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思いやりの中にも厳しさを。時間あたり採算性指標で働き方改革!

弊社は「家族の健康を支え笑顔をふやす」をビジョンに掲げ、在り方(企業理念)として「社会にも貢献したい。全メンバーの金銭的・精神的幸福も追求したい。そのためにお互い思いやる組織であり続ける。」ということを掲げています。

サービスとしても、妊娠~育児中のママ対象としたものが多いため、ひたすら優しいゆとり企業という印象も持たれたりする訳ですが、しっかり”思いやり”を中心とした在り方を追求しつつビジョンに向かっていくためにも”生産性”は非常に重視しています。

その中でも、ここ1年運用し特に効果を感じている”時間あたり採算性指標”をご紹介します。

時間あたり採算性指標とは?

元は、京セラ創業者の稲盛氏が生み出した経営管理手法「アメーバ経営」をベースにしており、その中で使われている”部門別採算性””時間あたり採算性”の考え方を活用しています。弊社では、アメーバの単位をチームとよび、チームの責任者を”リーダー”とよんできました。

部門を細かく分けて、独立採算制をとっているケースというのは多々存在すると思いますが、時間あたり採算性のユニークなところは労務費(給与額等)を一切考慮しないという点です。

単純化すると、(売上ー労務費を除くコスト)÷労働時間の合計=アメーバ別での時間あたり採算性になります。労務費はアメーバコストではなく全社コストになり、全社コスト÷事業稼働時間(管理部門時間を除く)で出た単価が損益分岐点。チームの時間あたり採算性がその数字を上回っていたら合格(黒字)という事になります。

導入に際して考慮したこと

今期(2017年7月期)のはじめから運用をはじめましたが、それまではチーム別採算性をとっていませんでした。かつ、チームという枠組みすらありませんでした。よりフェアにチーム別採算性をスタートさせる上で考慮をしたことを幾つか。

1.新たにリーダーが決裁したコスト以外は全社コストとした

チームからすると要らない位のコストなのに、過去の経緯で利用している何かが特定の事業に紐付いてしまうことがある。スタートした時点でいきなりコスト負担を強いられるとアンフェアに感じてしまいます。そこで、新たにリーダーが決裁したコスト以外は全社コストとし、チーム負担は0にしました。全社コストが増える形なので、チーム別での時間あたり採算性の損益分岐点が高くなり、黒字ハードルは高くなる形になりました。(下期からは徐々にチームにつくようにはなっていっています)

2.チーム間取引の単価を経営として決定した

チームを細分化したとしても、どうしても分断できない事業があります。たとえば、アプリ内のブラウザで自社ウェブサイトを見ているという場合、自社ウェブサイトの広告収益はアプリ売上なのか、ウェブ売上なのかという問題。

アメーバ経営の基本スタンスは、単独で成立する最小単位まで事業チームを細分化する。というもの。よって、ウェブとアプリは別チームにした訳ですが、上記のような課題が生じます。逆に、ウェブからアプリへの誘導を行っているケースなども然りです。その場合、市場価格よりも少し高めの単価を設定し、自社誘導を促すという形にしました。

もちろん支払い側からしたら”じゃあ外部広告を出すわ”という話になり得ますが、そうすると全社の利益は減って自分の給与にも響きますし、ビジョンを見据えた時に果たしてそれはベストなのか?となってきます。程よい単価内で第三者(経営)が決定したことで程よいバランス内に収まったかなと思います。

3.日報ベースで個人の時間は割り振るようにした

全体でも20名強の会社ですので、チームを横断して仕事をしているメンバーもいます。チーム意識を持ってもらうために、採用を増やして必ずチーム専属とする方法もありますが、すぐには現実的でなかったので、まずは日報でどのチームの作業を何時間行ったかを書いてもらうようにしました。そして、その時間を集計し、チームごとの労働時間としたのです。

これは専属にできなかったという人員状況の中での妥協案でしたが、パフォーマンスの状況やマネジメントの状況を考えると専属にできるのであればした方が効果は上がっただろうなという反省点でもあります。

そのような考慮をしつつ、昨夏からチーム別時間あたり採算性方式がスタートしました。

結果はどうだったか?

上記の1の考慮をしたため、チーム別で出た時間あたり採算性≠(正確な)チームの時間あたり粗利で、一概に他社の時間あたり採算性数値と比較することはできませんでしたが、事業チーム合計での時間あたり採算性としては、分母の時間増(人員増)がありつつも期初と現在の対比で時間あたり3倍強に伸ばすことができました!

全社の平均給与をアップさせたり、オフィス移転をして全社コストが増えたりなので、イコール利益3倍という計算ではないですが、非常に効果があったと思っています。ではどのような点で効果があったのか?

一番は時間に対しての意識が上がったこと

色々効果はあったと思いますが、私は”時間に対しての意識が上がったこと”が一番だと思っています。例えば、あるチームの1時間あたりの採算性が8千円と出る。160時間では128万円です。それだけの粗利が出せない仕事はやるべきでなく、要改善対象とわかるわけです。例えば、それまで受託でもっと低い単価でお引き受けしたりしていましたが、それでは採算性がマイナスになる。従って、それが改善されるように工夫をする。そんな意識に変化をしていきました。

また、その採算性や全社の営業利益と個々人の給与評価を程よく連動させるようにしました。"程よく"と言うのは、あまりに利益連動にしてしまうと利益はビジョンへの燃料という視点を見失い、目先の収入に目が行きやすくなるという懸念から注意した設計にしました。結果的に、給与も全社平均を相当アップさせることができたので、経営者としてはとてもうれしい限りです。

働き方改革は生産性向上とセット

昨今よく耳にする”働き方改革”

残業しないで早く帰るみたいな部分的な形で取り上げられている印象がありますが、一番重要な点は”生産性向上”だと思っています。

時間は減らすけれど、売上は伸ばす。その工夫を如何に生み出すか。そこが一番難しいポイント。現状では運良くフィットし生産性向上につながっていますが、まだまだできることは多々あると思っているので、今後も引き続き弊社ならではの働き方改革を推進していきたいと思います。

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