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スタートアップ草創期における採用や組織づくりで意識して良かったこと

※この記事は、株式会社Ancarのアドベントカレンダー2019の12/6分として公開されています。

今年も早いもので残すところ1ヵ月を切りました。年明けにはAncarも創業して5年になります。思えば右も左もわからないまま起業して、社員や周りの方々に(本当に、本当に!)支えていただきながら駆け抜けてきた訳ですが、今年も無事年末(期末)という節目を迎えるにあたって少し今までの学びを振り返ってみたいと思います。

今まで様々な課題、困難に直面してきましたが、こと特に人材・組織の課題が一番大きく難しいものだと感じています。今年は事業フェーズが大きく変化したと共に、普通のオンライン完結型のITスタートアップには我々のようなフェーズ(正社員20人前後)では起こらないであろう人材、組織の課題が顕著になり、そこの学びが特に大きかった年ではないかなと思っています。

では、その普通のオンライン完結型のITスタートアップでは起こらない組織課題とはなにか。それは簡単に言えば人種の違いから来る課題です。我々のサービスはオンラインサービスだけでは完結せず、オフラインとの連携が必要不可欠なサービスです。ただ我々は、ネット上で情報の提供を行い、店舗での購買行動に影響を与えるO2O(Online to Offline)とは違い、よりオンラインとオフラインが複雑に絡み合うOMO(Online Merges with Offline)サービスです。
こうなるとインターネット上の技術に対する知見だけではなくて、オフラインの産業そのものを深く知る必要があります。ということは、IT人材と、リアル産業を本当の意味で理解した人材をうまく融合して運営していく必要があります。スタートアップのお作法に理解のあるIT系の人材だけでなく、リアル産業出身の現場スペシャリスト系の人材までをマネージし、人種を超えてうまく融合していくためのそもそもの理解や仕組みが必要だったのです。ここに本当の意味での理解ができていなかった我々は盛大に躓きました。

では、それを乗り越えるにはどうすればいいのか。まだ完璧に乗り越えられたわけではないですが、色々試してきて解った重要なポイントがあります。それはもう既にどんな教科書でも使い古されてきた言葉である、「カルチャーに合った人材を集めてビジョンを共有する」ことです。
当たり前の事だと言われそうですが、これは言うは易しで、上記の通り本当の意味で理解できたのは様々な組織の課題問題に直面し、躓いてきてからでした。

そこで具体的にどういう施策、心構えが必要なのか。簡単に挙げると、
・人や組織、サービスに対して誠実な人材のみを採用する
・ビジョンや想い、カルチャーを言語化してしつこく伝え続ける仕組み
この2点に集約されるかなと思っています。
これまた当たり前の事だと笑われそうですが、この2つ、特に1点目の採用の心構えにはかなりの失敗をしなければたどり着けませんでした。

やはり人を採用する際に、キラキラの経歴とかスキルとか技術に目が行きがちです。それは言うまでもなく事業をドライブするために重要な観点です。ですが、そこばかりに目が行ってしまい、様々なモノ・コトへの誠実さという部分をなおざりにしてしまうと、せっかく持ち合わせているスキルも活かせずスタンドプレーに走ったり(ここの良し悪しはその時の会社の状況によるとも思っています)、社内批評家と化してしまいチームとして全くワークせず、まわりのメンバーもそれに引っ張られるという結果になってしまいます。我々のような崖から落ちながら飛行機を組み立てているフェーズの会社にとってこれは致命的でした。

投資家ウォーレン・バフェットも採用についてこう言っています。
"私は人のここを見る―「知性」「行動力」「誠実さ」3番目が欠けているなら、最初の2つも見ない"
後になってからこの言葉も知りましたが、仮に初めから知っていても実際に体験してみないことには本当の意味で気付けなかったでしょう。
ただ、そこに気付けたことによって築けた今のチームは(技術的、スキル的にまだ不足があったとしても)間違いなく今までで最も良いチームだと思っています。

そして、そういった何事にも誠実に向き合える人たちに対して、2点目のビジョンや想い、カルチャーを言語化してしつこく伝え続けるということを意識し始めました。
もともと紆余曲折があって、自分自身はなるべく感情を表に出さないように意識していたのですが、いい意味でのパッションをも閉じ込めてしまっていることをある社員に気付かされました。そこに関してはずっと自分も違和感を感じてはいたのですが、それを"良いことなのだ"と背中を押してくれたのは単純に嬉しかったとともに、こういった”チーム”ができてきたことにとても心強さを感じています。

こういった何事にも誠実に向き合うチームであれば、現時点での事業理解や業界理解、スキルが多少不足していたとしても、常に目指すべきビジョンを共有し続ければ理解し、コミットしてくれる、一緒に夢を追ってくれる伴走者となってくれるのです。
そういった人材を増やしていく事こそが今の我々のフェーズにおいて組織を強固なものにし、事業をドライブすることに繋がると思っています。

我々は業界的にも商材的にも相当難しいことに挑戦しようとしています。
ただ、今のチームで何事も誠実にポジティブにアプローチしていける限りはどの様な難題も乗り越えていけると思います。
また、我々の掲げる安心安全な移動体験の提供には誠実なアプローチが必要不可欠です。
結局目指すところもそこに落ち着くというわけで、まだまだ成長過程な組織やサービスや僕ですが、ぜひ目指す世界を実現できるよう全てのモノ・コトに誠実に向き合って頑張っていきましょう!


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