10年間、飲食店の現場に立っていた人が、いまお客様の業務システムを、要件定義から納品まで通しで担っている。
スターシステム中部拠点の課長代理・三矢拓嗣さん。飲食業からの転身、職業訓練校からの入社、客先常駐と請負の両輪での成長、そしてAI時代の技術者像まで——“判断できる技術者”がどう育ったのか、本人に聞きました。
プロフィール
三矢 拓嗣(みつや たくじ)|課長代理。2021年3月入社。工作機械メーカーの社内業務システムを、要件定義から納品まで一気通貫で担当し、プロジェクトマネジメントも兼務。前職は飲食業に約10年従事し、3〜4年目からは店長を経験。ハローワークの職業訓練でPython・HTML・CSS・JavaScriptの基礎を学び、訓練校の紹介でスターシステムへ。大学時代を広島で過ごした、名古屋出身。
入社の決め手は、「数字と人間性」という企業理念だった
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——まずは、三矢さんがIT業界に来るまでの経緯から聞かせてください。
三矢 大学を出てから、そのまま飲食業へ。一つの会社に約10年いて、3〜4年目からは店長を任されていました。30歳が見えてきた頃に、まちづくりやSDGsみたいなテーマに関心が出てきて、「自分で何かやれないかな」と模索しはじめたんです。ただ、ちょうどコロナ禍で、その方向の話が一気に止まってしまって。どうしようかとなったときに、『どうせなら、これから伸びる業界で、やりたいことをやってみよう』と思って選んだのがITでした。
——そこから、どうやって技術を学んだんですか?
三矢 ハローワークの職業訓練です。いくつかジャンルがある中で、Web系の入門パッケージを選んで、3か月間。言語はPythonで、フレームワークを使いながら、表側はHTML・CSS・JavaScriptを少しかじる、という感じでした。指定された参考書は一冊残らず読み切りましたね。とはいえ到達点は、『ブラウザ上で思った通りに動かせる』ところまで。胸を張れるレベルではなかったです。
——その中で、スターシステムとはどう出会ったんですか?
三矢 訓練校が紹介してくれる企業の一社でした。声をかけてもらった、という形ですね。ほかにも選択肢はあったんですが、最終的な決め手は企業理念でした。
——企業理念の、どこに惹かれたんでしょう。
三矢 前職が、稲盛和夫さんのフィロソフィーに影響を受けている会社だったんです。その思想に通じる空気を、スターシステムにも感じました。僕の言葉で言うと、キーワードは「数字と人間性」。数字を叩きながら人を育てる、という考え方ですね。きれいごとだけで潰れる会社にしてもダメだし、利益ばかり追う会社でもダメだよね、という思想がある気がして。それなら、自分が大事にしてきた考え方を変えなくても働けるなと思えたんです。
——入社前、仕事内容のイメージはついていましたか?
三矢 正直、ほぼついていませんでした(笑)。ITの経験がないまま入ったので、『使えるようには会社が育ててくれるんだろうな』くらいの感覚で。元のイメージがなかったぶん、入ってからのギャップもなかった、という人間です。
工程を一つずつ。常駐と請負、両輪で広がった視野
——入社後、最初はどんなことから始めたんですか?
三矢 まず2か月の研修です。Javaを軸に、環境構築からデータベース連携、簡単な動作確認まで。手順に沿って構築するカリキュラムでした。教育部門の責任者と担当の方の二人がフォローについてくれて、つまずいても必ず聞ける環境だったので、理解できずに詰まることはなかったです。研修が予定より早く終わったので、期間中から少し実務にも触れさせてもらいました。
——最初の現場で、印象に残っている経験はありますか?
三矢 東京で、大学で使われる業務アプリケーションの一部改修に入りました。そこで、影響範囲を調べないまま自分の作業を進めてしまって、別のシステムにバグを出したんです。システムが止まるような重大なものではないんですが、自分のタスクをやり切れたか、という意味でのインパクトは大きかったですね。指摘を受けて直す、という過程で、エラーそのものというより「みんなで働くうえでのお作法」を体で覚えた感覚があります。
——その後、東京から名古屋に戻られたんですよね。
三矢 はい。東京で2〜3年やったあと、あるきっかけで名古屋に戻ることになって。結果的に、それが大きな転機になりました。
——名古屋に戻って、何が変わったんですか?
三矢 スターシステムには、客先に常駐する仕事と、成果物を納品する請負の仕事があります。名古屋は請負ができる拠点でした。『何がしたい?』と聞かれたので『コーディングがしたい』と答えて。会社はその希望と、いずれ工程管理まで担ってほしいという期待をすり合わせて、小さな改修案件からのキャリアマップを引いてくれたんです。コードを書ける、テストして納品まで通せる、お客様と握って設計できる、と工程を一つずつ順番に自分のものにしていけた。戦略的に成長させてもらう流れに乗れたのは、すごく大きかったです。
——常駐と請負では、何が違うんでしょう。
三矢 常駐は、決まった目的に沿って一つの工程を深く担います。たとえば品質を磨くテストの観点は、そこでこそ研ぎ澄まされる。一方の請負は、『こういうものが欲しい』に対して『できました』を返す仕事なので、工程を自分たちで組み立てられて、全体を見渡すジェネラリストの力が求められます。どちらが上ということではなくて、両方を経験できるからこそ、技術の深さと判断の広さが同時に育つ感覚がありますね。
——「視野が広がった」と感じた瞬間はありましたか?
三矢 IT開発に根強く残るV字工程ってあるんです。要件定義・設計・開発・テスト・納品と進んで、各工程には対になる“対抗工程”がある。画面を設計したら、その画面のテストがある。やりたいことを決めたら、それが実現できているかのテストがある、という関係です。僕はそれまで総合テストばかりを担当していたので、請負で上流を知って、『テストの元になるものが、どんな考えで作られているか』が見えた。前後の工程がつながった瞬間、視野が一気に広がりました。
——役職は、どんなスピードで上がっていったんですか?
三矢 名古屋に戻る前にリーダーになっていて、そこから主任を飛ばして課長代理になりました。リーダーは小さなチームを一つ任せてもらえるレベル、主任は中規模を回せるレベル、課長代理はもっと広く見る、というイメージです。一般的にはリーダーから主任まで2〜3年、そこから課長代理や課長までさらに1年半〜3年はかかると思います。小さな案件から工程を積み上げられたぶん、僕の場合は早かったですね。
——案件で一番の肝になるのは、どの工程ですか?
三矢 設計です。要件定義が多少甘くても、そこはお客様と握れているので『望んだものですよね』と確認できる。でも、設計で適切なものを示せないと、納品後に『何これ』と言われてしまうんです。だから設計で勝負する。これは、工程を通すなかで身についた判断ですね。
AIを“使う”側へ。言語に縛られない時代の技術者像
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——AIは、開発の現場にどんな影響を与えていますか?
三矢 うちの業界には、大きく影響します。請負の自分たちの中ではもう取り入れていて、AIコーディングを使うと、設計でやりたいことを自然言語できちんと分解できる人なら、コードを書かずに開発できるレベルなんです。開発工程が、人によっては80%カットされる時代になっています。
——AIをシステムに“組み込む”ほうはどうですか?
三矢 そちらはまだ先だと思っています。AIは分岐が激しくて、狙った答えに入るかが難しいんです。それっぽい答えは返せても、7〜8割の精度のものを“機能”として契約に盛り込めるか。発注する側も受注する側も、その曖昧さの範囲を握れるようになるには、まだ時間がかかります。これまでのシステム屋は、書いてある通りにしか動かないものを扱ってきましたから。一方で、AIを“使う”ほうは、もう全方位で変わっています。デザイナーもモデラーも、業務アプリケーションを作る自分たちも。0か1かで表現できるものを扱う仕事は、すべてAIの学習対象になっていきます。
——技術者に求められるものも、変わっていきますか?
三矢 変わりますね。一番大きいのは、言語に縛られなくなることです。『C#ができればJavaもなんとなくはできるよね』という壁を、AIは軽々と越えていく。これからは特定の言語ができるかどうかより、「言語を使って何ができるか」の理解と、技術の深さが問われる時代になると思います。
——では、これから必要になる人材像はどんな人でしょう。
三矢 ITの知識だけでなく、ユーザーの“痛み”がわかる人です。僕自身、飲食店で発注システムやPOSレジを触ってきたので、現場で何が課題になるかが分かる。『こうできたらいいのに』を具体的に描ける人がこの業界に入れば、その後はAIを使って形にできるんです。コーディングの知識に閉じず、『なぜこれが必要なんだろう』と考えられる人。その需要は、これから上がっていくと思います。
頑張りに頼らない。“当たり前”を仕組みにする
——いまの役職になって、苦労していることはありますか?
三矢 大きな失敗は今のところしていないと思っているんですが、苦労は多いです。一番難しいのは、メンバーの力量を把握すること。請負のチームはまだ目が届くんですが、常駐で外に出ているメンバーは、使っている技術もスキルの段階も一人ひとり違う。それぞれがどのレベルにいて、どこを目指したいのかを拾わないとマネジメントできないので、最初の情報をつかむところに一番苦労しました。
——いまは、いくつのチームを見ているんですか?
三矢 自分のチームを動かしながら、ほかのチームも見ている形ですね。タスクの中身一つひとつには踏み込まないんですが、『何を、いつまでに、いくらで』というところまでは全体を把握するようにしています。
——チームとして、これから目指していることは?
三矢 いま1年かかっている案件を、3か月で終わらせたいですね。無茶に聞こえると思うんですが、みんながとんでもないレベルまで成長すれば、物理的には可能です。鍵は、頑張りへの依存をやめること。自分が思う最低レベルを“当たり前”にして、そこまで全員が上がってこられる仕組みを作りたい。属人的な踏ん張りではなく、仕組みでチーム全体を底上げしていく、というのが目標です。
店長として人とチームを動かしてきた10年が、いまのマネジメントの土台にあるのだろう。設計で勝負し、仕組みで人を育てる。畑違いの現場で培ったものが技術の世界でも生きている——そう感じさせる語り口だった。
これから一緒に働く仲間へ
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——最後に、これから入ってくる仲間へ伝えたいことを聞かせてください。
三矢 自分の事業部に来てくれるなら、挑戦できる環境は用意できます。最新技術へのキャッチアップも、フォローしていくつもりです。CodexやClaude CodeのようなAIエージェントを使えば、つなぎ方次第で定型業務の9割はカットできるんですよ。空いた時間で、どんどん新しいことに価値をつけていけばいい。『こんなことできたらいいよね』というクリエイティブな提案まで、形にできる環境になっていきます。『まだわからない、でも自分は頑張る』。そう言って挑める人なら、成長できる仕組みは用意してあるので、ぜひ来てほしいですね。
どんな人がスターシステムで伸びるか
三矢さんに、「これから入ってくる人に持っていてほしい姿勢」を挙げてもらいました。
1. 「なぜこれが必要か」を考えられる人
これからの技術者に必要なのは、ITの知識だけでなく、ユーザーの“痛み”がわかること。「こうできたらいいのに」を具体的に描ける人なら、その先はAIを使って形にできる。コーディングの知識に閉じず、目の前の業務の背景まで考えられる人ほど、この環境で武器が増えていきます。
2. 原点を、ていねいに学べる人
AIの話ばかりに聞こえるかもしれませんが、三矢さんがすすめるのはHTML・CSS・JavaScriptといった“原子的”な基礎を押さえること。「古典を学ぶようなもの」と言います。便利な道具が増えるからこそ、原点を理解している人が強い、という考え方です。
3. 全工程を面白がれる人
請負では、一つの工程の専門家というより、要件定義から納品まで全体を見渡すジェネラリストの力が求められます。常駐で一点を深く磨く面白さと、請負で全部を通す面白さ。その両方を楽しめる人は、技術の深さと判断の広さを同時に伸ばせます。
4. 「まだわからない、でも頑張る」と挑める人
最新ツールは、昨日と今日で変わる世界です。完成された答えを待つのではなく、わからないなりにまず手を動かしてみる。そんなトライアンドエラーを楽しめる人のために、成長できる仕組みが用意されています。
スターシステムは、客先で技術を磨き、請負で工程を通す——その両方を経験しながら“判断できる技術者”へ育っていける次の仲間を探しています。
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