「作らない」を選択すること|株式会社カンリー 公式note
まえがき カンリーでシニアプロダクトマネージャーをしている越智(X : @ochi__san)です。 「あったらいいなは、なくていい」を長年のキーワードにし、「作らない意思決定」をたくさんしてきました。 「作らない意思決定」はよく質問されるテーマで、PdMにとって永遠の課題と言ってもいいかもしれません。 ...
https://note.com/canly/n/nfc8bd7d7b99c
※このストーリーは、noteで発信した記事を転載しています。
カンリーでシニアプロダクトマネージャーをしている越智(X : @ochi__san)です。 「あったらいいなは、なくていい」を長年のキーワードにし、「作らない意思決定」をたくさんしてきました。
「作らない意思決定」はよく質問されるテーマで、PdMにとって永遠の課題と言ってもいいかもしれません。 そこで今回は、プロダクト開発において「作らない」とはどういうことなのかを(AIではなく)自分なりの言葉でまとめてみました。
「作らない」とはどういうことか。 「作らない」と聞くとネガティブな印象を持たれるかもしれませんが、全くそんなことはなく、「いま作るべきもの」を明確にするための良いアプローチです。
世の中にデリバリーされる機能の内、60%以上の機能は使われていないというレポートがあります。 この事実からも、いかに不要な機能を作らないかという観点は、事業やプロダクトの成長スピードに大きく影響を及ぼします。実際に、選択と集中によって特定の事業範囲に限定した開発にフォーカスすることで、大きく売上を伸ばすことに成功した経験もあります。
出典:THE CHAOS REPORT
つまり、「作らない」とは、本当に必要なものだけに集中して最速でデリバリーするための意思決定手法です。特に我々のようなスタートアップは、限られた時間と人員でマーケットを突っ走る必要があるため、「分散」ではなく「集中」が重要です。
「作らない」は「拒否」ではなく、価値の最大化のための戦略的な「選択」です。 どのように作る作らないの意思決定をするかは会社によって様々だと思いますが、以下のようなことを考えています。
もし、意思決定に迷うようなことがあれば、扱うサイズを小さくし、小さい意思決定を複数回行うということをおすすめします。家を買う意思決定より靴を買う意思決定のほうがしやすい、みたいなイメージです。
次に、コストの観点から考えてみます。 作らない意思決定をしつつ作るべきものに集中しなければいけない理由は、限られたリソースを最適に配分するためです。スタートアップに限らず、コストはできるだけ抑えたいですよね。
具体的には、以下のようなコストが発生します。
これらのコストは、分散すればするだけ肥大化し、作れば作るだけ複雑化していきます。「本来作るべきものに着手できない」という機会損失や、エンジニアのスイッチングコストも無視できません。
さらに、ビジョンとの関係性も重要な判断基準です。 各社にはカンパニーのビジョンやプロダクトビジョンがあるはずです。 あらゆる要望を受け入れた時、ビジョンに寄り添うプロダクトで在り続けることができるでしょうか。
おそらく難しいでしょう。なぜなら、個々の要望は短期的なニーズに応えるものの、必ずしも長期的なビジョンと整合するとは限らないからです。
例えば、短期的ニーズはビジョンに即していなかったり、ユーザーからの属人的要望はプロダクトの全体最適が崩れてしまいます。
事業やプロダクトが見据えている未来や持っているポリシーが薄れてしまうようなアップデートになる可能性もあります。 そういった意味においても、作らない判断をすることは重要です。
要望は、事実ではなく解釈
これは私がいつも意識していることです。
これは、ユーザーからの要望を蔑ろにするという話ではありません。 要望は、本質的な課題や潜在的なニーズをキャッチするための「アラート」と捉えています。
要望をそのまま受け取るのではなく、1歩2歩踏み込んでユーザーを理解することで、「作るべきか」「作らないか」の判断がしやすくなります。 そのまま実装してしまうと、解決すべき問題からズレることが多いです。
弊社でもUXリサーチの取り組みを開始し、ユーザーが実際にプロダクトを使っている状況の理解に努めています。今後も積極的にUXリサーチを実施し、ユーザーの解像度を高め、「作るべきもの」の判断をしたいと思っています。
結局のところ「作らない」とは、プロダクトの行く末に対して集中を選ぶという行為であり、事業やプロダクトの成長スピードを維持・最大化することにつながるアプローチです。作らないとは何かを考えることは、プロダクトを中長期的に強くすること、とも言えます。
会社の状況やプロダクトマネージャーによって様々なご意見がありそうですが、弊社の一つの考え方として捉えていただけると幸いです。
こんなことを考えながら日々プロダクトのグロースと向き合っている私たちは一緒に働くメンバーを大募集しています。 まずはカジュアルにお話するだけでも良いので、気軽にエントリーください。