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デザインで使う人と作る会社の想いをつなぐ、スタートアップ1人目のデザイナーがSaaSのUIにかける魔法

中嶋 信博/プロダクト開発部 チーフデザイナー

学生時代は広告デザインを専攻。オンラインゲームのパブリッシングやモバイル/PCゲームの開発会社にインハウスデザイナーとして勤務。ゲーム内のUIを設計する傍ら、継続して広告、Webプロモーションに関係するクリエイティブ制作を担当した。直近では管理職としてデザイナー達のマネジメントをしつつ、ゲーム開発にも利用できるAIツールの導入や開発窓口を担当した後、フツパーへ入社。



これまでの経歴について教えてください!

静岡から上京して、20年くらいずっとゲーム業界で仕事をしていました。

ゲーム業界の仕事を大まかに分けると、「作る人」と「売る人」がいて、最初は売る人をやっていました。例えばマーケティングとか広告とかですね。

ですが、その後はだんだんとロゴのデザインなど、ゲームの中身を作る仕事に切り替わっていきました。


どういう流れで作る側を担当することになったのでしょうか

所属していた会社はもともと海外の開発元から販売権を買ったものを、マーケティングして売るという仕事をしていました。ですがスマホが普及していくなかで、2012年頃からUnityやミドルウェアを使った開発の敷居が下がっていったんですよね。

そうなったときに、自社でもできるんじゃないかということになって、自分たちでゲームを作る方向に切り替わっていきました。



ゲーム業界ではずっと同じ会社にいたのですか?

フツパーが5社目で、それまでの4社が全てゲーム業界の企業でした。

4社のうち、最初のほうは小さい会社やベンチャーで働いていました。ベンチャーの立ち上げや役員を経験したのち、規模の大きい会社に転職しました。


ベンチャーから大きい企業に転職したのはなぜですか?

過去に経験がなかったというのと、それまでの会社ではそれなりの評価はもらっていたので、大きい会社でも自分の実力が通用するのかを試してみたかったというところが大きいです。

そこではデザインを離れて管理職も経験しました。


ゲーム業界のなかでもいろんな企業を経験されているんですね。学生の時からゲーム業界に入りたいと思っていたのですか?

実は学生のときはゲーム業界に行きたいとは全く思っていませんでした(笑)

広告業界に進んでCMとか街頭ビジョン、つり革広告などを手掛ける仕事をやりたいと思っていたんですが、広告会社に入社したら、その会社がゲーム事業を始めたという感じです。

それがきっかけでゲーム業界に携わることになって、そこから流されるような感じだったんですが、振り返ってみれば20年ゲームに関わることになりました。


ゲームがやりたいというわけではなかったんですね!

そうなんです。もともと自分でゲームをすごくやるわけでもないんです。


AIエンジニアの和田さんもゲーム業界からの転職ですが、5歳からのゲーム好きとおっしゃっていました!ゲーム業界にもいろんな入り方があるんですね。


その後フツパーに転職されたということは、小さい企業のほうが自分に合うと感じたということでしょうか?

規模的なところはそこまで気になることはなかったんですけど、ゲーム以外の事業をやりたいなと思い転職活動を始めました。

これまでいろんな規模の企業や役割でゲーム作りに携わってきましたが、一旦娯楽や嗜好品の要素が多いゲーム業界を離れて、実用品というか、仕事の道具になる、実際に使う人の役に立つモノづくりにチャレンジしたいという気持ちが出てきたんです。


それで20年続けたゲーム業界から離れたんですね。フツパーを知ったきっかけは何だったのでしょうか

当時使っていた転職サイトで、自分から「いいね」をしてコンタクトを取った記憶があります。

製造業といってもいろんな会社がありますが、その中でフツパーはwebのデザインやプロダクトのロゴが他の企業と全然違っていて、すごく個性的なビジュアルだったんですよね。そこにかなり惹かれました。最初に見たときに、明らかに他と違うなっていうインパクトがかなり大きかったですね。


ロゴやwebのデザインから気になったんですね!

そうです。こういう押し出し方をしている会社ってないなって思いました。


こういう押し出し方というと?

一般的な製造業のwebサイトは清潔感があって、信頼性がありそうな綺麗な白や青基調で、トップページにはきれいな工場の機械の写真とか、ちゃんと仕事をする会社ですよっていうかっちりした印象のものが多いと思います。一方で、フツパーの場合は黒基調で、黒とオレンジってあまりない組み合わせですし、製造業にしてはめちゃくちゃ激しいと言ったら何ですが、アクティブな印象でした。

そこから、包容力があるというか、許容範囲とか間口が広い会社なのかなっていうのを連想しました。そういうデザインを採用するっていうことは、それを良しとするステークホルダーや社員がいるということで、ということはそれを受け入れてくれる土壌が一定あるんだろうなって思ったんです。


デザインで社風まで見抜くっていうのがすごいですね!初めてそういう見方を聞きました

そ​だけインパクトがあったということです!


転職活動中はいろんな企業と迷いませんでしたか?

迷いましたね。ゲーム業界を離れるといっても、ゲーム以外っていうくくりだとものすごく広いので、そこはすごく悩みました。

最終的な軸としては、UIを作りたいという思いと、SaaSのデザインをやりたかったので、その二つができるということに一番ウェイトを置いていました。


そこに一番沿っていたのがフツパーだったんですね

そうです!UI/UXのデザインとSaaSというキーワードが最初の方に出てきたので、マッチするなと思いました。


UIとSaaSに関りたかったのはなぜでしょうか

SaaSやASPはこれまで技術で差別化する業界というイメージがあったのですが、最近は競合が増えたり色々なスピードが早くなってきたことで、新規参入が頭角を出しづらい状況になっていると感じています。

そういう状況で、今後差別化を図るにはUIやUXが大切だと思うんです。

なので、今求められているUIやUXのスキルと自分がキャリアを積みたいと思っているSaaS業界がかなりマッチングするんじゃないかっていうのが大きかったです。

自分の技術も活かしつつということですね!


入社前から業務委託をされていたと聞きましたが、お互いのお試し期間のような感じですか?

お試し期間というよりは、内定が出てから入社までに早めにキャッチアップするための助走期間という感じだったんですが、自分もいち早く内情というか、仕事の仕方とかみなさんの様子を知りたかったというのと、フツパーのほうも、デザイナーを交えて急いで作りたいものがあったので、お互いに今すぐやりましょうという話になりました。


業務委託でやりとりし始めてどういう印象でしたか?

基本的にプロダクト開発部の山田さんとやりとりしていたのですが、予想していた以上にスピード感がありました。

個人の裁量が大きくて、自分からどんどん話題に参加していかないと置いていかれちゃいそうで、そこはすごく刺激を受けましたね。ここまでやっていいんだって思いました。


今までとはどのように違いましたか?

今までは会議で成果を見せて、相手が一旦持ち帰って考えて、一週間後に修正点が来てというテンポだったのですが、フツパーだとすぐにSlackで修正が来て、ハイ次!という感じで進んでいくのが良いなと思いました。


自分のスピード感にも合っていたということでしょうか

そうですね。最初の3社がベンチャーだったので、その辺りは懐かしいなという感じでした。

入社されたのはつい最近ですが、フツパーの業務委託を始めてからどのくらいですか?

2か月くらいが経ちましたね。


今は、どのような作業をしているのでしょうか

いまは新プロダクトのロゴなどのデザインを作っています。


フツパーで実際にSaaSやUIの仕事をしてみて、いかがですか?

UIのほうは、ここまでがっつりSaaSの画面を組み立てたのが初めてのことだったので、作ったものをパッと出したときに「いいね!」って言っていただけたときは、自分なりにすごく考えて作ったものだったので安心しました。

今はロゴのデザインもしてるのですが、チャットで投げると部署を超えていろんな方から積極的に意見を言っていただけるので、ありがたいですね。

みなさんすごく褒めてくれるので、もっと辛口な意見も欲しいなとは思います(笑)


デザインをするときに意識していることはありますか?

ロゴ単体で良いものを作るのではなくて、アイコンになった時やLPを作ったときのことも意識して作っています。単体でそれなりのものができても、そのあと統一感とかで悩むことがないように作っていきたいです。

あとは、ロゴだけのデザインを見せても決められないと思うので、LPの案も作って、製品として世の中にたらこういう風に見えますよとかをイメージしてもらいやすいようにしています。

営業の人が実際にその商品を売るところまで想像できるようにやるのもデザイナーの仕事だと思ってます。


中嶋さんはフツパーで1人目のデザイナーですが、社内で1人目のデザイナーになるのは今回が初めてですか?

以前起業したときにエンジニアもデザイナーも1人の状態でスタートしたので、2回目ですね。


その時の1人目デザイナーと違いはありますか?

フツパーの場合は、一から自分で作るのではなく途中からの合流なので、そこが違いですね。webサイトやLPなど、いままでのデザインでできたルールがあるなかで、それをどう良くしていくかを考えていくという感じですね。

フツパーのデザインのルールは言語化されていないないかつ、明確にはない状態なので、今までのサイトや資料を読み込んで、これまで積み上げてきたデザインの「てにをは」ともいうべきものをインプットしています。リバースエンジニアリングのようなイメージです。


難しそうです・・・!

そうですね、でも割とそこは慣れています。

実はデザインのクライアントワークってほとんどそういう作業なんですよ。受注してもらって会社のCI(コーポレートアイデンティティ)とかルールはこうですっていうのが送られてきて、それを見て同じように作るっていう仕事が多いので、当然それを読み取るための作業は入ってきますね。

そこも含めてデザイナーの仕事なんですね

そうですね。


今までデザイナー職の方がいなかったこともあり、周りの社員もデザイナーの方との関わり方が分かっていないなかで、デザイナーの仕事を理解してもらうのって難しいですか?

一緒に仕事をしていくなかで、こういうやり方をするんだなっていうのはお互いに慣れていくしかないですね。技術者と一緒に働くっていうのはこれまで日々やってきたことなので、時間はかかりますが、お互い回数を重ねながら変えていければ良いなと思っています。


どういうところを理解してもらう必要があるのでしょうか

みなさんがこれまで思っていた以上に早い段階でデザイナーもプロダクトの企画に関わらないとっていうのがあります。

例えば商品名やサービス名が決まってからデザインに落とし込むと、思っていたのと違うものになってしまうことも多いんですよね。

だから、何においてもデザインが必要になってから参加するのではなくて、企画の最初の段階から入っていた方が避けられたはずのエラーを無くすことができるんです。

なので、次にプロダクトを新しく作ることになったら最初から入りたいですということは伝えています。


今作っているプロダクトのロゴ作成は途中からの参加ですか?

そうですね。


見せてもらった時はピッタリだと感じたので驚きです。

後から合わせるやりかたもある程度は心得ているので、こうすれば帳尻が合うなっていうふうにやっているかもしれないです。


デザイナー苦労あるあるなんですね

今回みたいに後からやっても合わせることもできるのですが、最初からいたほうが後の工程がスムーズに楽になるんですよね。

商品名を考えるときにいることで、このタイトルだとこういう懸念があるとか、そういうのをディスカッションできるので、そういった環境を作れたらいいなと思っています。

ゲーム業界にいたときに、プランナーだけで決めたロゴを実際にデザインにすると、いかつくしたいのに形にパワーがなくて可愛い雰囲気になってしまったりすることもありました。

なので、会議の時に、候補の名前を聞きながら頭の中でざっくりとデザインを作ってイメージを出せる人がいると、そこのミスマッチが防げると思います。


ゆくゆくは既存のUIとかロゴも変えていくのでしょうか?

今のロゴもおもしろいしかっこいいので、変える必要があればという感じです。課題によるんですけど、どういう売り方をするとかどういう戦略をするかによって変わってくると思っています。もし今後フツパーの商品を統合してパッケージでやりますということになったら、Photoshopとillustratorみたいに、ある程度似た感じの見た目にしたりとか、デザインも統一感を出さないといけなかったりすると思います。


これまでがゲームや広告のデザインだったとのことで、業界も対象もガラッと変わりますが、これまでのデザインとの違いや苦労する点はありますか?

社会で実用的に使われる道具のデザインと、個人の趣味などで使われる嗜好品のデザインを作ることの違いはものすごく大きいですね。

ゲームなら操作をミスしてもゲームオーバーになるだけですが、フツパーの製品は工場で使われるものも多いので安全第一ですし、設定のミスで業務に支障が出ることもあるので、かなりシビアな設計が必要になってきます。


その違いはデザインにも表れるのでしょうか?

表れますね。例えばゲームだと、手数を省くために、設定を変更するときに確定ボタンを押さなくてもタブを閉じたらもうOKというUIも多いんですよね。でも安全面を考えると古いやり方ではあっても確定というボタンがあった方がいいですよね。

その辺は結構考えないといけないなと思います。


指さし確認のような安全確認もUIで担う必要があるんですね

はい。今何が起きているかを確認できないといけないし、大変な事態になってたらそれを分かりやすく表示しないといけないし、ゲームとはリスクの大きさが格段に違うので、気をつけないといけないと思います。


では、製造業向けだからこその面白さはありますか?

自分はもともとインプットが好きなので、今はすごく新しい刺激があってそれが楽しいです。これまでの業界だったら製造業のUIを担当できる機会はほぼないんですよね、だから新しい業界のサービスやデザインをたくさん見てインプットするのが素直に、シンプルに楽しいです。

インプットはどのようにするのですか?

例えば、今日は製造業が集まる展示会があったので、それに参加させてもらいました。

競合のサービスのサイトを見るのも大事ですが、工場の現場に行って製造業の人の仕事のやり方を知るのも大事だと思っています。まずは業界のことをもっと知りたいですね。


現場を見ていくことでさっき話していてた確認ボタンの重要性とかがより分かっていくんですね

学んでいくことで、今後そういう気づきがもっと出てくると思っています。


展示会はどうでしたか?

前の業界にいたときに行った東京ゲームショウよりかなり規模が大きくてびっくりしました。分野もたくさんあるし、AIやIoTから現場の部品だったり、本当に幅広くて多様な業界なんだと思います。製造業はものすごく活気のある業界なんだっていうのが、良い意味で行く前とはかなり違う印象を受けました。

インプットの材料として全部のパンフレットを貰おうと思って行ったので肩がいたくなるくらい集まりました。

パンフレットにも製造業ならではの部分があるのですね

製品の良さやセールスポイントをまとめてお客さんに伝えるという点では同じですが、ゲームは出せて数点なので一個のプロダクトに絞って展示するんですよね。

一方で製造業はカタログが作れるくらい一社で出す商品も多いから情報の量も密度も桁違いだなと感じました。あとは実機を間近で見られたのも、すごく楽しかったです。



入社してからのギャップはありましたか?

思ってた以上にみなさん優しいですね。ベンチャーはどうしても忙しさで余裕がなくなって人のことまで気にしている暇がなくなったりすることもあると思うんですけど、さっきも話したようにすぐに試作のロゴに反応をくれたりします。

あとは今回行った展示会はもともと行く予定ではなかったのですが、インプットしたいということを伝えたら柔軟に対応してくださって急遽参加させてもらいました。

今後の展望について聞かせてください

ゆくゆくは開発側とと売る側の部分とを繋げるハブじゃないですけど、デザイン的な部分でうまく繋いでいける仕事をしたいと思っています。

売りやすいものとプロダクトとして良いものっていうのは微妙に違ったりすると思うので、そこのバランスを取っていきたいです。

あと、入社して一番やりたかったのは、UXを上げるための土台を作るということです。開発をするにしてもいろんなフレームワークとか土台があるんですけど、フツパー用のデザインのパッケージを作って、フツパーのボタンはこれとか、UIのパーツを作っておきたいです。

そうすると誰が作っても統一感が出る仕組みになるので、新しいものをスピード重視で作るときにそれなりの画面が作れる状況になってると思うんです。そういう風になるようなフレームワークというかデザインの土台を作って、デザイナーが全部を作らなくてもある程度デザインされたものが出来ていく環境を作るのが目標ですね。

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