こんにちは、ウォンテッドリーでインフラエンジニアをしている @fohte です。
今回は 2025 年 7 月 11 日 〜 12 日の 2 日間にわたって開催されている SRE NEXT 2025 に参加しました。本記事では Day 1 の参加速報をお届けします!
筆者が参加した SRE NEXT 2023 では 1 日のみの開催で、今回はスポンサーブースもより広くなっており、SRE NEXT の規模も大きくなっていることを実感しています。
モニタリングツール体験パーク
SRE NEXT 参加の目的として、セッション聴講はもちろんのこと、日頃から筆者含めウォンテッドリーメンバーが登壇や参加している Japan Datadog User Group (略称 JDDUG) の一員として、会場の一画に用意されているモニタリングツール体験パークのブース担当の役割も兼ねて SRE NEXT に参加しました。
モニタリングツール体験パークでは、Datadog だけでなく New Relic や Grafana といったモニタリングやオブザーバビリティツールを展示しています。我々 JDDUG ではデモ用のアプリケーションを用意して、そのダッシュボードやメトリクス、APM や RUM、ニッチなところだと Database Monitoring や LLM Observabllity なども自由にお試しいただけます。
ブースではウォンテッドリーが普段どのように Datadog を活用しているかというお話もできますし、筆者だけでなく他社の JDDUG メンバーも参加しているため、いろいろな会社の知見も提供できます。Day 2 で SRE NEXT に参加される際はぜひお立ち寄りください!
セッションレポート
イベントのメインである各セッションについては、ブース対応の合間を縫って聴講しました。どのセッションもウォンテッドリーの業務に活かせそうな知見が多く学びの多い内容でした。中でも印象に残ったものを 3 つご紹介します。
『複雑なシステムにおける User Journey SLO の導入』
株式会社メルカリの土屋健司さんによるこのセッションでは、メルカリがマイクロサービス構成において抱えていた従来の SLO の課題を、User Journey SLO という顧客視点のアプローチで解決した事例について紹介されました。従来のマイクロサービスごとの SLO では、ユーザーが実際に体験する問題を適切にキャッチできない課題があったとのことです。そこで、ユーザーの行動フローに沿った SLO を設定することで、より実用的な信頼性指標を確立されました。また、クリティカル API の特定やフロントエンドの変化に対応するテスト自動化についても具体的な手法が説明されました。
マイクロサービスごとに SLO を設定してしまうとユーザーが直面している問題に気付く指標にできないという点が、思わず膝を打つ話でした。さらに印象的だったのは、クリティカル API の発見手法とそれを応用したフロントエンドの変化に対応するテスト自動化でした。ウォンテッドリーでも同様の悩みがあったため、非常に参考になる内容でした。
『OpenTelemetry セマンティック規約の恩恵と Mackerel APM における活用例』
株式会社はてなの朝倉一希さんによるこのセッションでは、OpenTelemetry のセマンティック規約がどのような価値を提供するかと、それを Mackerel APM で活用している事例について説明されました。OpenTelemetry のセマンティック規約は、テレメトリデータの属性名や値を統一する取り組みで、たとえば http.request.method や url.path などの属性名が標準化されているため、計装ライブラリや送信先が多様な環境であっても同じ意味・構造のデータとして一貫して扱える利点があります。
我々が普段見慣れている span 属性が OpenTelemetry のセマンティック規約によるものだと知れました。ウォンテッドリーでは現状 SDK に計装全てを任せている状態ですが、こうした規約の存在を知っておくことで、将来的に他の監視ツールや自前実装を検討する際のライブラリ選定においても役立つ知識だと感じました。
『とあるSREの博士「過程」』
さくらインターネット株式会社の yuuk1 さんによるこのセッションでは、「作る側になりたい」という動機から博士課程に進学した経験について語られました。特に、「エンジニア時代の思い付きの寄せ集め」から始まった 3 つの研究テーマが、それぞれ学術的貢献の言語化の困難さ、先鋭化による貢献幅の狭まり、膨大な試行錯誤といった課題を抱えながら、最終的に博士論文として一本のストーリーにまとめる困難さについても詳しく語られました。
学術論文を通じて技術トレンドを先読みできるという観点が最も印象に残り、論文のリサーチへの興味関心が湧くセッションでした。また個人的な感想として、博士課程での研究プロセスや具体的な取り組みについて詳しく知る機会は少なく、yuuk1 さんの経験を通じて学術研究とエンジニアリングの接点について新たな視点を得られた点も大きな収穫でした。
最後に
SRE NEXT 2025 Day 1 では、JDDUG の一員としてモニタリングツール体験パークのブース運営に携わり、来場者の方々から現場で直面している課題や悩みを伺いながら、ウォンテッドリーでの具体的な事例や工夫を共有でき、とても有意義でした。また、セッションでは実践的な現場のノウハウから最先端の学術研究まで幅広い視点で SRE の知見を学ぶことができ、学びの多い一日となりました。
最後に宣伝です。次回の JDDUG@東京 は 8/20 (水) に弊社ウォンテッドリーの白金台オフィスにて開催されます。ぜひご参加ください!