こんにちは。FLINTERS代表取締役の武藤です。
今回はFLINTERSアドベンドカレンダーの記事25日目、本日でゴールとなります。その他の記事はこちら を確認ください
先日、ドラマ『ザ・ロイヤルファミリー』が最終話を迎えました。
毎回のように胸を打たれ、涙しながら、ハンカチ片手に観ていた自分がいます。
競馬の世界を舞台に、「夢」を追いかける大人たちの情熱、家族の絆、血統の継承と再生を描いたこの作品。
そこに通底していたのは、
「人は何を受け継ぎ、何を未来へ託していくのか」
という、極めて普遍的なテーマだったように思います。
そして不思議なことに、物語を追うほど、私自身の仕事や人生の価値観と重なって見える瞬間が、次第に増えていきました。
私にとっての“ロイヤルファミリー”は、王族でも、特別な血筋でもありません。
FLINTERSという会社であり、そこで苦楽を共にして時間を過ごしてきた仲間たちです。
代表退任
高野さんと1年間の共同代表という期間を経て、来期から私は代表を退き、非常勤取締役としてFLINTERSを後方から支える立場に回ります。
※正式には3月末まで代表となりますが、年明け1月より実運用は新体制で開始します。
あわせて、私自身はグループ内で別の役割を主務として担うこととなり、また新たな挑戦を始めます。
創業から12年間続けてきた、私の愛するFLINTERSを、心から尊敬し、信頼している高野さんに代表を託します。
FLINTERSはいま、創業期を越え、次の成長曲線を描いていく第二創業期の入口に立っていると感じています。
この出来事は、ともすると
「誰が上に立つのか」「誰が退くのか」
という話に見えがちかもしれません。
けれど私にとって今回の代表退任は、FLINTERSがさらに大きな成長を遂げ、第二創業期へと踏み出すための前向きで必然的な節目だと考えています。
「未来につながる火を灯そう」という覚悟
FLINTERSは、「未来につながる火を灯そう」というミッションを掲げています。
この言葉は、派手な成功を意味するものでも、目先の成果だけを追いかけるものでもありません。
一人ひとりの挑戦が誰かの未来につながり、次の世代の可能性を照らす“火”になる。
私たちは、そんな仕事をしたいと思い、このミッションを掲げてきました。
第二創業期を迎えるこのタイミングでの代表退任も、まさにこのミッションの延長線上にあります。
火を抱え込むのではなく、「つよく、やさしく、おもしろく」、より遠くまで火を灯し続けられる人へ託すことが大事だと思っています。
「譲る」のではなく、「託す」という経営判断
私を代表としたこれまでの経営陣よりも、高野さんを代表とする新しい経営陣のほうが、これからのFLINTERSを大きく変化させ、より遠くまで成長させていける。
私はそう確信しています。
ただし、誤解のないようお伝えしておくと、これは決して、これまでの経営陣を否定するものではありません。
創業以来、歴代の経営陣が陣頭指揮を執り、多くの仲間たちがそれに応え奮闘してきたからこそ、今のFLINTERSがあります。
なかでも、ベトナム駐在を快諾して引き受け、現地社長として事業を牽引してきた佐藤健史が、私の代表退任と同じタイミングでFLINTERSおよびFLINTERS VIETNAMの役員を退き、年始から帰国して新経営陣を支える立場でFLINTERSをリードしていくという判断をしてくれたことに、深い敬意と感謝の念を抱いています。
私たちが大切にしたいのは、ポストに固執する事でも誰かを蹴落とすような競争でもありません。
互いを認め、応援し、支え合うこと。
感謝と受容が自然に行き交うチームであること。
そして、一人ひとりが役割に誇りを持ち、互いを尊重しながら挑戦できる環境です。
ポジティブなエネルギーは、必ず伝播します。
誰かの前向きな一言や行動が、別の誰かの背中を押し、やがてチーム全体を明るくしていく。
こうした価値観は、長い時間をかけて仲間たちと育んできたものであり、今回のような決断を自然に受け止め合えること自体が、FLINTERS、そしてセプテーニグループの強さだと感じています。
第二創業期において必要なのは、創業期とは異なる視点とリーダーシップです。
セプテーニグループは、誰か一人が引っ張り続けることで成長してきた会社ではありません。
信じて託し、任せることで、人と事業を伸ばしてきた会社です。
今回の代表退任もまた、火を消さないための選択ではなく、第二創業期がスタートするに相応しい形で、火を未来へとつないでいくための選択です。
「何をやるかより、誰とやるか」
セプテーニグループには、創業期から一貫して流れている価値観があります。
それが、「何をやるかより、誰とやるか」という考え方です。
価値観で結びつき、背中を預けられる仲間となら、どんな逆境でも越えていける。
信頼は、最初からあるものではありません。
「この人たちとだから突破できた」という成功体験の積み重ねが、“信用”を“信頼”に変えていく。
とりわけ、「苦しい時を一緒に乗り越えた経験」は、何よりも強い絆になります。
高野さんを筆頭とした新経営陣には、そうした時間を共に過ごしてきた仲間たちが揃っており、第二創業期のFLINTERSを次のステージへ導く覚悟を、自らの言葉で語れる頼もしい経営者たちが集まっていると感じています。
多くの仲間とともに灯してきた火
FLINTERSでの12年間を振り返ると、本当に多くの仲間に支えられてきた時間だったと感じます。
各社の最新の社員番号を見ると、
FLINTERSが222番、FLINTERS VIETNAMが368番、FLINTERS BASEが61番となり、
延べ651名もの方々に、この会社の歩みに関わっていただいたことになります。
FLINTERSを退職していった仲間たちも、今でも定期的に声をかけてくれて飲みに行ったり、 一度は会社を離れながらも、「出戻り自由」の文化のもと、再び戻って活躍してくれている仲間もいます。
一人ひとりとの出会いと挑戦の積み重ねが、FLINTERSという会社と文化を形づくり、今日まで「未来につながる火」を灯し続けてきました。
今この瞬間をともにする仲間も、これまで関わってくれた仲間も、そのすべてに心から感謝しています。
最後に
代表という役割からは一歩引きますが、FLINTERSへの想いが薄れることはありません。
もし、FLINTERSに関わってくださったすべての方々の人生の中で、
ほんのわずかでも何かしらの「火」を灯すきっかけになれていたとするなら、
それは私にとって、これ以上ない幸せです。
これからは少し引いた立場から、この会社が第二創業期としてどんな未来を描き、
どんな“火”を灯していくのかを見守り、支えていきます。
FLINTERSは、まだまだ面白くなります。
これからも、どうぞご期待ください。
そして、少し早いですが、皆さま良いお年をお迎えください。
来年も、新生FLINTERSをどうぞよろしくお願いいたします。