ここ数日、フルリモートの組織設計について真剣に考えている。
・フルリモートの営業組織のポイント
・採用ペルソナ
・求人内容
・面接質問
・面接評価
・オンボーディング
・組織運営ルール
・チーム制度
・階級制度と昇格条件
などなど・・・
正直、フルリモートは難易度がかなり高い。
こちらからは管理できないので、日々の過ごし方や自己管理能力など、かなりその人のレベルに依存する。
極端な話、センスが無くて頭が悪い人が間違った努力をしていてもなかなかこちら側は気付けないし、本人からしたら頑張ってるのに。となってしまう。
だからオフラインよりも、かなりコミュニケーションにこだわる必要がある。
フルリモートで上手く回っている会社の代表に考え方やノウハウを聞いたり、海外の事例などをリサーチしてインプットしたりしているのだが、上手くいくパターンと失敗するパターンの共通点が見えてきた。
すでにフルリモートの組織運営に挑戦している社長として、葛藤や経験も加え、フルリモート組織運営をするために必要なことを簡単にまとめていく。
人材の採用要件については、今いる社内のメンバーにも求めていく基準なので心して読んでほしい。
私は、今いるメンバーのためだけに会社を作るつもりは全くもってない。
好きな人間と、好きなことをする。
それが私にとっては、
やる気があって成果に拘り続けられるプロ達と、仕事を通して進化し続ける
ということだ。
やる気がない、基準が甘い、毎日他責で愚痴ばかり言って死んだように生きている。自分の努力ばかり主張して成果を出さない。
私は、そういう人間と働き続ける人生が嫌だから起業した。
なので私は誰よりも進化し続けなければいけないし、それについて来れる人が私にとっての仲間だ。
会社の目的や目指す方向性、作っていくカルチャーにフィットする人が残ってくれれば良いと考えている。
もちろん見捨てるつもりはない。指導はしていく。
ただし、指導をちゃんと真剣に受け取り改める姿勢がある人だけだ。
何かを捨てて、本気で変わろうとしない人間に時間や労力を割くつもりはない。
会社員時代、心が折れた瞬間を今でも明確に覚えている。
リーダーになるための超大変な研修の途中で、上長と1on1をした際に言われた言葉だ。
「石崎は、やる気がある人も、やる気がない人も、仕事ができる人も仕事ができない人も全員に寄り添って指導していく人間にならなければいけない」
これを言われた時に本当に文字通り、ポキっと心が折れた音が聞こえた。
やる気がない、頑張らない、変わる気がない。基準値が低い。
平等や権利や自らの幸福ばかりを主張して、大した努力をしない。
大声で正論ばかり言って、何も行動しない。
そういう人間に、自分の人生という有限な時間を使いたくない。
それは俺が生きたい人生じゃない。
と思った。
とはいえ、こういうのは信仰している宗教が違うだけで、何が正解とか間違いとかはない。
大企業という立場で考えれば、どんな人でも公平に導いていくリーダーという生き方を私へ求めるのは至極当然のことだ。
ただ、私にはその環境が向いていなかっただけだ。
ミニマルに田舎で平和にひっそり暮らすとか、なるべく頑張らずにダラダラ生きるとか、都心で欲を掻き立てて仕事第一で生きるとか、人の数だけ正解はある。
ただし、資本主義というルールは全員に共通としてあるわけで、自分が好きな生き方をしていて、それが資本主義の中で報われるかどうかはまた話が別だ。
そして、今も私は大企業を作りたいとかは全く思わない。
少数精鋭で、成果に応じた報酬が得られる
所属する全員が自由=責任を理解し、役割を全うする
全員で無駄を省いてできた時間を各々が自己成長や本来の幸福に注ぐ
そんな会社にしたいと考えている。
その手段の一つとして、フルリモートという選択をした。
私と同じような考え方の人がどれだけいるかは分からないが、ここからはフルリモートの営業組織設計について話していく。
フルリモの営業組織設計
まず成功している会社を見た時に共通している点は、
「リモートでも自由にやっていいよ」ではなく、ドキュメント・KPI・責任・オンボーディング・コミュニケーション設計がかなり細かくある
ということだった。
自社用だが、やるべきことを項目別に言語化したものを公開しておく。
- 成果・活動・品質が全部見える化されている
・商談数
・成約率
・アポ単価
・失注理由
・録画レビュー
・コンプラ違反
これらがコックピットのメーターのように常にリアルタイムで見えている状態を作ることが重要 - 営業の型やルールなどがドキュメント化されている
・個人間で口頭で伝えている内容をとにかく0に近づける
具体的にはハンドブック・プレイブック・FAQ・録画ライブラリ・教育動画ライブラリなどを作成し教育体制を整える必要がある。
リモート組織では、誰に聞けばいいかわからない、口頭でしか伝わっていない、幹部しか知らない、新人が情報に辿り着けない、という状態が一番危険。 - 新人でも何かしらの責任を持たせる
- リモートでは「教えてもらう側」という認識が強い人だと自発的なアクションが取りにくくなり受け身になってしまうので要注意
- 小さな領域でもいいから何かしらの責任者にする
責任感を持たせることで主体的な参加に繋がりやすい
- 採用は未経験大量採用より、自己管理できる経験者を最優先とする
- 特にフルリモート営業では、監視・管理されないとPDCAを正しく回せない、動けない人は厳しい
- 成果に対する責任ルールがあることが重要
プロスポーツ選手のように2軍降格、戦力外通告など能力主義とする - 文章でのビジネスコミュニケーションがちゃんとできる国語力を有していることが重要になる
- 同期コミュニケーションと非同期コミュニケーションを使い分ける
- 朝礼、終礼、1on1、チームMTGなどは同期コミュニケーション
同期コミュニケーションはいわゆる対話型で、スピードや熱量、文化醸成、モチベートに適している。 - ナレッジ共有、案件報告、改善提案は非同期コミュニケーション
非同期コミュニケーションは置き手紙のような形で、メイン業務に深い集中が必要な場合など、それぞれのタイミングで情報を取得できるため適している。 - 非同期コミュニケーションでは全員が絶対にリアクションをする
オフィスで言えば、会議に不参加だったり、上長や職場の仲間からの声かけに無視しているのと同義なので、リアクションしない=仕事を放棄しているということになる。 - 非同期コミュニケーションでは、読解力も重要になる
リアクションをすることが目的になってしまうと、コミュニケーションエラーが多発し、トラブルへと繋がる。リマインドを重ねたり、理解度を測るためのアウトプットを定期的に入れること。
- 朝礼、終礼、1on1、チームMTGなどは同期コミュニケーション
- リーダーは固定役職ではなく、成果と状態で変える
- リモートでは自己規律の難易度からたとえリーダーでも、バランスを崩して成果に波が出ることがある。
しかしリモートだと働いている様子が見えず、マネジメントが難しいので、リーダーの責任を下ろしてでも個人の立て直しに注力してもらう方が心身の健康的にも良い。
リモートでも自己規律をし、成果がぶれない人間は別で固定の階級制度で役割を付与する。
- リモートでは自己規律の難易度からたとえリーダーでも、バランスを崩して成果に波が出ることがある。
- リモートでも孤立させない仕組みを作る
- Slack、Discord、Chatworkで即相談できる環境にする
- 朝会・週次MTG・1on1・終礼などオンラインでも顔を合わせる
- 最低でも数ヶ月に1度はオフラインで顔を合わせる
- 代表が社内の状況や方針、考え方をオンラインで発信する
- 録画、議事録を活用して情報格差をなくす
ざっくりこんな感じだ。
そもそも、「リモートで仕事をする」ということに対してどんな認識を採用しているかが重要で、ただ楽をしたいからリモートが良いという人は適さない。
自己規律、セルフデバッグの能力がないのにも関わらず、自由を求める人は絶対に上手くいかないに決まっている。
自由だからこそパフォーマンスを最大化して成果を出す、という責任を背負える人間がフルリモートで働ける。
偏差値の低い学校ほど校則が厳しくて、偏差値の高い学校ほど校則がほぼなく、服装や髪型も自由なのと同じ道理だろう。
フルリモート向き営業人材
上記を踏まえると社内のルール整備と採用する人材が特に重要だということがわかると思う。
その上で、OuterArtsの文化とフルリモートのインサイドセールスという働き方にマッチする人材を言語化してみた。
優先的に採用する人
- 保険営業など、toCの営業経験者
- 個人向けの不動産売買の営業経験者
- 高単価無形商材の営業経験者
- 人にプレゼンできるくらい自身がお金を注ぎ込んだ趣味がある
- オンラインスクールの購入経験や自己投資の経験がある
- 地方在住の元トップ営業
- 育児/家庭事情で訪問営業を続けられなくなった営業経験者
- 数字に責任を持ち、自己管理、セルフデバッグができる人
- 引きこもってとにかく仕事に打ち込みたい人
採用してはいけない人
- 出社して管理されていないと成果を出せない人
- 外に出ていないと一人でネガティブになる人
- 主体性がなく指示待ちの人
- 自分から情報取りに行ったり相談しに行ったりできない人
- 未達を他責にする人
- テキストコミュニケーションが雑な人
- 顧客情報管理やガナバンスについての意識が低い人
- 手放しに自由だけ欲しがる人
- 録画レビューやフィードバックを嫌がる人
こんな感じで割と明確になったと思う。
結論
今までリモートが故に起きるトラブルや、コミュニケーションエラーに非常に頭を抱えてきたし、その度に「やっぱり営業でオフィスに出社しないって厳しいのか…!?」と葛藤を続けてきた。
真剣にあらゆる事例や上手くいっているところをリサーチした結果、
”誰にでもやさしいフルリモート” ではなく、
”成果で自由を勝ち取るフルリモート” にしなければならない
という結論に至った。
今までを振り返ると正直、弊社はあらゆる点で甘ヤカしすぎていたなと思っている。
というかよく考えたらオフィスがあろうがなかろうが、大人がプロとして働いているんだからルールを厳格に決め、成果に対して厳しく評価するのは当たり前だ。
今、働いてくれている人は上記に則ってルールが増えたり、運営が少し変化する部分もあると思うが、柔軟に変化に適応してほしい。
フルリモートという利点がたくさんある働き方をする以上、全員で今までよりも何段階も気を引き締めて、仕事に邁進していきましょう。