儲かってない会社が社会貢献って、ダサい。~ITの力で世界をニコニコに! 10周年を迎えた、株式会社ニコシス社長・窪田大輔の想い。【前編】

「こんなに自由な企業があるのか」。

インタビュー依頼をいただいた際、率直に抱いた感想だ。株式会社ニコシスの、ここ1年はそれほど目まぐるしい。


TEDxKyoto 2018へのシステムサポート

「BUSINESS to NPO World 2019」スポンサード・ピッチ

日本初となる「寄付付き名刺」の配布

(NPOサポートセンターとのタイアップ)

●それらの想いを乗せた企業ロゴ刷新

●世界一のプレゼンター吉藤智広氏を起用した

会社概要の完全デジタルプレゼンツール化

「別冊カドカワ」広告出稿(RADWIMPS×天気の子とのコラボ)

カドカワx昭和音楽大学xACPC「楽演祭」

 システムサポート(スポンサード) ……


もちろんその間、本業であるシステム開発・ITコンサルティングなどの仕事はすべて通常どおり走っている。2019年11月現在、約30名。決して大所帯ではない会社が、これほど精力的に社外活動を行なっているケースはそう多くないだろう。

こうした会社の性格には、代表取締役・窪田大輔氏のキャラクターが色濃く反映されている。そこで今回、「BUSINESS to NPO World 2019」へのピッチ登壇前後で窪田氏にインタビューを敢行した。


儲かっていないのに、社会貢献はできない

――まずは、「BUSINESS to NPO World 2019」のスポンサードを決めた経緯について伺えれば幸いです。

窪田 会社の規模が少しずつ大きくなり、社会性を無視できない大手企業様との付き合いも増えてきました。その中で、ベンチャーである弊社ができることの一つは「NPO法人へのサポート」だと考えたんです。

NPOサポートセンター様は、まさにそうした事業を営んでいる団体。支援させていただくことで、その目標に寄与できるのではないかと考えました。

株式会社の存在意義は、社会に対して付加価値を創造すること。弊社のような事業形態なら、ハンディキャップがある方でも取り組んでいただける部分があります。

また、NPOと株式会社は税制面で多少違いがあるだけで、「社会に対してプラスをもたらす」という目的においては変わらないと思うんです。お話をいただいた際は、即決でしたね。

――このイベントに限らず、様々な施策を展開しておられます。

窪田 軸としては社会貢献であり、事業を通じて得た儲けを社会に一部還元させていただくという思想です。

ただ、身も蓋もない言い方ですが、これは「儲かりつつあるから」できることで。儲かっていない会社が社会貢献とか言っても、ダサいと思うんですよね。

儲かっていないということは、従業員を幸せにできていないということであり。周囲の人を幸せにしないうちは、社会貢献云々というのは違うと思うんです。

売上の70パーセントは、社員に還元します。

――ニコシスさんの社員には、窪田さんより給与が高い方が何人もいるそうですね。

窪田 そうですね、そこにはいろいろ理由があって。多くの会社は従業員の頑張りに対して、給与という形で還元しないことが多いと思うんです。せめて、一社ぐらい従業員が一番ハッピーになる会社があってもいいと思って。

「自分が社長じゃなかったら、ここに入って働きたい」。そういう会社を作りたい。ここ5年ぐらい、それをテーマにやってきました。

設立当時は「会社にお金は残さない」「会社は人が創る」というテーマで、毎期決算で利益ゼロ円でやっていこうとさえしていました。それだと見栄えがよくないので、さすがに現在はやっていないですが。

――還元するための施策は、例えばどういうものがありますか?

窪田 弊社は、自分の売上を自分で決めてもらい、その70パーセントを給与として支給しています。この業界って割と単価をボカすことが多いのですが、弊社は「あなたの売上はこの額です」と社内ポータルにも出しています。明朗で、透明性の高い仕組みになっていると思います。

――すごいですね。会社に残すのは30パーセント以下と。

窪田 現状、毎月の給与が売上の50パーセント、賞与は売上の20パーセント、経費枠は売上の3パーセントです。(賞与は6月と12月の年2回)そして、社保完備なので、エンジニアの稼働が100パーセントだった場合、12パーセントが1社員の売上から会社に還元される売上で、ここから固定費と間接費を賄っています。

――ちょっと聞かないぐらい、社員寄りの施策ですね。

窪田 人数が増えれば固定費の割合は落ちるので、その分も従業員に還元していこうという考えですね。90パーセントを還元できれば「いい会社」と言えるんじゃないでしょうか。

最終的には、会社の運営費の割合を10パーセントにしたいです。この業界だと、大手SIerとか大きな会社の基準で行くと当期純利益は3パーセントとか5パーセントだったりするんです。じゃあ、10パーセントなら回せないことはない。規模が大きくなればの話ですし、できるかどうかはわかりませんが。

全体で今、73パーセントを還元していますが、90パーセントの還元率までにすると、社保絡めるともっと利益は出なくなりますが、90パーセント還元を目標にしています。


なぜニコシスはグローバル展開するのか?

――御社は、社員に外国人の割合が多いとか。

窪田 そうですね。東京オフィスだと、外国人が半数ぐらいです。国籍の内訳はベトナム、アメリカ、スペインです。フランスの子もいましたが、今はこの3カ国です。技術力さえあれば、日本語が話せなくても採用を進めています。

単純な話ですが、日本語だけだとマーケットは1億2,000万人。でも、世界のマーケットは60億、70億人です。そのマーケットから人を集めるほうが効率はいいよね、という考え方ですね。

全員英語ができるので、必然的に英語圏のマーケットにアプローチしたほうがラク。日本のマーケットって、日本語ができないといけないドメスティックな環境なので。

――加えて、日本の仕事は単価も下がってきています。

窪田 そうです。そうなると、海外の物価の高いエリアに仕事を取りに行ったほうがいい。そう考えたとき、日本に来てくれる方へのキャリアプランはすごく描きやすくなったんですね。

これまでは日本語のカベがあって、日本語がこれぐらいできないとマネージャーになれないという規定がありました。でも海外展開がメインになれば、好きなところをやってもらう考えになりました。

日本の仕事をしたいならやればいいし、海外の仕事をやりたいなら日本人であってもやればいい。どちらのプランも成り立っています。

――めちゃくちゃ面白いです。

窪田 日本ってご飯が美味しいし、温泉もある。住むにはいい環境だと思います。ただ、仕事をするのに良いマーケットかというと違うなと。

そうであれば、ロケーション考えず自由な場所でやれるのがITのメリットですし、そういう感覚を持ちながらニコシスのコアバリューを伝えていければと思っています。

立ち上げ半年間、役員報酬はゼロでした(笑)

窪田 とはいえ、最初からこういう会社だったわけではないですよ。特に立ち上げ期はかなり過激に出費して、半年間役員報酬がゼロということがありました。

――半年間も!

窪田 ベトナムに進出するために海外でイベントをやって、クリエイター支援するためにいろいろな投資をしたんですね

結果、ベトナムの政府関係者とも仲良くなれて、「もっとやれそうだ」と手応えを得たんです。ただ、やっぱりウチの規模感とは全然合わなくて。そこでやりすぎた経験から、会社を安定させる必要性を痛感して今の流れになっています。

ちなみに、当時の役員には「悪いけど、役員全員ゼロにしてくれ」とお願いして。「わかった、そうしよう」となって、半年ゼロになりました。

――「わかった、そうしよう」となる役員の方々もすごい。皆さんその間は、別のことでお金を稼いだんですね。

窪田 そうです。もちろん従業員の給料だけは支払いました。今だから言えますが、半年ですんでよかったです(苦笑)。

やっぱり、事業は勝ちパターンが見えないことに手を付けちゃいけないですね。「これで失敗するならバカだろ」と言えるぐらい、勝ちパターンにハメていくことが大事。やったことがないことは手を出さないか、得意な人にやってもらうことだと思います。


TEDxKyotoをサポートした、「ヨード卵・光」理論?

――ニコシスさんといえば、昨年開催のTEDxKyoto2018への出資も話題になりました。

窪田 経緯としては、知り合いにTEDxKyotoを立ち上げたメンバーがいたご縁ですね。ご承知のとおり、弊社はGoogleやMicrosoftやAppleではないので、何かわかりやすいものがほしいとなって。僕は「ヨード卵・光理論」と呼んでいるのですが。

――「ヨード卵・光理論」?

窪田 はい(笑)。同製品の販売元である日本農産工業株式会社さんの全体売上の中で、「ヨード卵・光」の売上って実は1パーセント程度なんですよ。

――初めて知りました!

窪田 ですよね? ほとんどの方は、売上の幅までは知らないと思います。でも、多くの方が「ヨード卵・光の会社」という認知をしてくれているわけですよね。

同じように、TEDxKyotoをスポンサードすることで「ニコシスは、TEDxKyotoをシステムサポートした会社」と覚えてもらいやすくなります。アンケートをとれるような簡単なプラットフォームを作って、内部で自由に使ってもらえるようにしました。

今回の「BUSINESS to NPO World 2019」は、教育や社会問題をどう解決していくかという人たちが集まっている会合です。お話したように弊社はグローバル展開し、ダイバーシティを持ちつつ、一つのチームでバリューを出していく会社になっています。

大きな会社じゃないので、テレビCMでバーンと行けるわけではないですが、できる範囲のことを精一杯やっていくことで活路は見出せるのかなと思います。

<続く>

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