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先頭に立って旗を振ろう。世界は後からついてくる。リクルートメントマーケティング座談会 #2

人事、マーケ、セールス、それぞれ異なる立場から「リクルートメントマーケティング」の全貌を解き明かす座談会。前編ではこれまで部分最適的なアプローチで語られることが多かった採用活動の全体像を、上位概念となるフレームワークから改めて捉え直す必要性について激論しました。

続く後編では、ウォンテッドリーがリクルートメントマーケティングを推進する意義について、「市場づくり」の観点から考察します。

記事前編はこちら:

採用にも「上位のフレームワーク」が必要とされる理由。リクルートメントマーケティング座談会 #1 | Wantedly Blog
先日公開されたリクルートメントマーケティングの入門資料、皆さんはもうご覧になったでしょうか? 全88ページという特大ボリュームであるにも関わらず、おかげさまで多くの反響をいただくことができました...
https://www.wantedly.com/companies/wantedly/post_articles/162781


なぜウォンテッドリーがリクルートメントマーケティングを推進するのか?

小池弾(写真左):採用チームでビジネス部門の採用を統括。自社の採用プラクティスを元に、リクルートメントマーケティング・エバンジェリストとしても活動している。
藤本遼平(写真中央):Wantedly Visitのマーケティングチームのリーダーとして、、ビジネスディベロップメント全般を担当。身長188cm。
守部直人(写真右):大阪生まれ、大阪育ち。現在は自ら立ち上げたパートナーセールス部門を統括。強めのパーマをあてている。

小池:
ここからはウォンテッドリーという会社がリクルートメントマーケティングを推進している理由はなんだっけ?ということについて考えてみたいと思います。

「採用関連のサービスを提供しているのだからとくに不思議はない」といわれれば確かにその通りなのですが、Wantedly Adminがリードジェネレーション(認知獲得)からエンプロイーサクセス(エンゲージメント向上)に至るまでの、リクルートメントマーケティングのすべてに最適化されたツールであるとはいえない部分ももちろんある。Wantedlyがもっとも得意とするのは認知形成からナーチャリングまでの上流の工程であって、入社後のエンプロイーサクセスなどにはそれ専用の適したツールがありますから。

守部:
これ1つでリクルートメントマーケティングの全てが完結するわけではないけど、外せないツールとして成長していきたいですね。効果的な採用のためのロードマップを作るなら、まずはWantedlyの運用から検討を始めるといいし、Wantedlyとオンライン・オフライン含めた他の採用施策を掛け算して、全体最適でプランニングできるとなおよし、ということかな。やっぱり最終的な態度変容が起こるのはオフラインの面談の場だったりしますしね。

小池:
まさしく。さらに言えば、メンバーのビジョンマッチ度合いは入社後の持続的なモチベーションにもつながる可能性が高いので、そういう意味では上流と下流は切れ目なくつながっています。そこで、Wantedlyを他のツールとどう掛け算していくかが大切になってくるのだと思いますね。

採用活動をアップデートする“新しい理論”

藤本:
小池くんの言う通り、上流から下流までのすべてに最適化されたサービスではないですが、カバーしている範囲が他のサービスと比べても広いことは確かですよね。そしてカバーできる範囲が広いからこそ、利用するメリットをこちらからしっかり伝えていかなくてはイメージされづらい部分もあると思います。

その理解促進のためにも、リクルートメントマーケティングのフレームワークが必要になります。ソフトセレクション(カジュアル面談)の設計だったりとか、フィードを更新して採用ブランディングをするだとか、Wantedly Adminには潜在的な候補者にリーチするためのたくさんの打ち手が用意されていますが、その全ての根底にはリクルートメントマーケティングの考え方があります。そこを理解してもらうことで、Wantedly Adminをより能動的に使っていただくことができると思っています。

守部:
確かに、理論面からの採用活動の強化にウォンテッドリーとして貢献できれば、という思いはありますね。とはいえ、人事をご担当されていて、かつ専門的なマーケティング知識を持っているという人は決して多くないと思うので、「興味はあるけど、難しそうだからできない」というふうに尻込みしてしまう企業様もでてくると思っています。そういう意味では、「Wantedlyを使ってやっている採用活動がリクルートメントマーケティングだった」というような状態をプロダクトを通じて作り出すことができれば、理論ベースでの啓蒙は必要ないのかもしれません。

それとは逆に、リクルートメントマーケティングの理論を頭では理解できていても、多岐にわたる採用職種に対してそれぞれ異なるアプローチで採用をおこなう場合などでは理論と実践にギャップが生じてしまうこともあるだろうと思います。そういった企業様の課題に伴走しつつ、必要とあれば軌道修正を提案したりするのもセールスという存在なので、気合を入れてやっていきたいですね。

小池:
ウォンテッドリーの人事でもあり、リクルートメントマーケティングのエバンジェリストとでもある身としては、他社の人事の採用プラクティスをアップデートするような活動をしていきたいなと思っています。守部さんもいうとおり、理論の重要性は理解していても「とはいえ、これウチじゃ実践できないよね」というような人事の方はいらっしゃると思う。そういう人たちに向けて、同じ人事目線で「いや、こういうやり方をすればできるんですよ」というような伝え方をしていきたいですね。

市場にコンセプトを届ける、コンセプトから市場を作る。

藤本:
「伝え方」「広め方」についての話が出ましたが、個人的にはそもそもウォンテッドリーは市場がなかったところに市場を作るのが得意な会社だと思っていて。「話を聞きにいく」という体験だったりとか、「スキルフィットよりもカルチャーフィット」というような価値観だったりだとか、今ではだいぶ当たり前のものとして広まっていますが5年前にはそうではなかった。

リクルートメントマーケティングというコンセプトの発信を通じて目指すべきところは、「採用は確率論、いかに母集団を形成するかが大事」という従来の採用観から脱却して、「オンライン認知と継続接触で、採用ターゲットとの間にどうやって相思相愛の関係を築いていくか」というマインドセットへのアップデートを促すこと。そういう意味では、「採用のミスマッチを減らす」という、ウォンテッドリーが今まで言い続けてきたことを2019年バージョンとして言い換えたともいえます。

守部:
まさしく、自分たちが「こうあるべきだ」と思い描く未来のイメージを作って、そこに向かって事業を推進していく中でプロダクトも進化させる会社ですよね。今は社内のビジネス組織を拡大していくフェーズにありますが、あくまでもプロダクトを通じて未来を変えていく、テクノロジーでユーザーや利用企業に行動変容を促していくという軸をぶらしてはいけないと思います。

やっぱり、プロダクトの世界観に共感してくださるユーザーや企業を巻き込んで“シゴトでココロオドル人たち”による大きな文化圏の建設を目指すというのが、ウォンテッドリーの戦い方であり、ウォンテッドリーで働く醍醐味。じゃあどういう風にすれば目指す世界にたどり着くことができるのか、その見取り図を示すことがエバンジェリストとしての小池弾の役割なのかなと。

小池:
(笑)見取り図を示すといっても、教師役としてではなくあくまで対等な視点を通じてナビゲートできればいいなと思います。自社でもリクルートメントマーケティングのすべてをきちんと実践できているわけではないし、そもそも何から何まで完璧に実践できている企業はいないんじゃないかというのが僕の見解です。OKRの運用と同じで、すべての企業の事業戦略や目指す文化などが完全に一致することはありえないので、絶対的な「正解」を導ける方程式がないんですね。

だけど、考えて、しかるべき実践を踏んで、うまくいかなかったこともしっかり振り返った上で「型」にしようとしていることは確か。これまで通りの採用活動ではないことをやろうとしているし、自社のサービスをどう使えば採用効果が上がるのか、どういう風に社内に伝えていけば候補者の体験が最大化されていくかとか、つねに考えています。「市場を啓蒙する」というとすごく偉そうで嫌なのですが、「他社の人事といっしょに考え、実践する」であればどんどんやっていきたいですね。

エバンジェリストは一人じゃない。採用市場をアップデートするためにスクラムを組む。

藤本:
結局、誰かが新しいコンセプトを掲げた時って、「すごく賛成する人が2割、中間層が3割、反対する人が4割」というのが一般的な反応だと思う。なので、リクルートメントマーケティングの考え方に共感してくれて、うちが旗を振った時にそれを支持してくれる人を巻き込んで概念を広めていきたいです。

そうやってうねりを可視化できれば、世の中の大多数はトレンドを生み出している側につくと思うので。なので、エバンジェリストは小池くん一人じゃなくて、開発する人、それを広める人、それぞれが先頭に立つイメージでトレンドを作り出していきたいですね。

守部:
セールス視点でいえば、「自社にマッチする人を採らないと事業は成長しない」という採用活動のそもそもの意義を企業様と共有した上で、じゃあいい人を採用するためにはこういう採用手法をやっていかないといけないですよね、リクルートメントマーケティングでは今こういうことが叫ばれていますよ、他社さんはこういうことを実践してますよ......そういう風にコミュニケーションを取っていかなくてはいけないと思っています。

すでにWantedly Adminを利用してくださっている企業様は一定数いるので、一緒に採用市場をアップデートしていけたらと思うし、そこで営業が企業様と共有しているフレームワークとしてリクルートメントマーケティングの概念を使っていきたいです。

小池:
「リクルートメントマーケティングは誰のものでもない」ということですよね。誰もが用いることのできるフレームワークで、誰もがそのメリットを享受することができる考え方であると。今回の座談会では企業目線で見たリクルートメントマーケティングの話がメインでしたが、採用市場がアップデートされることによって一番メリットを享受するのは、キャリアについて考えるきっかけとしてWantedlyに接触している個々のユーザーなのだろうと思います。

候補者、市場、顧客とそれぞれ向き合う先は違いますが、このフレームワークが広まる先に「シゴトでココロオドル人をふやす」というミッションの実現があると思うので、引き続きみんなで頑張っていきましょう!

連載ブログ「リクルートメント・マーケティング入門」はこちら:

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