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合言葉は「残業20」。残業は個人だけでは解決しない、組織で解決するんだ!

インターゾーンの働き方改革の一環として「残業時間削減プロジェクト」がスタートしてから丸2年が経ちました。現在、残業に対する社員の意識が大きく代わり、残業時間は「激減した!」とのこと。プロジェクトが成功した秘訣はどこにあったのでしょうか? インターゾーンがこれから目指すものとは?

今回の改革を主導した、人材開発部の部長である山田昌弘(やまだ まさひろ)さんにお話を聞きました!

「いいものを作りたい」熱い思いが長時間労働を生んでいた

──もともと、インターゾーンの働き方はどのようなものだったのですか?

インターゾーンは2000年に創業したベンチャー企業です。創業から間もない時期はとにかく事業を安定させることに必死で、みんな「いいものを作って社会に出そう」という思いがとても強かった。だから、夜遅くまで働いたり、休みが週イチというのも当時はなんの疑問も感じていませんでした。

長時間労働を良しとしていたわけではないのですが、結果として、一人ひとりの「残業への意識」が薄かったのです。当時は独身の社員がほとんどだったこともその理由のひとつです。数年経って事業が大きくなり、社員が何十名に増えても、しばらくはそのカルチャーが続きました。

──それが変わったのはいつ頃のことでしょうか?

きっかけは2年前のことです。「働き方改革という大きな時代の流れに抗うよりも、前向きに取り組んだほうが面白い!」という思いと、「優れた人材を確保するためには残業時間の削減が不可欠」という、私たち採用の現場での実感がありました。

2017年9月、取り組みの第一歩として、「管理部」リーダーの武井が今回のプロジェクトを開始。翌年からは新たに発足した「人材開発部」が引き継ぐ形で本格的にプロジェクトを進めていきました。



目指すは「ニーマル」! 時間への意識でメンバーの残業時間を削減

──残業時間削減プロジェクトでは、具体的に何を行ったのですか。

私たちが目標としたのは、メンバー全員の残業時間を月20時間以内にすること。これを「残業ニーマル(20)」と呼んで、スローガンとして社内に周知しました。

とはいっても、ただやみくもに「残業時間を減らそう!」と言ったわけではありません。問題を根本的に解決するためには、まずは「現状を正しく把握すること」が必要です。そこで最初のステップとして、インターゾーンのメンバー全員の労働時間をデイリーで集計して、誰がどのくらい残業しているのか、またどんな業務にどれだけの時間を使っているのかを把握できるようにしました。

当時は大半の社員が月20時間をオーバーしていて、中には月70時間を超える人もいる状況でした。次のステップとして、残業の多い社員のところへ行きどんな要因で残業が生まれているのか、詳しく話を聞いていきました。



──面談の中で、どんなことが見えてきたのでしょうか。

わかったのは、残業時間を減らすためには「ふたつのアプローチ」が必要ということです。

ひとつめは「本人の意識を変える」アプローチ。今まで残業への意識が薄かったインターゾーンでは、ついつい「残業することを前提」にして予定を組んでいました。たとえば、「日中は電話対応で忙しいから、18時を過ぎてから自分の業務にとりかかろう」とか、「外出から帰ってくるのが18時だから、その後で打合せしよう」というように。

しかしその一方で、たとえば時短勤務で働く子育て中の社員だと、「子どものお迎え時間に間に合わせないと!」という意識があるので、退勤時間を決めたうえで一日の計画を組みます。すると、残業することなく業務をやりきることができるのです。この差は個人の意識の違いによるところが大きいです。

──たしかに、無意識のうちにゆっくり仕事をしてしまったり、「後でやればいいや」と思ったりしてしまうことってありますよね……。

そうなんです。そこで、まず「18時になると時報が鳴る時計」を導入しました。18時の時報が鳴ると私が社内を巡回して、残業している社員一人ひとりに声かけを行います。これは現場でどんなことが発生して残業が生まれているのかを、実際にこの目で見て理解することの他に、もうひとつ狙いがありました。

定時を過ぎて、自分の仕事が片付いたので「帰ろう」と思っても、周囲がまだバリバリ仕事をしている。そうすると「帰りづらい…」と感じてしまうことがあります。誰も意図していないのに職場内に「居残り」の同調圧力が働いてしまうという状態です。それを断ち切るために、「さあ帰れ、帰れー!」という空気の読めない「帰れオジサン」が必要なときもあるのです。

ただし、かけ声だけでは人の意識は変わりません。日々の残業時間をチェックして、あまりにも過度な残業をしたメンバーがいたら、翌日にすぐにその社員と面談し、事情を聞ききました。

もちろん、業務によって突発的な残業が起こってしまうのは仕方のないことです。残業そのものに対して「けしからん!」などと言うことはありませんが、「何が起きてる?」と常に現場に首を突っ込むことで、「人材開発は本気なんだ」というメッセージを送り続けました。

やがて、「残業が増えると山田が来る!」というのはある意味でプレッシャーになったようで、社員には「終業時間への意識」を持ってもらうことに成功しました。これによって、およそ半数のメンバーの残業時間が激減したのです。



チーム一丸となって残業対策に取り組んでいく

──残業を減らすための「もうひとつのアプローチ」とは何でしょうか?

ふたつめは「組織としての取り組み」です。個人の意識や能力だけではどうしようもないこと、つまり、そもそもの業務量が多すぎて時間内に終わるわけがない、というケースは組織として解決を図るアプローチでなければ有効な対策は打てません。

残業が月70時間を超えるメンバーがどんな業務に何時間を費やしているのか細かく分析してみると、彼は「単発のプロジェクト」への参加がとても多いことがわかりました。能力が高い、経験が豊富な社員は、いろいろなプロジェクトや業務が任される傾向があります。

実際に数値化してみると、残業時間が平均的なメンバーは毎月の業務時間の「2%」程度をプロジェクトに使っているのに対して、残業の多いメンバーは「14%」も使っていました。自分の普段の業務にプラスしてこれらを行っているので、残業は増えていく一方だったのです。



──特定の人のところに仕事が集中して、残業が増えてしまうのですね。どのように解決したのですか。

これは当人だけでなく「組織としての問題」なので、ひとつめの「個人の意識」とは完全に切り分けて考える必要があります。まずは本人と面談して現状を把握した後、その人が所属する事業部のリーダーにそのことを伝えました。

このときに重要なのは、私から具体的な指示を与えるのではなく、「チームとして解決策を探してほしい」と、彼ら自身で考えてもらうように促すことです。現場の社員が主体的に取り組むことで、単なる「早く帰れ」という論争ではなく、「生産性を上げるためにどうすればいいか」という共通認識が生まれると思っています。私はチームが変わるきっかけを作るだけに過ぎません。

たとえば、マーケティング事業部で残業が多かったとあるメンバーの場合、事業部のリーダーが中心となって、現在の体制を見直すことになりました。そのメンバーが今抱えている業務の一部を他のスタッフに分担したり、支障がなければ参加中のプロジェクトから外してもらったりと、チーム一丸となって業務の棚卸しと整理を行ったのです。おかげで、そのメンバーの業務負担は大幅に減りました。

「残業ゼロ」を当たり前の働き方に!

──開始から2年経って、プロジェクトの成果はいかがでしょうか。

今年2019年9月時点で、残業時間が月20時間以内に収まった社員は「93%」、平均の月残業時間は「12時間」まで減りました。「残業ニーマル」はほぼ成功したと言えます!

また、人事制度としても総合職の社員には「毎月25時間分の固定残業代」を導入しました。つまり、月25時間以内であれば「残業してもしなくても手当ては同じ」ということです。当然、残業しないで早く帰った方がトクなのです。

この制度改革には「会社は残業代の経費を減らしたいわけではなく、早く帰ることでみんなに充実した生活を送ってほしい」という、社員へのメッセージが込められています。こうした新しい制度の効果もあって、残業ニーマルに対する社員の意識は徐々に浸透していきました。



──改革は順調に進んでいるのですね! 次のチャレンジはありますか?

インターゾーンの20期となった今年の9月、新たに残業時間を月10時間以内とする「残業イチマル(10)」のスローガンを発表しました。月10時間以内とは、「10時間までなら残業してOK」ではなく、「残業時間はゼロが当たり前」で、突発的な残業にのみ対応するという状況でないととても達成できません。

こうして残業時間を減らしていくことで、「すべての人によって働きがいのある職場」を整えることが私たちのゴールです。それは独身のメンバーも、結婚して家庭を持つメンバーも、子育て中のメンバーも、誰にとっても仕事がしやすい環境です。これからも継続的に活動を続けて、新しい働き方のスタンダードを実現させたいと思っています!

変化するインターゾーンで、目標を持って一緒に働きましょう!

すべてのメンバーにとっての働きやすさを追求するインターゾーンでは、さまざまなバックグラウンドを持つメンバーがやりがいを持って働いています。現在、複数の職種にて共に働く仲間を募集中! 少しでも興味を持ってくださった方、まずは一度気軽にお話ししましょう!

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