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Japan IT Weeknに参加しました!

昨日、会社に届いた招待状を使って、Japan IT Weekに参加させていただきました。折角なので、ここで感じたことを公開したいと思います。

目次はこんな感じです。

-始めに

-背景

-ユーザーの行動分析

-機械学習

-クラウドコンピューティング

始めに

今回、アクシスに届いた招待状を使わせていただくことでJapan IT Weekに参加することができました。講演会で強く印象に残ったのは、通販ソリューション展特別講演会2で何度も出てきたパーソナライズという単語でした。アプリやサイト上でのユーザーの行動のデータ化、それらを機械学習によって分析するという一連の流れが今後太くなっていくことが感じられましたので今回のレポートはそのような視点でまとめました。ご指摘ご感想をいただければ幸いです。

講演会を入れられるだけ入れてしまったので展示会は詳しく見ることができませんでしたが、兼ねてより興味のあったVRを始めとし、いくつかの興味深い展示会で話を聞くことができました。専門性が高く、多くは理解できませんでしたので今後一層勉強に励みたいと思います。貴重な勉強の機会をいただけたことに感謝です。

背景

商品のレコメンド機能は10年以上前からAmazonなどのECサイトで用いられてきた。特に本や映画などユーザーの嗜好が読み取りやすい領域では成功していた。しかしECの一般化に伴い日用品や食料品ではこれらのレコメンド機能がそれほど大きな効果を上げられていないことがわかった。

一時期前にビッグデータが話題に上ったが、その段階ではそれらの膨大なデータを人間が主導して取り扱っていた。大量のデータの分類自体はコンピューターが担うようになったが、どのような基準で分類するかという判断自体はデータアナリストが行っていた。そのため人間特有の基準での判断の枠に囚われることや単純に処理能力の限界があることからビッグデータを十全に活かし切ることができていなかった。

だが機械学習の手法が進展し教師なし学習が実現した。これによりコンピューター自身がデータをクラスタ化することが可能となった。新たなレベルの機械学習とあわせることでビッグデータの新価が発揮されることが期待されている。

ユーザーの行動分析

ECサイトにおけるコモディティの取り扱いにより、書籍や映画などの領域で効果をあげられていた従来のレコメンド機能では対応できない事例が増加した。このことからより詳細なユーザー分析が求められるようになった。

ユーザー側の視点から見れば、多くのアプリやサイトを使うことができるようになったため、選択の幅が急増した。すなわち、市場においてユーザーの選択権が強くなったといえる。企業はこれまで以上にユーザーに積極的にアピールをする必要が生まれ、広告やSEO対策の技術が進歩してきた。しかし未だコンバージョンレートは3%に満たないサイトが多い。そこで生まれた概念がWEB接客であった。

WEB接客ではサイト上でのユーザーの行動に応じたサービスが提供される。たとえば複数商品で迷っているユーザーに対しては商品の比較ページを提案したり、特定のブランドのページばかり見ているユーザーにはそのブランドの新作を紹介したりするなどである。まさに実店舗の店員が行うような接客がWEBにおいても必要となってきており、実際に大きな効果をあげている。SEOや広告などサイト流入前の段階の技術は一定レベルまで成熟しており、今後飛躍的な効果は見込めない。しかしまだ対応が不十分なWEB接客は企業にとって費用対効果が大きい領域となるだろう。

このような個客中心的な対応、すなわちパーソナライズな対応を行うにはユーザーの行動分析が不可欠となってくる。これまでの行動分析ではクリック数や購買履歴などの収集しやすく、同時に人間が分析しやすい結果が着目されていた。しかしより詳細な分析を行うためにマウスカーソルの移動や閲覧時間などといった情報も重要視されるようになってきた。機械学習の進化に伴い、これまで蓄積してきた膨大なビッグデータが活用され始めている。またこれまでは分析しきれなかったデータにも価値が生まれることが期待される。あらゆる個人情報や行動データは収集できるだけ収集し、機械学習に投げるのがいいのだろう。何が有用な指標となるかはコンピューターが判断する。

前述したようにユーザーにとっては選択の自由が広がったが、これにより情報が氾濫しすぎて選択に時間と労力がかかるようになった。今後はまさにコンシェルジュのようなサポートが求められるのだろう。もっと言えば人間が余計なことに頭を使わず快適に過ごせるサービスが求められている。受信メールの内容を読み取り自動で返信メールを作成するプログラムが生まれたのもそういった背景からであろう。

機械学習

背景で述べたようにこれまではデータアナリストに任せるところが大きかった。教師あり学習では結局のところ人間がいかに絶妙な評価軸を設定するかが課題だった。すなわち人間のセンスによって分析を行っていたのだが、この手法には限界があった。特に処理能力の問題でせっかくのビッグデータを活かしきれていなかった。他にも人間であるがゆえに見つけられない共通項も潜在的に考えられた。機械学習、特に教師なし機械学習の発展により、あらゆる特徴量の抽出が可能になった。今まで考えられなかった、そもそも我々の概念にない括りでのクラスタ化ができる。これを購買行動と結びつけることで(こちらも機械学習によりクラスタ化されている)、人間の想像の及ばない領域でビッグデータを活用できるようになった。

加えてGoogleのAlpha Goの成功もこれからの機械学習の先を照らす結果となった。これまで機械学習は音声や画像などのフーリエ変換しやすいものとの親和性が高かった一方で、それら以外への適用が難しいと考えられてきた。Alpha Goは画像認識を用いて本質的には画像ではない情報を処理することに成功したという点で画期的であった。これはたとえば、ユーザーの行動などもヒートマッピングなどを用いて画像化することによって機械学習を適用することができるという新たな可能性を示唆した。

クラウドコンピューティング

機械学習が一段階壁を越えたことでビッグデータが再度脚光を浴びることとなった。Googleをはじめとした企業が大量のクラウドストレージを安価あるいは無料で提供しているのもこれまで以上にデータの価値を評価しているからであろう。同様にGoogleは機械学習システムTensorFlowを、そしてAmazonはDSSTNEを気前よく公開している。機械学習は使われれば使われるほどに有用になるからである。これまでGoogleは検索を、FacebookはSNS機能を無償で提供する代わりに、そこに集まる人々を対象とした広告で収益を得ていた。今後はビッグデータや機械学習を提供することで、より集まったデータやより洗練されたAIを用いて収益を生んでいくのだろう。そして一度情報が集約し始めると、後続は当然既に情報や技術がある程度蓄えられたものを選択する。すなわち、機械学習の洗練化や再度高まるビッグデータの収集において、走り出しに成功した企業が加速度的に加速すると考えられる。言い換えれば新規参入の難しい業界となり、いずれは統合を繰り返し寡占市場となるのではないだろうかと予想される。

また、これらの企業に先導される形でネットワークやストレージの仮想化も広く普及し始めている。多くの企業は自社の中で散らばっていたあらゆるデータをクラウドで一元管理する必要性をこれまで以上に認識し始めている。自社内の在庫や社員の情報が集約されていないことにより生じるコストが、新たな技術を用いることで大幅に削減することが可能だからである。また各企業がこれまで蓄積してきたナレッジは機械学習を利用することでさらに有用な武器へとなり得る。逆に機械学習を提供する企業としてもこのナレッジはぜひとも手に入れたいものである。実際の市場のデータを持っている企業と、それを分析する技術をもった企業、両社が協力することで初めてお互いが大きな利益を得られるのだ。

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