営業は、個人競技になりがちな仕事だと言われます。
数字は個人に紐づき、評価も個人に紐づく。だからこそ、「勝ちたい」という気持ちが強い人ほど、チームより自分の成果を優先してしまうーーそんな構造になりやすい仕事です。
しかし、LegalOn Technologiesのアカウントセールス組織を率いる辻川は、「勝つことへのこだわりが強い人ほど活躍している」と言い切りながら、同時に組織としての一体感も強く語ります。
個の強さと、チームの強さ。この一見相反する二つは、なぜ両立するのか。
今回は、アカウントセールスヘッドを務める辻川に、組織づくりの実態と、そこで身につく力について聞きました。
辻川 翔(つじかわ・かける)
大学卒業後、マーケティングプラットフォームを提供する企業に入社。インサイドセールスを約3ヶ月経験した後、エンタープライズ企業向けのフィールドセールスに従事。
2021年に株式会社LegalOn Technologiesに入社後、フィールドセールスマネージャーを経て、現在はアカウントセールスのヘッドを務める。
裁量の大きさに気づき、自ら仕組みをつくった
—まずは、辻川さんのこれまでのキャリアを教えてください。
新卒で入った会社では、マーケティングプラットフォームの営業をしていました。最初の3ヶ月はインサイドセールスを担当していたのですが、お客様としっかり向き合いながらクロージングまでやりたいという思いが強くなり、フィールドセールスに異動させてもらいました。基本的にはエンタープライズのお客様を担当していましたね。
数年働くうちに、その環境で身につけた力が、他の会社でも通用するのか。再現性を持って発揮できるのか。自分の市場価値がどれくらいあるのか。そういうことを強く意識するようになって、転職活動を始めました。
—数ある選択肢の中で、なぜLegalOn Technologiesを選んだのですか。
転職の軸は3つありました。1つ目は、会社の業績がしっかり伸びていて、これから更に伸びていくだろうと思えたこと。2つ目は、その業界のリーディングカンパニーであること。そして3つ目は、自分がまったく知らない領域だったことです。
法務という領域は、当時の自分にとって完全に未知でした。ただ、完全に異業界に飛び込むとキャリアの積み上げが遅くなる可能性もあると思っていたので、「IT×営業」という軸は変えずに、業界だけをマーケティングから法務に変えるという決断をしました。業績が伸びていて、業界のリーディングカンパニーで、かつ自分の知らない領域に挑戦できる。この3つが重なったのが、LegalOn Technologiesだったんです。
—入社前と入社後で、ギャップはありましたか。
会社に対するイメージとのギャップは、実はそれほどありませんでした。ただ、働き方の面では前職との違いを強く感じましたね。
前職は、終電を気にせず深夜まで働くようなスタイルが当たり前の環境でした。それと比べると、LegalOnは時間の使い方における裁量が大きく、自分でコントロールできる余地が広いと感じました。マネジメントの面でも、前職は1時間単位で行動報告を行うようなカルチャーだったのですが、LegalOnにはそうした細かい管理の仕組みがありません。裁量が大きいということは、裏を返せば、成果へのこだわりや仕組みづくりも自分たち次第だということでもあります。ここに、当時は良い意味での物足りなさを感じました。
—そこから、どのように組織を変えていったのでしょうか。
会社が掲げている目標はとても高いんです。社長の角田が掲げる目標は、正直なところかなり背伸びした水準だと思っています(笑)。それなのに、現場の行動量がその目標に対してまだ伸ばせる余地があるように見えました。高い目標を追いたいという気持ちは自分も強く共感していたからこそ、目標に見合う行動量・解像度をチームとしてつくっていきたいと思うようになったんです。
具体的にやったのは、大きく2つです。1つは、目標達成に向けたプランニングを、メンバー単位でより細かく行うようにしたこと。月次の目標を週次・日次まで分解し、「今週このペースで動けば着地はこうなる」という解像度で会話できる状態をつくりました。
もう1つは、案件を細かくモニタリングする仕組みをつくったことです。商談が終わったあとに上司とすり合わせて、今後の進め方や、お客様側の役割、そして懸念点をどう解消していくかを、日次で確認していく。これは、自分が入社した時点ではこの会社になかった文化で、自分でつくったものです。最初は「毎日やるのは負担が大きいのでは」という声もありましたが、続けるうちに「案件が止まる前に手が打てるようになった」という実感がメンバーの間に広がり、今では組織の当たり前の動きになっています。
こうして自分の担当領域だけでなく、チーム全体の成果につながる動きを重ねていったことが、フィールドセールスマネージャー、そしてアカウントセールスヘッドという役割を任せてもらえた背景にあると思っています。
—メンバー一人ひとりのモチベーションは、どのように高めていますか。
大きく2つの軸でアプローチしています。1つは「使命感」、もう1つは「キャリア」です。
使命感の軸で言うと、「数字を上げるために頑張ろう」と言うだけでは、正直あまり響かないんですよね。だから、自分たちの営業組織がこの会社の売上を牽引しているんだ、というコミュニケーションを意識しています。個人単位で完結してしまうと、自分の頑張りが自分にしか影響しない話になってしまう。そうではなく、自分たち一人ひとりがこの組織を引っ張っていくんだ、という話をするようにしています。
もう1つのキャリアの軸では、ここで頑張ることでどんな未来が待っているかを、できるだけ具体的に伝えるようにしています。このタイミングでこのポジションに就けば、次はこういうポジションを狙えるはずだ、というように。頑張った先にどんな景色があるのかを言語化することを意識していますね。伝えるタイミングも大事で、定期的に発信することに加えて、個人の様子を見ていて少しモチベーションが落ちているなと感じた瞬間には、個別に声をかけるようにしています。
勝つことへのこだわりを、チームの強さに変える
—現在、どのようなお客様と向き合っていて、案件を進めるうえで難しさを感じるのはどんなときですか。
企業規模で言うと、社員数1名の企業から900名規模の企業まで、かなり幅広いです。業界もユニークで、一般企業はもちろん、医療法人(病院)や学校法人(大学)なども対象になります。官公庁や行政系の組織についても、以前はご提案が難しかった領域が、徐々にデジタル化への機運が高まる中で商談できるようになってきています。
こうして幅広い層のお客様と向き合う中で、個人として案件を進めるだけであれば、実はそれほど難しくありません。想定の範囲内で進むことがほとんどです。難しくなるのは、そこに「メンバー」という変数が加わったときです。お客様とメンバーの相性が合わないケースもありますし、そこにさらにリーダーが間に入ると、より複雑になります。全案件を同じ濃度で見ることは物理的にできないので、事業へのインパクトが大きい案件を優先して深く入る。そうやって関わり方に濃淡をつけています。
—やりがいを感じるのは、どんな瞬間ですか。特に印象に残っている案件があれば教えてください。
お客様から「導入してよかった」と言っていただけるのはもちろん嬉しいのですが、正直に言うと、それだけではありません。自分はもともと勝ち負けにこだわるタイプで、他社の営業担当に競り勝ったときに、一番おもしろさを感じます。
特に印象に残っているのは、競合製品の稟議がほぼ決まっていた案件を、ひっくり返せたことです。インサイドセールスのメンバーが電話をかけたところ、「契約書管理の検討はもう終わっていて、いま導入中なので不要です」と言われてしまったんです。ただ、話を聞くと、審査(レビュー)の部分については触れられていなかった。契約書は、審査して終わりではなく、締結後にどう管理していくかまで含めて初めて業務が回ります。管理だけを導入しても、審査のフローが整っていなければ、結局どこかで手間が残ってしまう。そこで「レビューの機能だけでもお話しさせてください」とアポイントを取ってもらい、訪問の場で「審査と管理は両輪なので、セットで整えておくと安心ですよ」とお伝えしました。そこから改めて検討が始まり、最終的には受注につながりました。決裁が下りる直前まで進んでいた競合案件を、審査という一点の切り口から巻き返せたのは、自分としても手応えの大きい案件でした。
—成果を出しているメンバーには、どんな共通点がありますか?勝ちにこだわる個人が集まる組織は、まとまりに欠けそうにも思えますが、両立できるものなのでしょうか。
成果を出しているメンバーとして一番は、勝つことへのこだわりが強いことだと思います。一番になりたいと思っている人と、この辺りでいいと思っている人とでは、成長のスピードがまったく違います。成果を出している人と出していない人の違いも、結局そこに集約されている印象があります。もう1つは、同じミスを繰り返さないこと。改善に対するこだわりが強い人ほど、フィードバックへの反応も速いです。「ここを直した方がいい」と伝えると、その日のうちに次の商談で試してみる。そういう人ほど成果が出ていますね。
こうした個人の勝負師気質と、チームとしての一体感は、対立するものではないと思っています。ここには、先ほどお話しした「使命感」の伝え方と、「案件確認」という仕組みの2つが関係しています。自分の頑張りが自分だけでなく組織全体に影響するという実感を持ってもらうこと、そして日次の案件確認を通じて、個人の勝負を組織として支え合う構造をつくること。この2つによって、勝つことへのこだわりが強い人ほど、チームの目標達成にも強くコミットしてくれる状態をつくれています。この組織では、個人の勝負師気質とチームの一体感は、掛け算になっていると感じています。
AI活用で生まれた時間を、次の成長に投資する
—AI活用が全社で推進されていますが、アカウントセールスの組織ではどのように取り入れていて、今後どう発展させていきたいと考えていますか。
商談前の準備については、チームで構築した仕組みがあります。日次で、その日商談を控えているメンバーの準備内容がSlackの共有チャンネルに自動で投稿されるようになっていて、誰がどんな準備をしているのか、リーダーもメンバー自身もすぐに把握できる状態です。個人としても、GeminiやClaudeのようなAIツールを使いながら、事前準備や議事録作成を効率化しています。
導入前後で生産性は大きく変わりました。事前準備はかなり楽になりましたし、以前は商談中の会話を手作業で細かくメモしながら議事録を作っていたのですが、今は商談が終わればすぐに形になっている状態です。こうして生まれた時間を、以前は手薄になりがちだったロープレや案件確認に充てられるようになったことが、一番の変化だと感じています。
今後は、案件のモニタリング業務も、もう少しAIで自動化していきたいと思っています。今は案件確認を日次で行う分、リーダーが目を通す情報量もそれなりに多くなっています。ここをAIが一次チェックしてくれるようになれば、リーダーは本来の役割である個人としてのパフォーマンス発揮や、新人育成にもっと時間を使えるようになるはずです。リーダーは、個人としてのパフォーマンスが高いからこそリーダーになっている人たちです。その強みをマネジメント業務に埋もれさせず、最大限発揮できる環境をつくっていきたいですね。
—こうしたAI活用も含め、LegalOn Technologiesのアカウントセールスで経験を積むと、どのような営業になれると思いますか。
うちの組織の一番の強みは、目標に対するコミットメントの高さだと思っています。ここまで目標に向き合っている営業組織は、そう多くないんじゃないかと感じるくらいです。
身につく力は、マインドとスキルの両方があります。マインドの面では、目標への向き合い方そのもの。スキルの面では、目標を達成するために何をすべきかを逆算して考える、プランニング能力が鍛えられると思います。
もう一つ挙げるなら、先ほどお話ししたAIへの感度の高さです。世の中の変化に対して敏感に反応し、すぐに行動に落とし込む文化がある。この感度とスピード感は、うちならではの環境で磨かれる力だと思っています。目標へのコミットメント、プランニング能力、そしてAIへの感度。この3つは、営業職に限らずどんな環境でも通用する力だと思っています。
何かを成し遂げたい人が、勝ち続けられる組織でありたい
——最後に、この記事を読んでいる方へメッセージをお願いします。
私が一番大切にしているのは、何かを成し遂げたいという強い気持ちがある人かどうかです。それがあれば、日々の営業活動を頑張る理由になると思っています。
スキルは、正直なところ後からでも身につけられます。学ぶ機会がなかっただけで知らない、というケースがほとんどなので、そこは評価できると思っています。ただ、マインドがない人に営業を任せるのは難しい。マインドは、これまでの生き方や価値観に依存する部分が大きく、なかなか変えられないんです。だからこそ、入社時点で重視するのはマインドと、最低限のスキルです。スキルはあるに越したことはありませんが、なくても何とかなる、という感覚があります。
営業という仕事は、正解が決まっているものではありません。だからこそ、自分なりのやり方で結果を出したときの手応えは、何ものにも代えがたいものがあります。うちのチームには、そういう「勝ち方」を追求できる環境があります。遠慮せずに勝ちを目指せる。そして自分の勝ちが、チームの成長にもつながっていく。日々の案件確認や振り返りを積み重ねる中で、個人としても、チームとしても勝ち続けられる。そんな環境を、これからもつくっていきたいと思っています。
そんな手応えを求めている方は、ぜひ一度話を聞きに来てください!