こんにちは、データサイエンティストの市村です。この記事はウォンテッドリー アドベントカレンダー2025夏の11日目の記事です。
本記事では、2025年3月に開催されたデータ分析コンペティションに、平日朝4:30から挑戦するという取り組みの実践記録を紹介します。
「データ分析コンペに参加したいけど、平日は時間が取れない」や「データ分析コンペに限らず、朝の時間をもっと有効活用したい」といった悩みを抱える方にとって、新しいヒントになるような内容をお届けできれば幸いです。
目次
なぜ朝に取り組もうと思ったのか
朝4:30から始まるコンペ期間中の1日
気合いではなく仕組みに頼る早起き
早起きは早寝から
強制力を味方につける
目的を明確にする
得られたメリットとコンペの結果
集中力の向上
生活リズムの安定
コンペの結果
仕事への応用
おわりに
なぜ朝に取り組もうと思ったのか
2025年3月、データ分析コンペティション「[#19 atmaCup」が開催されました。データ分析コンペティションとは、与えられたタスクとデータに対して予測モデルの精度を競い合うもので、機械学習やデータ分析の実践力を高める場として、近年多くのデータサイエンティストに親しまれています。
atmaCup は atma 株式会社が運営する国内のデータ分析コンペプラットフォームで、数日から2週間程度と比較的短期間で開催される点が特徴です。 コンペ設計の質の高さや、参加者同士の活発なディスカッションにより、毎回学びの多いコンペが開催されることで知られています。今回のテーマは自身の得意分野に近く、ぜひ参加したいと考えました。
ただ、参加にあたって大きな問題がありました。それは「どうやって時間を捻出するか」です。平日の日中はもちろん仕事があり、土日も帰省などのプライベートの予定が入っていました。深夜に取り組むという選択肢もありましたが、過去の経験上、仕事や健康に支障が出てしまうことが多く、避けようと考えました。そこで最終的に「早朝の時間を活用してみよう」と思い立ちました。自分にとって未知の挑戦でしたが、他に選択肢がない状況だったからこそ、トライしようと考えました。
朝4:30から始まるコンペ期間中の1日
コンペ期間中の1日をどう設計するかを考えたとき、まず決めなければならなかったのは「何時に寝て、何時に起きるか」でした。
atmaCupには、Kaggleなど他の分析コンペのプラットフォームでも実績を持つデータサイエンティストが多く参加しています。そうした中で良い結果を目指すには、集中して取り組むための時間を一定確保することが必要でした。そこで私は22:30に就寝して朝4:30に起床し、そこから7:30までの3時間をコンペに取り組む時間に充てることにしました。
実際のスケジュールは以下のようなものでした。
朝の時間帯には、実装に時間がかかる実験や、有効なアプローチを探るための探索的なデータ分析、過去の実験結果の考察など、集中力が必要な作業を優先して行いました。
一方で夜の時間帯は、頭をあまり使わずにできる作業、例えば翌朝のタスクの整理や実行するのに時間がかかる実験の投入などにとどめました。コンペが盛り上がってくると、他の参加者のスコアや投稿が気になってしまい、夜にも活動してしまいたくなるのですが、翌朝のパフォーマンスを優先し、意識して早めに寝るようにしていました。
気合いではなく仕組みに頼る早起き
ここまで読んで頂いて「4:30に起きるなんて無理」と感じた方もいるかもしれません。実際、私ももともとは夜型で、早起きは苦手でした。そんな自分が気合や根性だけで継続するのは難しいため、自分を動かすための仕組みをいくつか用意することで、早起きを続けられるようにしました。
早起きは早寝から
朝4:30に起きるためには、まずは早く寝ることが大前提になります。起床直後、身体はあらゆる理由をつけて二度寝を正当化しようとします。「5時間しか眠れていないから仕方ない」といった言い訳が生まれないよう、最低6時間以上の睡眠を取ることをルールにしていました。
早寝を実現するうえで特に効果的だったのが、寝室にスマートフォンを持ち込まないことです。就寝前にスマートフォンを見ると脳が覚醒してしまいがちですが、コンペ期間中はさらに、コンペのリーダーボードや他の参加者の SNS での投稿が気になってしまうため、睡眠の妨げになりやすいと感じました。
そこで、毎晩22時にはスマートフォンを書斎に置くことを自分に課し、それを徹底するようにしました。これだけでも就寝への移行がスムーズになり、自然と早寝が習慣化されていきました。
強制力を味方につける
早起きのような新しい習慣をひとりで継続していくのは、なかなか難しいです。そんなときに効果的なのが、同じ目標を持つ仲間と一緒に取り組むことです。
今回の atmaCup では、自分からチームメイトを誘って参加しました。はじめからこのような狙いを持って声をかけた訳ではないのですが、取り組む中で「自分から声をかけた以上、しっかり取り組まなければ」という責任感のような気持ちが自然と生まれました。
また、現在も私は早起きの習慣を続けており「みんチャレ」という習慣化アプリを活用しています。このアプリでは、早起き・運動・勉強などのテーマごとにチームを組み、互いに成果を報告し合うことで習慣を支え合う仕組みになっています。
このように、人とつながることによって“ゆるやかな強制力”が生まれ、行動を継続しやすくなるのだと実感しました。
目的を明確にする
何かを続けるためには、「なぜ今それをやるのか」という明確な目的が必要です。これは早起きに限らず、どんな習慣にも共通することだと思います。
今回の私の場合、もちろん「atmaCupで良い成績を出したい」という目的がありました。それに加えて、「湘南Kaggler会」という勉強会で、この早起き+分析コンペの取り組みを発表する予定をあらかじめ抑えていたことも、大きなモチベーションになりました(当日の発表資料)。
「発表の場がある」ことで、日々の取り組みが動機づけされ、継続する理由が強くなります。このように、“なぜ今それをやるのか”という問いに自分なりの答えを持っていることが、習慣を支える大きな力になると感じました。
得られたメリットとコンペの結果
ここからは、早起きをしてコンペに取り組んだことで実際に感じたメリットについてお話しします。
集中力の向上
まず実感したのは、朝の時間は思考が冴えていて集中しやすいということです。多少の眠気はあるものの、睡眠によって脳の疲れがリセットされており、思考のキレがある状態で作業に入れました。また、朝には仕事の始業時間という明確なタイムリミットがあります。限られた時間内で成果を出さなければならないという意識が働き、集中力が高まりました。
過去の分析コンペで深夜に作業していた際は「時間はいくらでもある」と錯覚してしまい、睡眠時間を犠牲についダラダラと作業してしまうことが多くありました。その点、朝の時間は“期限付き”であるため、そのようなことは発生しづらかったです。
生活リズムの安定
次に感じたのは、生活リズムが安定し、比較的健やかに過ごせたことです。過去のコンペでは、深夜に取り組むスタイルが続き、就寝時間が乱れて仕事や健康に影響を及ぼすこともありました。一方で朝型生活に切り替えると、最初の数日はつらいものの、次第に体が慣れてきて、無理をしている感覚は薄れていきました。就寝時間を固定することで、結果として十分な睡眠時間も確保でき、それが日中のコンディションにも好影響を与えていたと思います。
こうした朝型の取り組みは、atmaCup のような短期間のコンペだけでなく、Kaggle のような数ヶ月にわたる長期コンペにも応用可能だと感じました。気合いや勢いで乗り切るのではなく、日々の生活に持続可能な形で溶け込ませることができると考えています。
コンペの結果
このような工夫の積み重ねにより、今回の atmaCup では総合2位という満足のいく結果を得ることができました。もちろんこの結果は、自身が比較的得意なテーマであったことや、チームメイトの多大な貢献といった要因も大きいです。ただ、朝の時間に生まれたアイデアや、集中して分析できたことがスコアにつながった場面が多くありました。
https://www.guruguru.science/competitions/26/leaderboard
仕事への応用
朝の時間を活用する取り組みは、分析コンペに限らず、日々の業務にも応用可能だと考えています。現在はさすがに4:30起きではありませんが、朝の1〜2時間を使って、気が重く後回しにしがちなタスクに取り組むようにしています。
朝は頭が疲れておらず、日中よりも作業がスムーズに進むことが多いです。また、午前中のうちに重いタスクに着手できていると、午後の打ち合わせなどにも気が散ることなく向き合うことができます。
もちろん重めのタスクは朝の時間で終わらないことも多いです。ただ、1日の中の始まりの時点で「このタスクはやはり重いタスクだ」とタスクの難易度を認識できるだけでも意味があります。その気付きにより、タスクの優先度を見直したり、別の業務を調整したりといった判断につながると考えています。
おわりに
データ分析コンペに取り組みたいけれど、時間がない。そんな悩みを抱えている方にとって、「朝の時間を使う」という選択肢は、ひとつのヒントになるかもしれません。
もちろん、人それぞれ体質やライフスタイルは違います。無理におすすめはできないですが、もし今のやり方に悩んでいるなら、一度試してみてはいかがでしょうか。この記事が、ささやかなきっかけになれば嬉しいです。