── マネジメントでも、専門職でもない働き方
アライドアーキテクツ株式会社 AI特命部 部長 岩間亮
電話営業、工場の組み立てライン、独学のプログラミング、リーマンショックで潰れたベンチャー――普通なら「遠回りだった」と振り返りそうな経歴を、岩間さんは「気づいたらここに行き着いていた」と語ります。
15年以上前にアライドアーキテクツへ入社し、Xキャンペーン支援ツール 「echoes」の開発、海外開発拠点のCTOを経て、現在は全社のAI活用を率いる「AI特命部」部長を務める岩間さん。マネジメントでもなく、いわゆるエキスパートでもない。
なぜ、その絶妙な立ち位置がこの会社では機能するのか?岩間さんに、本音で語ってもらいました。
マネジメントでも、エキスパートでもない立場
── まず、現在の役職と担当業務を教えてください。
「AI特命部」という部署で、特命部長をしています。僕はエンジニアなんですが、業務内容はエンジニア組織向けのAI導入支援ではなく、全社に向けたAIの導入・サポート・アドバイザリーです。「特命部」という名前の通り、業務で使えそうなAI技術を自分から調査・検証して、これは良さそうだと思ったものを社内にエスカレーションしていく、という動き方をしています。最近のエピソードだと、Claude CodeやDevinのようなAIエージェントの導入も、僕が「やりましょう」と言って始めました。
それとは別に、エンジニア組織の中の「Tech会」という技術寄りのメンバーが集まる場も僕が立ち上げて、今もそこに所属しています。AIのスキルアップの方向性を検討したり、コンテンツを用意したり。あとは、以前CTOをやっていた時期に担当していた1on1を、希望する人には今も続けています。ただ、これは「マネジメント」ではなくて、あくまで個人としての関わりですね。
色々やっているうちに、たどり着いた
── これまでのキャリアを教えてください。アライドアーキテクツに入社を決めた理由は?
実は元々エンジニアだったわけではなく、新卒の頃はPCを売る電話営業をやっていました。2年ほどで一旦辞めて派遣社員になり、岩手の山奥にある工業地帯で組み立ての仕事をしていた時期に、個人的にプログラミングを勉強し始めたんです。そのスキルを生かして今度はSIerに派遣されるようになりました。
ちょうどその頃Twitter(現・X)が盛り上がっていて、色んな地域のプログラマーと繋がる中で、東京のベンチャー企業から声をかけてもらって転職したんですが、入社3ヶ月ぐらいでちょうどリーマンショックの影響が直撃して会社が立ち行かなくなってしまいました。せっかくエンジニアが集まっているのに、そのまま解散するのも勿体ないよねということで、そのままみんなで小さな下請け会社を始めたんですが、発注元が飛んでしまって会社の先行きが不安になったりと世の中の不安定さに煽られる状態が続いていました。その時に声をかけてもらったのが、アライドアーキテクツでした。入社当時は品品というプロダクトの開発真っ最中で、その関連の開発をしていました。しばらくして当時のCTOから声をかけてもらってスマートフォンアプリの開発に携わるようになり、モニプラのiOSクライアントなども作っていました。並行して社内の技術ブログや社外向け勉強会の立ち上げにも関わって、採用ブランディングのような活動もしていましたね。
その後、スマホの性能が上がってきて世の中がネイティブアプリからWebアプリケーションに回帰しそうだなと考えていたタイミングで、社内業務改善のプロジェクトに合流しWebアプリケーションのエンジニアに戻り、Twitter運用支援ツールの開発を担当することになりました。後に「echoes」としてリリースされ、事業として成功した流れで、ベトナムの開発拠点を買収するタイミングで急遽CTOを任されることになり、1年の半分をベトナムで過ごしながら組織づくりや採用基準の策定に携わりました。コロナ禍と結婚が重なったタイミングで日本に戻り、国内事業のCTOとして組織再編などを担当していたところに、ChatGPTが登場して、経営層からAIの社内導入を頼まれたのが今につながっています。
「目指した」のではなく「行き着いた」
── 今のような立ち位置は、ご自身で意識して選んだものですか?
目指してなったというより、色々やっているうちにたどり着いた、という感覚の方が近いです。僕は会社の等級制度的にはPM扱いなんですが、特命部は自分一人の部署になります。仕事柄開発も行いますが、全て自作のエージェントで行っているので開発メンバーもいません。僕は開発チームの1メンバーとして入るにはちょっと使いにくいタイプだと自分でも思っていて(笑)生産性がある自負はあるんですが、思いが強く尖っていたりする部分もあって、誰かの下で大人しく開発だけやるのには向いていません 。
だから、会社が自分の特性を見て、「この人の能力を一番活かせる場所に置こう」と判断して、この特命部というポジションを作ってくれたんだと思います。無理に型にはめられていたら、今の状態にはなっていなかったはずです。
裁量を持ってなんでもやりたい性格なので、誰かの指示のもとで淡々と開発をするのは正直得意ではないかもしれません。ただ、それを矯正されることなく、思うようにやれる場所を用意してもらえたので、失っているものより得ているものの方が大きいと感じています。
【プロフィール】
岩間 亮(いわま りょう)
アライドアーキテクツ株式会社 AI特命部 部長
新卒で電話営業に従事した後、派遣社員として工場勤務を経験する中で独学でプログラミングを習得。SIerでの勤務を経て東京のベンチャー企業に転職するも、リーマンショックの影響で事業継続が困難となり、仲間と共に受託開発の会社を立ち上げる。その後、アライドアーキテクツに入社し、スマートフォンアプリ開発やTwitter運用支援アプリ「echoes」の開発などを担当。ベトナム開発拠点の社長交代と追加買収に伴いCTOに就任し、帰国後は国内事業のCTOとして組織づくりに従事。ChatGPT登場を機に全社的なAI活用推進を任され、現在はAI特命部部長として全社へのAI導入・サポート・アドバイザリー業務を担う。マネジメント職ではないが、能力に応じた活躍の場を与えられ、“イチ開発者”として裁量を持って新しい技術に挑戦し続けている。
▼後編はこちら
https://www.wantedly.com/companies/AlliedArchitects/post_articles/1086572