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ぼくらが学童保育を起業したワケ 〜トライエッジ創業ストーリー⑥〜

さて、トライエッジ創業ストーリーも、第六回を迎えました。
今回が最終回です。


学童保育ビジネスをスタートさせ、その後ベビーシッター事業をスタート。最終的にマーケティング支援の仕事に行き着いた私達。

3つのバラバラの事業を行いながら、念願の黒字決算を果たします。

そこで、私達は自分たちの未来を見つめ直すのですが・・・


三足のわらじ

マーケティング事業をスタートさせ、黒字決算を達成。
会社としてはひと段落した私達でしたが、その運営は壮絶なものになりました。

経営陣は、既存事業の学童・シッター運営に加え、マーケティング支援事業ではクライアント企業にほぼ常駐で仕事をしなければならなかったのです。


どの事業でも、毎日のように様々な課題が出てきます。
それぞれの課題と対峙しようにも、経営陣は全員マーケティング支援事業の取引先に常駐しているため、迅速な対応をすることが出来ません。
日常的に学童やシッターのお客様と顔を合わせることもなくなり、「現場社員に任せきり」という状況になってしまいました。

「スタッフを信頼し任せている」と言えば聞こえはいいかもしれませんが、ある意味丸投げになってしまっていたのも事実です。

そして、マネジメントが疎かになってしまったツケは、すぐにやってきました。


学童・シッターで問題発生

まず、学童事業で問題が発生しました。

2014年4月の入会者数が、前年度・前々年度の4月に比べて激減
それまで、学童施設への入会を検討するお客様には、基本的に代表の私が面談をし、サービスのご案内やお客様のヒアリングを行っていました。
しかし、この年は、お客様の面談を現場スタッフが行った上、私が施設にいないため、入会希望者の細かなニーズなどの情報共有が遅れ、きめ細かい対応が出来ませんでした。

学童事業は、新一年生が小学校入学をする4月を逃してしまうと、他の月に入会者が増えることはほとんどありません。
4月に入会が少ないというのは大問題なのです。


一方で、シッター事業にも衝撃が走ります。

2014年3月、埼玉県富士見市で男性シッターによる虐待事件が起こり、業界を震撼させました。
それまで、ベビーシッター事業は良くも悪くも法的な規制が緩かったのですが、この事件をきっかけに、運営業者に対するルールが一気に厳格化していきます。

当時の私達は、お子様をお預かりするプロとして、ベビーシッターについても強い責任感と細心の注意を持って事業を運営しており、事故などは全く起こっておりませんでしたが、今後はさらなる対策が求められる状況となりました。

しかし、経営陣は、別事業のマーケティング案件に追われ、全く社内にいない。
より安心してもらえるサービスにするために運営の強化が必要だったにもかかわらず、なかなか手を打てない状況でした。
徐々に社内でも「今の運営体制でよいのか。お客様に対する責任を果たせるのか。」という疑問が出始めてきました。


譲渡先探しに奔走

高い理想を掲げスタートした学童保育事業でしたが、マーケティング事業がスタートしたことで、そこに到底届かない運営体制となっていきました。

「このままでいいのだろうか」・・・

再び経営陣で、トライエッジの今後について議論をすることになりました。
思い入れのある事業だけに、なかなか結論は出ず、ときにお互い感情的になりながら、何度も何度も話し合いました。

そうした議論を経て、出した結論は・・・

「学童事業とベビーシッター事業は、その事業に詳しい企業へ譲渡する」というものでした。

お子様をお預かりする以上、今のままの体制で運営を続ける結果的にお客様に対して不誠実である、という判断からです。
学童にせよベビーシッターにせよ、現在進行形でお子様をお預かりしている以上、「はい、やめます」というわけにはいきません。
となると、信頼のおける方に事業を譲渡し、運営自体をお任せするしか選択肢は無いわけです。

いわゆるM&Aです。

まさか起業してからわずか3年で譲渡先を探すことになるとは・・・。
内心忸怩たる思いでしたが、「お客様に迷惑をかけない」という意味では、当時の私達にはそうするしかありませんでした。

当然それまでM&Aをやったことはなく、何からすれば良いのか分かりません。
でも、今後のことを考えると、急いで譲渡先を見つけなければならない。
M&Aの案件を扱う企業に問い合わせをしたり、譲渡先に良さそうな企業に直接連絡をしたりと、思いつくことは手分けしてすべて行いました。


学童もシッターも、私達にとって思い入れのある事業。そして大切なお客様や現場スタッフを委ねることになるので、譲渡先はどこでも良いわけではありません。
候補先の経営者の方々と直接話をし、私達の思いや希望をぶつけ、最適な譲渡先を探すべく奔走しました。

翌年度の準備も考慮し、2014年8月末までには相手を見つけよう、と経営陣で目安を決めていました。
学童事業の譲渡先が見つかったのはまさにその8月末のことでした。
タイミングとしてはギリギリだったので、この時は肩の荷が降りる思いでした。

ベビーシッター事業についても、12月頃に譲渡先が見つかり、2015年3月には学童・ベビーシッター事業は私達の元を巣立っていきました。

学童事業をスタートさせて、ほぼ3年。激動の創業期が幕を下ろしたのです。


「やりたいこと」と「やれること」

第一回でも触れましたが、創業期に起業家がやりがちな失敗として「やりたいこと」と「やれること」の区別がついていないことが挙げられます。

私達が陥ってしまったのが、まさにそのパターンでした。
人材派遣業界で育ち、法人営業におけるCRMマーケティングを得意とする私達が、未知の分野である「教育業界」で「店舗ビジネス」の「学童保育事業」を行ったことは、どう考えても無謀な挑戦だったのです。

しかし、創業当初はそのことに全く気付きませんでした。
危うく会社を倒産させるところまで追い詰められてあれこれもがいた結果、やっとの思いで会社を存続させることが出来ました。



一方で、私達が作った民間学童「こどもの杜」は、事業譲渡した後も順調に子どもたちを増やし、地域の子どもたちの放課後の居場所として、皆様に愛されています。
2018年4月には、こどもの杜の第一期生として2012年4月に入会した新一年生たちが、中学生になったという連絡を受けました。

あのやんちゃな子どもたちが、もう中学生・・・。

月日の流れの早さに驚くばかりです。

多くの学びがあった「やりたいこと」への挑戦。
右往左往しながらでしたが、地域のみなさんに少しでも貢献できたのかと思うと・・・結果はどうあれ、挑戦したことは私達にとっても貴重な財産となりました。


さて、6回に渡りお送りしてきました、トライエッジの創業ストーリーはこれにて終了です。

決して真似してはいけない創業物語。
読んでくれた人にちょっとでも示唆があれば嬉しいです。

反面教師として!
反面教師としてですよ!!!

そんな訳で、ここまでお読みいただきありがとうございました!!


でも、一つ言い残したことが。

「今後のトライエッジをどうしていこうと思っているのか」

私達の現時点での「やれること」と、その「やれること」の延長上にある「やりたいこと」を次回の番外編としてご紹介します。

過去の記事はこちらから ↓ ↓

トライエッジ創業ストーリー①

トライエッジ創業ストーリー②

トライエッジ創業ストーリー③

トライエッジ創業ストーリー④

トライエッジ創業ストーリー⑤

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