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bosyuで出会った、PS4のUXをつくった男に「ペルソナなんていらない」とか「社会のUX」ってどういうことかきいてきた!

こんにちは!オズビジョンのデザイナー採用担当の不破です。

今回は、デザイナーの採用で、こんなアクションを起こしてみたら、こんな人に会ったよ、っていうお話です。デザイナー採用担当も、デザイナーも、ぜひ読んでみてください。

セミナー行ったその日のうちにbosyu!

いま担当してるクリエイティブディレクターの中途採用が難しすぎて。探してる人になかなかめぐり合えなくて。

もう、出会えない運命なのかな…( = =)って思ってたとき、わらにもすがる思いでコヨーテさんの「欲しい人材が自らやってくる採用イベントの作り方」ってセミナーに行きました。

ざっくりいうと「採用ターゲットに近い方にいろいろ悩みを聞いてペルソナ作って、そのペルソナの悩みを解決するようなイベント作ったらええで!」ってセミナーだったんですが、まんまと影響されて「よっしゃペルソナ作る!」って勢いで、当日の夜にbosyuをつくり、個人のTwitterでよびかけたのでした。


実はbosyuに1人だけ反応があったのが。。。河野さま

このbosyuにたまたま、1件だけ、運よく反応があって、ごはん行くことになったのが、ネオマデザインの河野さまでした。

セミナーが終わってからごはんのアポ成立までが約半日。はやー。
bosyuを告知したときの私の個人Twitterフォロワー数はたったの96人。すくなー。

セミナーとbosyuの連携プレイに加え、お互い神保町勤務!というラッキーまで重なり、とんとん拍子でハンバーグやさんで会ってお話をききました。


河野さまってどんな人?

ざっくりいうと、

・元々は、SONYに新卒でエンジニアとして入社した
・「UXデザイン」の日本語訳が存在しない20年以上前からUI/UXの研究開発をしていた
・PS3やインタラクティブサイネージのアプリケーションの企画と開発リーダーや、PS4の音声UI/UXの企画コンセプトから開発までUIディレクター・プロデューサーを務めていた
・いまは独立してクリエイティブディレクションとか、UX戦略コンサルをしている

…という「UXデザイン」のすんごいキャリアをお持ちの方でした。

事前にポートフォリオサイトみてたはずなのに、あんまりピンときてなかった私は、お話を伺っていく過程でじわじわと、河野さまのキャリアの濃さを理解することになりました。

ネオマデザイン
https://www.neomadesign.jp/
ポートフォリオ
https://www.neomadesign.jp/michi/


河野さまにハンバーグを食べながらきいたお話を、一部ご紹介します~!!
じゃん!!

「ペルソナなんていらない」が半分正解、なワケ

はじめまして!本日は、私の採用ペルソナ作りにご協力ありがとうございます!

はじめまして、河野です。これからを担う若手ではないのですが(笑)こんな私でも良ければ。

ちなみに、UXが流行りだして、世間でペルソナペルソナって言われ過ぎてるから、私がUXの講演するときにあえて「ペルソナなんか不要だ」ってひっくり返してみることもあります。

えっ、今日、ペルソナ作りたかったんですけど、ペルソナっていらないんですか?

だって、いくらペルソナ作っても、わかんないものはわかんない。
そのペルソナがあたるかどうかなんて、わかりっこないから。

UXだけじゃなく、ビジネス全般に言えることですが、100%なんてないんです。
どんなに優秀でMBA持ってる人が集まって考えて設計して「これはぜったい当たる!」「売れる」と社内でGOされたものでも、売れないときは全く売れないんです。

たとえば、(インスタントカメラの)チェキが、デジカメやスマホが普及したあとにこんなに流行るなんて、誰も予想なんてつかなかった。プロダクト設計の初期には「デジタルのカメラに飽きた女子高生」なんてペルソナは想定されてないですよね。

モノの流行って、認知されて、浸透して、そのあと文化になって、勝手に広まっていくときにはじめて起こる。ペルソナは、仮説の答え合わせはできるかもしれないけど、ペルソナをつくったからと言って、ヒットを生む要因にはなりえないものです。

もちろん、必要性も重要性も、ときと場合によってあるので、「ペルソナを作ること」は半分正解で、半分が不正解、っていうスタンスでいます。

なるほど、ペルソナだけにどっぷり頼るのでなく、仮説検証をする一つのツールとして、
アップデートしながら、うまく活用していきたいです

そうですね、その捉え方がよいと思います。

「UXデザイン」っていういいかたが嫌い

河野さまは「UXデザイン」にずっとについてどうおもいますか?

日本で「UX」っていうと、一部のWebやネットのビジネスの世界の特定の意味の言葉だと思われがち。UXって言葉の定義も受け取り方も、人によって違い過ぎるから、もうだんだん「UXデザイン」っていうのがきらいになってきたんです(笑)

場合によっては「体験デザイン」って、あえて、UXって言葉を使わないで呼ぶようにしていたり。
そのほうが理解されやすいときがあるんですよね。

「UX」って言葉がまだ日本に入ってきていない20年前くらいから、ソニーではUXの研究開発をしていた。ターゲットとする市場がグローバルだから、「UX」にせよ「デザイン」にせよ、「ドイツならこういう意味」「アメリカのどこそこならこういう意味」とか、言葉の意味の各国の違いの情報を収集することが当たり前のように行われていた。

いま思えば、かなり進んでいたのかも(笑)

「社会のUX」まで考えられるようにしたい

よいUXデザインとはどういうものですか?

日本の「UXデザイン」がまだまだだなぁ、と感じるのは、「モノ」と「ヒト」の間のUXだけしか見ていないと感じるとき。もう一段階進んで「社会のUX」まで考えられるようにできると、ぐっとよくなる。

社会のUXとは?

たとえば、東京都内の電線。それ単体では「モノ」としての電気が「ヒト」に伝わることでUXを満たしているけど、景観に配慮がほとんどされることがなく、電柱や電線があちこちに建てられる。

これでは「社会のUX」は満たしているとはいえない。

欧州なら電線は地中に埋没させることが当たり前になっていて、水道、ガスとともにインフラが「街の景観の邪魔をしないように厳重に配慮して」工事が行われ、整備される。

日本だと、それぞれの別の会社が工事をするので「電線は地上を通せばいいか」となってしまう。
だから、外国人からは「東京はCleanだけど、Beautifulじゃない」なんて言われたりする。

ゲームにせよ、Webにしても、どんなサービスやプロダクトでも、今後は「社会のUX」まで考えて設計がされていくべきだと思います。

できるデザイナーほど「自分のできないこと」を知っている

突然ですが、悩みってありますか?もしくは、これまでありましたか?

悩みというか、こうあったらいいな、ということなら。

デザイナーのマネジメントをしていたとき「そのデザイナーが何ができて、なにができないか」「どういう仕事の仕方を好むのか」が人によってまったく違い過ぎるから、それがわかりやすくなったらいいな、とつねづね思ってました。

得意分野の違い
つくるモノが、紙、Web、ゲーム、アプリ、いろいろあるし、その中でも、キャラクター、UI、映像、2D/3D、ロゴやブランディング、なにとなにが得意で、何ができないのか。

あくまで、これまでの経験上ですが、優秀な人ほど、「これはできます!」「これとこれはできません!」がはっきりと言える印象。逆に、「なんでもできます!」とか言っちゃう人は、実は任せられることが少なかったりします。

仕事の仕方の違い
たとえば、バナー画像ひとつ作るにしても、「細かく要件やOKNGイメージを詰めてからのほうが作りやすいデザイナー」と、「まるごと自由にお任せのほうがのびのびと仕事できるデザイナー」がいたり、「あいつには、これくらいの量とスピードで頼めるぞ」みたいなのもそれぞれ違ったり。

エンジニアよりもさらに、デザイナーのほうがスキル部分がわかりにくい印象を受けたから、それをわかりやすくするニーズはこれからもありそうですね。

もし、デザイナーのスペック表みたいなのがあったら、わかりやすいですか?

ひとめ見るだけで「どういうデザイナーか」がわかるようなモノがあったら便利だなぁと思います。

RPGゲームの属性みたいな感じで見えるといいですね。
海外の人がレジュメで使うスキル属性図みたいな。

デザイナだと
Adobe Photoshop : +++++++++++++++++
Adobe illastrator : +++++++++
みたいな感じで。

これだと、ツールのスキルだけなので、
そうじゃなくて、もっと創るものベースで、スキル属性が可視化されたものがあると理解しやすいですね。

まぁ、いま仕事をお願いしているデザイナーは、昔からの付き合いで、どんなタイプかはわかってるから、「この仕事はあの人に任せるとうまくいく」がわかるようになりました。
知ってるデザイナーより、新しいデザイナーと会ったときに、より、そういうスペック表みたいなニーズがありそうですね。

こういうの、実際に書くとデザイナー自身のなかでも色々「私は何が得意なのか」をしっかり見直す良いチャンスだと思います。

デザインや開発の現場で使う、ナチュラルな英語」を学びたい

ほかに悩みってありますか?

ずーーっと悩んでる、というか、できるようになりたいな、というのは「英語」

小さいころに海外で過ごしていたし、インド、中国、アメリカなんかのオフショア開発の経験もあるから、ひととおり使えてはいるはずなんだけど、自分の英語はアンナチュラルだと感じますね。

バックグラウンドがエンジニアのせいなのか、やたら、難しい単語を使ってしまったり、きっと言い回しも不自然なんだろうなと感じる。

英会話の教室に通ったりもしてみたけど、よくあるのは、「日常会話」か、「営業職などの想定のビジネス英語」。

「デザインや開発の現場で使う、ナチュラルな英語」って、教えてくれる場所が少ないよね。

河野さまと話してて、気づいたこと、忘れたこと。

UX詳しい人、デザイナーのマネジメント経験のある人って、どういうことを考えてるんだろう、どんな悩みを持ってるんだろう、ということは、お話する前よりぐっと理解をすることができました。

【気づいたこと】
1.「モノとヒトの間のUX」だけでなく「社会のUX」が重要だということ
2.ペルソナつくるのが、100%正解ではないってこと
3.主な悩みは、デザイナーの多様性の理解と、開発現場の英語。

これらは、今後のデザイナー採用に活かすことにします。れっつぺルソナ作成!

お話が楽しすぎて、忘れたことも3つありました!

【忘れたこと】
1.写真を撮ること。(河野さまの写真も、ハンバーグの写真も取り忘れました)
2.ハンバーグおいしいって話をすること。(いや、おいしかったんです、めっちゃ)
3.帰るタイミング。(そろそろお時間が…💦っていいつつ、お話が楽しくて聞き入ってしまいました)

これらは今後のインタビューに活かすことにします!

河野さま、お忙しいところ、ありがとうございました!

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