顧客もメディアも変えていきたいと思いました。

周りの疑問が信頼に変わってきた

-- 組織の周りの人たちはどう受け止めましたか?

アフィリエイト局の人たちは、びっくりする程いい人たちでした。まるで我が子のように育ててくれました。異動当初は、できるかどうかわからないワガママに近い提案を言い続けていた自分を、否定はしないけど心のどこかで「ホントにそんなことできるの?」と疑問に思っていた部分もあったのではないかなと思います。

でも、若手の勢いで「やりたいやりたい」と言い続け、少しづつ実現することで、共感を得られた気がします。いつしか「手塚が言うならやってやろう」と言ってもらえるようになりました。

ここ最近は、新卒やキャリアの方が入ってきてくれたりすることで、今までのアフィリエイトを引っ張ってきたベテランの人たちと、フレッシュな若手が融合し始めて、より良い相乗効果が生まれてきた感覚があります。

-- 具体的に、マーケットにおける開拓範囲はどう広がりましたか?

アフィリエイトは成果報酬のモデルですが、顧客のビジネスを成功させるためのKPI設定やモニタリング、メディアとの対話を深め、改善の打ち手を立てられるような新しい手法を導入しました。成果報酬しかフォーカスしていなかったアフィリエイトに、ユーザー毎の顧客のビジネスモデルに与える影響などの分析を入れることで、顧客からもよりビジネスモデルに寄り添った運用をしてくれる会社だと期待してもらえるようになりました。

そこには技術の発展や、市場を変えようというアフィリエイト局の思いなど、いろんなものが乗っかっていた気がします。その結果、やり方が変わらないアフィリエイトについて顧客も疑問視してくれるようになり、一緒にマーケットを変えていこうという関係性も築けるようになっていきました。

25歳で局長就任。自分なりのマネジメントを必死に探した

-- 自分より経験が豊富なメンバーがいる中で、若手として抜擢されています。どう受け止めましたか?

当時のアフィリエイト局の局長が、別のミッションに携わることが決まったので、その流れで局長に抜擢されました。

サイバーエージェントの組織カルチャーとして、ミッション・ステートメントに「若手の台頭を喜ぶ組織で、年功序列は禁止。」があるので、自分に何かしらの可能性を感じて抜擢してもらったと思っています。

自分は、マネジメントが他の人より優れているとは思っていなくて、それは当時も今も同じです。ただ、自分が抜擢された意味は真剣に考えました。アフィリエイトの既成概念を変えていこうとする姿勢を、期待を込めて評価してもらえたんじゃないかと。であるなら、その期待に対して責任もって全うしていく、足りないスキルは後から補っていくということを少しづつ意識するようになりました。もちろん、最初の頃は「これでいいんだろうか」と悩みながら前に進んでいた感じですが。

-- その悩みをどうふっきったのですか?

役割でしかないとわりきりました。僕が局長に抜擢されたのは、能力が高かったわけではなく、既存のアフィリエイトを変えるという姿勢だと。このやり方で新規のシェアを獲得することがミッションだと。

自分の下に、年上の優秀なメンバーがたくさんいて、自分はそういう組織の中で役割として局長を任されていて、組織成果が最大化するための役割でしかない。そういう気持ちに切り替えた時、抱えていた悩みがフッと消えました。

そしてメンバーにも率直にそれを伝えました。「自分は新しいことをやってくのが役割なので、助けてください。」とシンプルに伝えました。

今では1年目の新卒と10歳近く年の離れたメンバーが、活発に意見交換し、議論できるような、良い意味で「年功序列が一切ない」組織になりました。



ベテランの組織を変える、若手の育成方針

-- 経験豊かなベテランが多い中で、若手が萎縮せずに成長するにはどうしたら良いのでしょうか。

できる限り信頼をして、業務を任せていくことがポイントです。それは若手だけでなく育成するトレーナーもそうで、責任をどんどん渡してく。達成可能かギリギリの目標をしっかり設け、その業務をしっかり渡してあげる。それをトレーナーとトレーニーで一緒に成功体験を積み上げていくサイクルを作ることが一番重要だと思っています。ギリギリのラインの見極めは、いまでも難しいなと思います。

あと、年次に限らず大切にしているのが「相手へのリスペクトは絶対に忘れないこと」「自分が圧倒的に領域に詳しくなる。しかも徹底的にやること。」です。

-- 「若手に任せる = 放置プレー」を予防するためにはどうしたら良いでしょうか。

責任を渡しているだけだと意味がないので、期待をセットできちんと伝えています。「こうなってほしいイメージ、なぜ今この仕事を任せられているかの背景」をお互い納得している状況を作り、その関係性を維持し続けることがベストと思っています。

もちろん、目線を上手く合わせられなかったり、伝わらなかった経験もたくさんあります。でも、同じ目標に同じ目線で走りはじめた時になってはじめて、大きな成果が出る気がします。

-- 若手の育成をするトレーナーの人選ってどうしていますか?

トレーナーとトレーニーの性格をふまえた組み合わせと、お互いを信頼できるようなコミュニケーションがポイントです。

例えば今のトレーニーは、心配性なので気になったことはなんでも聞かないと納得できないタイプです。なので、トレーナーはいったん全てを聞いてあげて、そのあとにしっかり対応してあげるタイプを選びました。その組み合わせがマッチして、このトレーニーは数億の売上目標を無事に達成しました。

トレーナーもトレーニーに「信じて任せる」というスタンスをとっているので、案件の同席や引き継ぎをすることで、コミュニケーションが自然と増え、そこから信頼関係を築きました。トレーナーは「こいつだったらここまで任せられる」というのをしっかり決めて、自分の大事な仕事を任せる。トレーニーも「そこまで自分を信じて任せてくれるなら、ここは一回、やってみよう」という、お互いの信頼関係ができる。

仮に、多少納得しない時があったとしても、その先に成果が出ることで、より信頼関係が深くなっていくポジティブなスパイラルが発生するんです。

-- 任せることの不安にどう向き合っていますか?

「信じて任せるマネジメント」については今も探り探りです。任せきって失敗しても意味ないので「あのタイミングでフォローに入らないといけなかったのか」「もっと大きく任せてもよかったんじゃないか」というのは常に揺れています。でも、ベストな責任の任せ方を探すことで、自分自身も広がる気がします。

最近ではその一つの成果として、トレーナーを任せているメンバーとそのトレーニーである新卒社員が、広告事業本部内における受賞項目のひとつである「バッテリー賞」を受賞しました。バッテリー賞とは新卒とトレーナーの二人三脚で最も大きな成果を出せたコンビに贈られる賞で、この賞をメンバーが受賞した際、局全体が大きく盛り上がりました。これも信じて任せている中、責任を持って育成にコミットしてくれたメンバーと、前向きな新卒社員のスタンスがあってのことだと思います

信じて任せることは怖い部分もありますが、任せることにふりきったら一気に組織成果があがったので、これからも探り探りしながら任せていこうと思います。

メンバーから見た手塚

最後に、手塚のチームメンバーである、バッテリー賞を受賞した新卒社員 眞鍋と、トレーナーを任されている加藤に、手塚についてヒアリングしてみました

<トレーニー:眞鍋>

手塚さんは局長ですが、年齢も近いので仕事以外のキャリアについてや若手・新卒ならではの悩みを気軽に相談できる上司です。本気で私のキャリアを一緒に考えてくれているのをいつも面談のときに感じています。

サイバーエージェントでの内定者バイト先を決める際に手塚さんに面談してもらったときの言葉は今でも覚えています。

「どうせやるなら、一番きつくてやりがいがあるところに来い」

もちろんどこへ行っても大変だと思いますが、私はこの言葉を聞いて手塚さんの元で最初のキャリアを歩みたいと希望しました。この言葉が無かったら今の自分はなかったかもしれないと思うと印象的な思い出です。

今でもキツイな・しんどいなとちょっとでも思ったときにこの言葉を思い出して頑張ってます!

<トレーナー:加藤>
年齢は手塚さんの方が自分より2歳ほど下にはなるものの、弱音を吐かず誰よりも努力する姿勢を心から尊敬しています。手塚さんから教えてもらった「信じて任せること」は、自分自身トレーニーの眞鍋や他の後輩メンバーに対して、これからも体現していきたいです。


若手局長の市場への挑戦はまだ始まったばかり。

今後のさらなる活躍が楽しみなリーダーです。



■執筆:清水 良一 (カルチャー推進室)
■撮影:杉 麻子(Design Factory)
■撮影協力(オフィス):CyberZ、C.A.MOBILE


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