「順位には興味ないですね。何位になったとか、売上がいくらとか、表面的な数字は別に気にしていないです(笑)」
株式会社STAYGOLDの代表・柏村淳司社長の口から最初に出たのは、意外なほどフラットな言葉でした。
前回16位から5ランクアップを遂げ、『リユース売上ランキング2026』で11位を獲得したSTAYGOLD。組織変革や機能統合が結実し、年商516.8億円規模(2026年2月期 決算)へと着実な跳躍を見せています。 普通なら「よし、計画通りだ!」という力強い勝利宣言が聞ける場面。しかし、当の柏村社長から返ってきたのは、「順位自体には、あまり興味がないんです」という言葉でした。 そして、「できることがこれしかなかった」と語る男が率いる組織が、なぜこれほどまでに巨大な将来性を秘めているのか。
今回は、社長・柏村淳司という「人」の原点と苦悩、そして彼が描くSTAYGOLDの未来像に迫りました。
「できることがこれしかなかった」から始まった、泥臭い原点

柏村淳司(かしむら じゅんじ)|株式会社STAYGOLD 代表取締役社長
福島県出身。高校卒業後に上京し、美容専門学校へ進学。
卒業後は洋服制作、ショップ店員、カフェ・バーなど多彩な職種を経験。友人の誘いをきっかけに未経験からアパレル事業の責任者に挑戦。
その後、実店舗となる「BRING1号店」を渋谷にオープン。Webマーケティングや店舗経営の基礎を叩き込み、3年後には2店舗目を出店。
2014年に株式会社STAYGOLDを創業。
──創業から10年ちょっとで急成長を遂げてきたSTAYGOLDですが、そもそもなぜ最初に「リユース」を選ばれたのでしょうか?
柏村社長: 当時は「できることがこれしかなかったから」なんです。別な資金があったわけでもないし、パソコンのスキルやデザインの才能、豊かな人脈があったわけでもない。そんな自分がゼロから個人でスタートできる唯一のビジネスが「物を買って売る」というシンプルなリユースだったんです。
最初は知識がないからこそ、どんな泥臭いことも愚直にやれました。実際にやってみたら、お客様に「ありがとう」と言われて利益が出て、生活ができる。それが純粋にすごく嬉しかった。「この仕組みが全国、世界に広まったら最高じゃん!」と思えたのが、すべての原点ですね。
──そこから、どのようにして今のような大きな組織にまで成長していったんですか?
柏村社長: 僕が最初に感じたその喜びを、「この仕組みが世界に広まったら最高じゃん」というポジティブなビジョンに、共感してくれる仲間が増えていった結果です。だからこそ、結局は「人の考え方(共感)」が全てだと痛感しています。「そんなの無理だ」と思っている人はやりませんが、「やりたい、やろう」と思う人がいたから形になった。この会社の中で「やりたい」と共感してくれる仲間がどんどん増えたからこそ、そのエネルギーの総和でここまで大きくなれたのだと思います。
16位から11位へ躍進。でも「売上順位には興味がない」理由

──前回16位からの11位躍進(5ランクUP)、おめでとうございます!この結果への率直な感想と、躍進の要因を教えてください。
柏村社長:要因で言うと、サイロ化されていた組織を再編・統合したことが売上や利益の成長に直結したのが一番大きかったですね。各々だった組織の歯車が噛み合ってきたことで、年商516.8億円規模(2026年2月期 決算)に成長することができました。
ただ、11位という順位自体に関しては、正直あんまり興味がないんですよね(笑)。いわゆる「売上規模」や「何位になったか」という表面的な数字には、もともとそんなに興味が持てなくて。もちろん1位〜3位レベルになれば話は別ですが、11位と言われてもピンとこなくて。
──順位に興味がないんですね(笑)では、柏村社長は一体何に興味があるのでしょうか?
柏村社長: 僕が興味があるのは、「いい仕組みができているかどうか」です。
いい仕組みができているからこそ利益が残るし、お客様にも来てもらえる。そして社員の社内満足度や働く環境も良くなるじゃないですか。僕が興味があるのは、そういう「質の高い組織や仕組み」を表す数字であって、後からついてくる単なる規模感や順位はどうでもいいというのが本音です。
見据える「4つの成長戦略」と、永遠の課題である「人」

──これから先、STAYGOLDとしてどんな将来像を描いているのでしょうか?
柏村社長: 事業としては、大きく「4つの柱」で深め、広げていきたいと考えています。単なる規模拡大ではなく、リユース業界が抱える不便さや不透明さを解消し、循環型社会のインフラとして「質の高い成長」を実現するための4つの柱です。
《4つの成長戦略》 1. 【都市型モデル】「深さ」の追求 単なる既存のリユースショップではなく、都市部ならではの文化やカルチャー、独自性にアジャストしたサービスを提供。より専門性を高め、お客様との繋がりを密にしていきます。 2. 【地方モデル】「広がり」とリーチの拡大 カジュアルアパレルから家電・ホビー・日用雑貨など取扱商材を多角化し、マス(大衆)にフィットしたモデルを展開。実店舗での展開のみならず無店舗の「出張買取ネットワーク」やFC(フランチャイズ)オーナー様との連携により、全国の買取窓口を拡充してお客様との距離を縮めます。 3. 【テクノロジー×リユース】顧客体験のスマート化 オフラインで蓄積したデータをアプリやECサイトへ還元。リユース特有の「使いづらさ・体験の悪さ」をテクノロジーでスマートに解決します。 4. 【グローバル】業界の「プラットフォーマー」へ オークションやB2B取引において当社が世界中のハブに。東南アジア・香港・アメリカへのB2Cの事業拡張やプロフィットセンターの設置を見据えつつ、国内外の事業者と連携し、信用できる商品が適正価格で全世界に供給される「リユースのグローバルサプライチェーン」を構築します。
柏村社長:僕たちが目指すのは「業界ナンバーワン」です。でも、「じゃあナンバーワンって何なの?」って言った時に、その定義があやふやなままだと意味がないんですよね。
単に売り上げを伸ばせばいいのか?
規模を広げればよいのか?
ただそれだけが僕たちの目指すナンバーワンじゃないんです。
僕が考える業界ナンバーワンとは、しっかり「三方よし」の経営ができている会社のことです。
まず株主や取引先などのステークホルダーに対しては、最高のパートナーとして高い価値を提供し、一番に信頼される存在であること。
次にお客様に対しては、一番に選ばれるパートナーとして、サービスを通じて「生活が豊かになった」と喜んでもらえる価値を提供すること。
そして共に働く社員や仲間に対しては、業界最高水準の年収を実現し、良好な人間関係の中で物心ともに一番満たされている状態を作ること。これらをすべて満たして初めて、本当の意味での「業界ナンバーワン」と言えるのだと考えています。
ただ、それは誰かが用意してくれるものでも、会社の上層部が勝手に作ってくれるものでもありません。社員一人ひとりが「目の前の仕事を良くするにはどうすればいいか」「隣の仲間がより良くなるために、どう成果を出し、良い関係を築くか」と、身近な仕事を一つずつアップデートしていく。その積み重ねの先にしか、私たちが目指すナンバーワンの姿はないと思っています。
──業界ナンバーワンを目指す中で、経営の難しさやご自身の弱さを感じる部分はありますか?
柏村社長: 経営で言うと、やっぱり「価値観の統一」の難しさは常に感じていますね。こちらが良かれと思って発信したメッセージがプレッシャーに伝わってしまったり……人を育てて、任せて、自走してもらう教育サイクルは、昔も今も変わらず永遠の課題です。
あと、個人の話で言うと……自律するための「習慣化」が本当に苦手で(笑)ついつい酒を飲みすぎたり、寝すぎたり、食べすぎたり、時間をダラダラ過ごしてしまったり……。「時間・健康・お金」を整えれば理想のサイクルが作れると分かってはいるものの、どうしてもルーズになって流されてしまう。全然完璧じゃないですし、まだまだ修行中です。
会社は自己実現の場。共に人生を最大化させよう

──最後に、いま一緒に働いている社員の皆さん、そしてこれから仲間になる方へメッセージをお願いします。
柏村社長: やっぱり会社は、皆さんの「自己実現の場」として使ってほしいんですよね。 せっかく縁があって一緒に働いて、一度きりの一生モノの人生を生きているわけですから。「社長と社員」という縦の関係より、お互いの個性を掛け合わせて、価値を最大化させるパートナーでありたいと思っています。
仕事を通して「熱中できる何か」を見つけて、お互いの価値を最大化させられるような関係性でやっていこうよ、と伝えたいです。どんな形であれ、自分が熱中できて「良い人生・良い仕事だったな」と思える時間を、一緒に作っていきましょう!
インタビューを終えて印象的だったのは、柏村社長が語る言葉の端々にあった「飾らなさ」と「仲間へのリスペクト」でした。
「できることがこれしかなかった」と過去の自分を笑い飛ばし、自分の弱さも素直に認める。だからこそ、STAYGOLDには「この人と一緒に挑戦したい」と集まった熱い仲間たちがいて、その一人ひとりのエネルギーが「11位獲得」や「世界展開」という圧倒的な将来性を生み出しているのだと感じます。
完璧な経営者が引っ張る会社ではなく、血の通った「人」が熱量を持って創り上げていくSTAYGOLDの未来に、これからもご期待ください。