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ダイレクトソーシング 成功のメソッド

前回の記事では、

新オフィスへ絶賛移転中! | 株式会社オープンロジ's Blog
月曜日からいつもの慌ただしさが戻ってきました。今年のゴールデンウィークは最大9日間という良い並びも関係し、ゆっくりできた方も多いと思います。一方で、ここ最近「働き方改革」の影響もあり、休暇が分散...
https://www.wantedly.com/companies/openlogi/post_articles/61721

絶賛移転中!ということでしたが、もう少しかかりそうなので(汗)、間が空いているので、よく相談を受ける採用について書きたいと思います。


私は今までグローバルで何十万人もいる会社で人事、特に採用の仕事をやってきました。

私が在籍した会社はコストに厳しく、使えるお金なんてほとんどないのに年間数百名の採用するわ、限られた人員であってもオペレーションは自分たちで回すわ、何より日本の採用市場にあっていないグローバル共通の管理システムを利用しなきゃならないわで、ここに書けないほど大変な環境下でやってきました。

その中でも一番大変だったことは、人材紹介会社をほとんど使うことができなかったことです。

日本においては、(特に経験者や即戦力の採用に関しては)人材紹介会社を使うことが主流。優秀なヘッドハンターを味方につけることが、採用の成功へ導くといっても過言ではありません。それが使うことができないとなると、どうやったら採用ができるのかを無い知恵を絞り出して、今でいうダイレクトリクルーティングやリファラル採用に取り組みました。

そう、それは今から8-9年前くらいのことです。


なぜ人材紹介会社を使うことができないのか?

日本の成功報酬費用が、海外に比べてあまりにも高いということは前提としてあります。年収の30-35%も払っているのは日本だけです。ただ、コストを減らすというのは二次的なもので、理由は別にあります。

人材紹介会社に仕事を丸投げするだけなら、あなたがいる価値があるのか?」ということ。

よく海外の偉い人から言われました。

そんなこと言っても日本は...というのは通じません。そうなると、逆転の発想でどうやったら人材紹介会社を使わないで採用を実現するかの一点突破になるわけです。

日本では、人材紹介会社を用いた採用手法が一般的とはいえ、実際に転職で人材紹介会社を使うのは大体「30-40%」と言われています。であるならば、残りの「60-70%」はまだ開拓されていない市場で、そこを攻めていけば今までとは違う層の優秀な候補者と出会える可能性が高まり、結果としてコストも減らすことができる、そう思うようになりました。


試行錯誤する中で見えてきたメリット

もうこうなったらやるしかない!ということで、いざ直接候補者の方とコンタクトをとってみると、いくつか思いもよらない変化が起こってきました。具体的には、

 ・他社も応募している

 ・誤った情報を持っている

が、今までの採用プロセスと比較すると劇的に減りました。

人材紹介会社を通じて転職をする方の場合、エグゼクティブサーチを除き、キャリアアドバイザー、キャリアコンサルタントという立ち位置上、いくつかのキャリアの可能性を提示し、その上で面接に行かせ、最後は候補者に選ばせるというプロセスになりがちです。

ただ、ダイレクトに候補者とコンタクトをとると、選択肢が「自社に残る」になるため、競合がなく、転職をするか自社に残るかの二択になります。人材紹介会社の担当者から、選考スピードを早めるよう急かされたりすることもなければ、数千円単位の小さな給与交渉もなくなりました。

また、直接情報を伝えられることで、候補者の期待値を調整することができ、最初に自分があったときの会社の印象は劇的に改善したこと、また、転職の意向に関わらずお会いしたことで、数年後に連絡をくれて入社してくれたり、業務上でアライアンスに繋がったこともありました。


ただし、残る大問題

非常に良いことづくしのように見えますが、大きな問題が残っています。

それは「工数をどうやって確保するか」です。

転職に関する広告を見ない日がないくらい、街、電車、PC、スマホ等々で目にします。そのくらい候補者の獲得はコストがかかるということだと思いますが、自分で探して、自分で説得して...、となると時間はかかるし、そんな暇がないというのが多くの人事の実情でしょう。なぜなら、これは今まで人材紹介会社の方がやってくれていたからであり、追加の業務になるからです。

どれだけ優れたものであったとしても、工数が確保できないようであれば絵に描いた餅。

実際に、オープンロジでも私一人でダイレクトソーシングをやっているため、工数は限られていますし、スタートアップなので、採用の仕事だけしていればいいというわけではありません。

正直大変です。スキマ時間をうまく見つけてコツコツとやっていますが、圧倒的に生産性を高め、リクルーターとしての能力を高めることができないなら、多少コストがかかったとしても、信頼できる人材紹介会社に任せた方がいいと思います。


成功させるメソッド

さて、

少し昔話もいれつつ書いてきましたが、前提として、応募数は圧倒的に減るかもしれませんが、応募以降のプロセスは改善するということを理解した上で、ダイレクトソーシングを成功させるためには、

 ・他社の成功事例を鵜呑みにせず、自分で使って、自社に合うサービスを選定する

 ・営業と同じと思わず、採用を成功させるためには数をこなすという発想をやめる

の二つが非常に大切です。


最近は、ダイレクトソーシングのノウハウが至るところで公開されており、すぐにでも導入したいと思わせる手法を学ぶことができます。一方、他社での成功が、そのまま自社に応用できるわけではありません。私自身、複数社で人事をやりましたが、結果的に全て違う手法でやっています。

Wantedlyなどを使うことを考えるわけですが、各社の営業から提案されたサービスや内容を鵜呑みにして、むやみやたらに飛びつくのではなく、実際にDBから候補者をみて、自社に合いそうかを判断する必要があります。これは感覚値にはなりますが、検索条件から10名程度抽出して見てみれば、自社に合うかどうかは判断できると思います。

そして、もう一つ大事なことは、自分でサービスをユーザーとして使って、サービスの内容を知り尽くすことです。どんな会社からスカウトが来るのか、経歴を見てスカウトしているのか、メールが一日何十通も届くのか、迷惑フォルダに振り分けられていないか...等々。実際に使ってみることで、候補者目線に立った、より精度の高いスカウトを送ることができます(「オプションでスカウト○○通を無料でつけておきました」とか営業から来たら要注意です。他社にも同じトークで、データベースが荒れている可能性が高いからです)。


また、「採用は営業と同じだ!」と、1名採用するためには、2名オファー出して、5名最終面接して、だからこちらからは500名にアプローチしなければならない、、、みたいな勘違いしている方も多いと思いますが、いくら母集団を作っても、採用につながらなければ意味がありません。

いきなり質を求めていても検証するためのデータを取ることができないので、最初は大量にアプローチしてみてというのは大切ですが、せっかく応募してもらって落ちる人を増やしても、あまり意味はないのです。


極論すれば、候補者にスカウトをするのは手法の一つに過ぎず、例えば、Wantedlyが自社にすごくあっていて、職種タイトル変えたり、任意のキーワードを設定することで採用できるなら、それが忙しい人事にとっては一番です。採用活動自体を「攻め」る必要はありますが、転職サイトでスカウトメールをたくさん送ることだけが攻めることではありません。


採用のご相談、カジュアルにあって話をしたい方は、いつでもお待ちしております。

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