こんにちは!株式会社TBMの採用担当です。
今回お話を伺ったのは、CO2を資源に変えるTBMのカーボンリサイクル事業「CCU(CarbonCaptureandUtilization)[a]推進チーム」を牽引する3名。
ビジネス、技術、研究という異なる視点から、立ち上げフェーズならではの苦悩と、その先に見据える「サステナビリティ革命」への野望を語っていただきました。
地球規模の課題解決に挑みたい方や、世界初の市場を創る「0→1」に熱狂したい方は、ぜひ最後までご覧ください
プロフィール
![]()
小野さん|CCU推進チーム 責任者(写真左)
2003年、ソニーケミカルに入社。反射防止フィルムの開発に従事し、材料設計から製品化まで一貫して携わる。その後、2020年にソニーグループから独立したデクセリアルズにて担当部長を務め、3部署にまたがる製品開発組織を統括。技術開発のみならず、事業成長を見据えた製品戦略の立案と実行をリードする。20年にわたるキャリアの中で、これまでに8製品を上市。自ら開発・推進した製品群により、担当事業を100億円規模のビジネスへと成長させることに貢献。他社にはない提案力を武器にシェアを拡大し、事業の飛躍的な成長を実現後に2024年、TBMに入社。これまで培ってきた素材開発と事業成長の経験を活かし、次世代のマテリアルイノベーションの実現に挑む。
今岡さん|CCU推進チーム副責任者(写真右)
2018年3月、東京工業大学大学院修士課程を修了。同年4月、三菱ケミカルに入社し、研究所に配属。樹脂材料の研究開発およびテクニカルサービスに従事し、新グレード材料の開発から量産立ち上げまでを一貫して担当。製品の実用化に向けた研究と現場実装の双方に携わる。2024年1月、TBMに入社。テクノロジーセンターにて、入社1年目からCR LIMEXシートの開発を担当し、2024年内の上市を達成。2年目にはCR LIMEXおよび再生材の基礎技術開発を担い、高機能化技術の確立に貢献。2024年11月より、CCU推進チームの副責任者に就任し、カーボンリサイクル技術の社会実装に向けた取り組みを推進している。
彌富さん|CCU推進チーム(写真中央)
早稲田大学先進理工学研究科応用化学専攻出身。高校時代から無機化学に魅せられ、シリカ系材料の表面修飾に関する研究で博士(工学)の学位を取得。無機材料(炭酸カルシウム)を用いた新素材LIMEXに興味を持ち、2024年より新卒でTBMに入社。入社後は、LIMEXの基礎研究開発を行うチームに配属。
安定を捨て、未踏の領域へ飛び込んだ理由
![]()
――まずは皆さんがTBMに入社された経緯を教えてください。小野さんと今岡さんは、大手メーカーから転職されたのですよね。
小野:私は前職のディスプレイ業界で約20年間、反射防止フィルムの開発や事業部の立ち上げに携わってきました。正直に言えば、キャリアは安定していましたし、この先の将来像も見えていたんです。だからこそ、それでは「あんまり面白みがないな」と感じていました。
――安定を捨ててでも、新しい挑戦がしたかったと言うことでしょうか。
小野:その通りです。40代半ばになり、挑戦するなら「世界で一番大きな課題」に取り組みたいと思いました。それが「環境」という領域です。そこで、「メイドインジャパンで環境ビジネスに挑戦しているディープテック企業はないか」とエージェントに無理を言って紹介してもらったのがTBMでした。CO2は気候変動のキーワードですが、単にそれを減らすのではなく、「CO2からモノを作る」というコンセプトに、開発者として純粋にワクワクしたんです。ここしかないと思い、1社で即決でした。
![]()
――今岡さんも大手化学メーカーのご出身ですね。
今岡:そうです。プラスチック材料の開発をしていました。大手の技術レベルは非常に高いのですが、組織が完成されていて。「自分がやらなくても組織は回るのではないか」という物足りなさを感じていたんです。もっと手触り感を持って仕事をしたいと思っていた時にTBMを知り、私も1社で決めました。
――彌富さんは新卒入社ですが、決め手は何だったのでしょうか?
彌富:私は大学院で無機材料化学を専攻していたので、その専門性を活かしたいと思っていました。TBMのLIMEXは無機物(炭酸カルシウム)を主原料とするので親和性が高いですし、何より選考過程で会った「人」が魅力的だったのが大きいです。
炭酸カルシウムで「脱炭素」の常識を覆す
――皆さんが所属する「CCU推進チーム」のミッションについて教えてください。
小野:私たちのミッションは、工場の排ガスなどに含まれるCO2を回収し、それを原料として炭酸カルシウム(タンカル)を生成、さらにLIMEXと掛け合わせて製品化し、早期に売上を作ることです。この技術のすごいところは、CO2を使ったモノづくりができること、作ったモノにCO2を「固定化」できる点。さらに、生成された炭酸カルシウムは汎用性が高く、様々な製品に生まれ変わることができます。
![]()
――「CCU」というと、まだ研究段階の企業も多いイメージがあります。
小野:おっしゃる通り、多くの日本企業はまだプラントレベルの実証実験フェーズだと思います。しかし、我々はすでに製品をローンチしています。最近ではエクステリア(住宅の目隠しフェンス)などの建材分野でも採用が決まりました。CO2を長く固定化できるという意味で、耐久性のある建材は非常に相性が良いんです。
――建材メーカーとのコラボレーションで、開発期間はどのくらいだったのでしょうか?
今岡:今回の建材メーカー様との共同開発は、1年かからずに製品化に至りました。大手企業であれば、素材開発から始めると3年はかかりますし、そこからコラボレーションして製品化するとなると、さらに数年を要します。このスピード感こそが、TBMの強みであり、ベンチャーならではの「担当者の熱量を潰さずに活かしきる」文化の表れだと感じています。
「ビジネス」と「技術」が融合することで生まれるスピード感
――大手出身のお二人は、TBMの環境にどのような違いを感じましたか?
今岡:違いは大きく感じましたね。大手メーカーは組織が成熟している分、一つのプロジェクトを進めるにもしっかりとした段取りや承認プロセスが必要です。しかし、TBMの場合は、とにかく「思いついたら即実行」というスピード感が優先されます。実験してすぐに結果を見て、次のサイクルを回す。その分、企画から量産までを一気通貫で見る必要があり守備範囲は広くなりますが、自分の手で事業を動かしているという実感は強いです。
小野:そうですね。大手では役割分担が最適化されており、企画、開発、マーケティング、製造と、それぞれのプロフェッショナルがバトンを繋いでいくスタイルが一般的です。一方、ベンチャーである私たちは、まだそのバトンを渡す相手がいないこともあります。一人で何役もこなす難しさはありますが、自分で意思決定して、開発からビジネス構築までをシームレスに進められる裁量の大きさは、この規模感だからこその醍醐味です。
――研究開発職の彌富さんから見て、ビジネスサイドとの連携はどうですか?
彌富:物理的にも心理的にも、ビジネスサイドとの距離は非常に近いです。通常、研究と事業部は組織が分かれていることが多いですが、CCU推進チームはビジネス担当と技術担当が同じチームに所属しています。小野さんたちから「顧客からこういうスペックが求められている」というインプットをもらい、私が技術的な解とスケジュールを即座に提案して、その場でフィードバックをもらう。このサイクルの速さは、同じチームにいるからこそだと思います。
![]()
コストの壁を超え、新たな「当たり前」を創る
――世界初の市場創造に挑む中で、直面している課題はありますか?
今岡:最大の壁は「コストと環境価値のジレンマ」です。日本市場はまだ、環境性能が良いからといって高いコストを許容する土壌が成熟していません。どうしてもコストが優先されてしまうのが現状。私たちは、環境性能が高く、かつコスト競争力のある製品開発を目指していますが、技術的な難易度は非常に高いです。
小野:日本はまだ欧米に比べて環境意識が低く、逆風があるのも事実です。だからこそ、私たちはモノを売るだけでなく、法制度やルールの設計から関わっていく必要があります。そのため、TBMが事務局を務める社団法人資源循環推進協議会を通じて2400以上の会員や政府の方々と連携し、国への政策提言などのロビー活動も並行して行っているんです。
――社会実装に向けた、具体的な「勝ち筋」はあるのでしょうか?
小野:明確な戦略があります。今私たちが最優先しているのは、サプライチェーンの頂点にいるエンドユーザーへの直接提案です。「これを使いたい」というトップダウンの意思決定を取り付け、同時に現場レベルでのボトムアップ活動も進めています。上と下の両側から攻めて、真ん中で合流させるこの「挟み撃ち」の戦略が、今のフェーズにおける最短ルートだと確信しており、すでに実績も出始めています。
――まさに道なき道を切り拓いているのですね。では、その先に見据える未来を教えてください。
小野:我々が目指しているのは、製品開発ではなく「サステナビリティ革命」そのものです。今まで「捨てるしかなかったもの」であるCO2を「資源」に変え、それが当たり前に身の回りの製品に使われている社会を作る。これが実現できれば、気候変動を劇的に改善できます。このインパクトは計り知れません。
今岡:私は日本の「資源戦略上の立ち位置」を根本から変えることですね。日本は石油や石炭などの資源には乏しいですが、CO2であれば国内でいくらでも調達できます。これを資源として活用する技術が確立できれば、日本は「資源輸入国」から脱却できるかもしれない。将来的にはカーボンクレジットによる収益化も見込んでおり、経済的な勝算も十分にあると考えています。
「スキルよりも信念」。正解のない“0→1”を楽しめる仲間を求む
![]()
――最後に、このフェーズのTBMにはどんな方が向いていると思いますか?
小野:これから事業を拡大していくにあたり、営業や事業開発の視点を持った方にぜひジョインしてほしいですね。ただ、何より重要なのは「信念」です。知識や経験があっても、正解のない「0→1」のフェーズでは必ず困難にぶつかります。そのときに、「絶対にこれを実現するんだ」という熱い想いがあれば、大抵のことは乗り越えられるでしょう。
今岡:自分の専門分野に固執せず、守備範囲を柔軟に変えられる方も合っていると思います。ベンチャーでは役割が変わることも日常茶飯事です。変化を楽しみながら、ビジネスとして「0→1」を作り上げる苦しみと喜びを味わいたい方には、今が一番楽しいフェーズだと思います。
彌富:未知の技術に対する探究心がある方ですね。今はまだ手探りで道を作っている段階なので、「これをやれば正解」というものがありません。壮大なテーマに対して、自ら仮説を立てて検証していくプロセスを楽しめる方と一緒に働きたいです。
![]()
小野:今、環境ビジネスはまだ完成していません。それを自分たちの手で作る。日本だけでなく世界規模で、仲間と刺激し合いながらその景色を見に行けるのは、TBMだからこそです。この「サステナビリティ革命」に共感し、一緒に挑戦してくれる方をお待ちしています。
CO2を資源に変え、気候変動という人類最大の課題に挑む。TBMが掲げる「サステナビリティ革命」は、まさに今、実現への第一歩を踏み出しています。
求めているのは、前例のない荒野を切り拓く「信念」を持ったリーダーです。完成されたレールの上を走るのではなく、自らの手で道を作り、次の時代の「当たり前」を築き上げる。そんな気概を持った仲間を私たちは待っています。
エントリーはこちら
▼新卒採用
▼キャリア採用