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「コマースの当たり前」を本気で変えるために、生成AIの研究開発チームを立ち上げます

Algoageと私の紹介

はじめまして、株式会社Algoage CTOの安田と申します。
弊社Algoageは、DMMのグループ会社として、チャットブーストCVというカンバセーショナルコマース(オンライン上での会話によるコマース)のサービスをコアに事業をしています。私はその創業者であり、現在はCTOをしています。

ALGO INSIDE #4 CTO募集中。月次で倍々成長を続けるチャットボット事業における、ノーコードシステムの開発。|株式会社Algoage
こんにちは、Algoage採用担当です! 今回はCTOの安田洋介さんにインタビューいたしました。「適任者が見つかれば、CTOを譲りたい」と考えております。真意について詳しく聞いてみました。 安田洋介(やすだ・ようすけ) ...
https://note.com/algoage/n/nf1810ab200d0

もともと、私含め経営陣3名ともAIの領域を学生時代から研究しており、その進化が世の中の当たり前を変えると信じて会社を立ち上げ、事業をしてきました。特に私は、言語というものが人間の知能にとってコアだと思って、自然言語処理に強く期待していました。
そしてここ最近、ついに自然言語処理の世界で大きなブレークスルーが起き、ChatGPTなどの技術が出てきました。その中で、より強くそこにコミットしないとという思いが強くなって今回の記事を書くに至りました。





今のAIの進化は、大きな変化の始まり

“超強力な単一モデル” と “使いたい用途への適応させやすさ”

まず、ここ最近のAIの盛り上がりって何がすごいの?これまでのAIの話と何か変わったの?という話から。

私が大学生の時に、Deep Leaningという技術を中心として、いわゆる、第3次AIブームがスタートし、その頃から自分で実際に作ったり、色々と学んできました。ただし、当時からしばらくの間は、特定の解くべき問題を設定し、そのためのデータを大量に集め、0からその目的に沿うAIを作ってようやく使えるようになるというものがほとんどでした。
その時点でも、これまで機械では難しかったような、複雑で人間がなんとなく解いている(ただし、その解き方を厳密に説明できない)問題を解けるようになったという意味で画期的なものでした。そのため、上記のような労力に見合ってもインパクトがあるところから成果を挙げ、話題になっていきました。とはいえ、逆にいうと、コスト対効果が見込みにくいようなところは、まだまだ手付かずにせざるを得ない状況でした。

その中で徐々に、研究領域として、多くのデータを1つの強力なモデルで学習しておき、利用するときに、どういう用途で使いたいかの情報を与えることで多様な使い方にすぐ対応できるような形での工夫が進化してきました(専門用語では、Zero-Shot Learningと言われています)。この進化が、AI普及におけるハードル低下の鍵になるはずだと当時から思っていたのですが、まさにこの進化が今回のブレークスルーの1要因なのではと思っています。

最近の盛り上がりの中心は、ChatGPTが物凄く広い領域に、低コストで入れるようになったことだと考えています。それはまさに、上記の “超強力な単一モデル” と、 “使いたい用途への適応させやすさ” が肝になっています。さらに、“超強力な単一モデル” の部分はリソースをスケールさせれば、まだまだ伸びることがほぼ証明された状態ですし、“使いたい用途への適応させやすさ” も、言葉というとても柔軟な形式で実現できていることを考えると、どんどん適応させやすくなっていく、あるいは適応させるためのノウハウが爆発的に生まれてくると思っています。要は、まだまだイノベーションの序盤であり、チャンスの大きい領域だと考えています。

誰もが簡単に、最良の意思決定ができる世界へ

コマースは大幅に “スムーズ” になる

では、その大きな可能性を秘めた生成AIは、Algoageの事業領域である “コマース” をどう変えるのか。

一旦本題に入る前に、ここで言うコマースって何?というのを補足しておきます。言葉的に、零細なオンラインショピングとかをイメージしてしまう人も多いかもしれないですが、広く、 “価値があるもの・サービスと、別の価値があるもの・サービスの交換 ” と定義させてください。お金と何かの交換(購買)も含みます。
上記のような定義で見ると、個人としても、組織としてもとても身近なもの(むしろ、コマースと関係ない身近なものを見つけるのはほぼ不可能)ですし、ものすごく過去に遡っても、集団生活では必ず起きていたであろう、根源的なもの(狩猟採集時代でも、様々な交換は行われていたはず)だと思います。

そして、このコマースと切っても切り離せず負荷が大きいのが、営業マーケティングです。
開発、製作に携わる人であれば、こういった営業やマーケティングよりも、良いものを創ることにもっとフォーカスしたいと思う方も多いと思います。そして、まさにそれらの負荷が下がることで、良いものを創ることにもっとリソースをかけられるようになります。そう考えると、開発者にとっても、非常に魅力的な話だと思います。

今のAIの進化によって、この営業とマーケティングにおける売る側・買う側の負荷が大幅に下がると思っています。まず、ここで解決しようとしている課題は、①売りに出したいものの価値を求めている人を見つけ、接点を作る大変さと、②交換対象の価値を事前に見積もる、見積もってもらう大変さです。というのも、売る側としては、できるだけ価値を高く見積もって購入する人とコミュニケーションが取りたいものの、その適切な人を見つけるのはとても大変でしょうし、また買う側としては、後悔しないよう購入でのメリット/デメリットを事前に知って意思決定したいけれども、その購入価値を事前に見積もることは難しいものです。このハードルによって、営業、マーケティングとして大幅な手間が発生し、スムーズさを阻害します。

この難しさに対して、AIを抜きにしても技術、特にインターネットはものすごく大きなブレイクスルーを起こしてきました。世界の誰とでもコミュニケーションしたり、情報をリッチに(画像、音声、動画などのマルチメディアで)届けたりできるようになったことで大幅に上記の活動がしやすくなりました。ただし、広くわかりやすい形で情報を受け取る・届けるということは大幅に改善した一方、私という個人にとって、これは、こういう価値があるはずという情報をやり取りしたり、検討したりするのは、依然として人が頑張らなければならず、スケールできていないところでした。

しかし、今回のAIのブレークスルーにより、その課題解決が大きく前進し、コマースが大幅にスムーズなものに変わると思っています。なぜなら、機械が理解できること、判断できること、想像できることの幅が大きく広がり、何が、誰にとって、どう価値があるのかを高いレベルで、高速に扱えるようになってきているからです。それによって、上述したボトルネックがスケールできる形で解消され、大きく社会を変えると思っています。
まさにこれは、Algoageが掲げている誰もが簡単に、最良の意思決定ができる世界」 の実現において大きなピースとなり、その意味で社会だけではなく、我々にとっても非常に重要な意味を持つチャンスです。


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https://note.com/algoage/n/ncdf309181f52


とはいえ、まだまだ難しい課題も

ここまで、かなり可能性に対して期待を高めるような内容を書いてきましたが、とはいえまだまだ課題も多いのでそれらについても言及します。しかし、既に述べたように、まだまだ今のAIの進化は序の口なので、課題とはいえ中長期での解決可能性については楽観的に見ていますし、課題があることは逆に言うと前進のチャンスでもあるので、ポジティブな前提です。

1つの課題は、もともとコンピューターが得意だった、大規模な情報の整理という観点では、まだ見劣りすることです。例えば、1週間前くらいに発売開始された新しいスマートフォンについての情報を聞いても、その情報を把握していなかったり、知っていたとしても学習データのほんの一部にあるだけの情報なので、上手く答えられない可能性が高いです。一方、AIを使わないような検索などで調べれば、正確な情報を見つけ出してくるのにそう苦労はないはずなので、こういった大規模なデータを、そのまま取り扱うような処理は却ってまだ、これまでの技術を使った方法を超えられていません。
とはいえ、このあたりもどんどん改善が進んでおり、既存のドキュメント群を上手くDBに取り込み、適切に知識として活用したり、参照データとしてファクトチェックもできるようなツール群、解決策なども急速に出てきているので、ここ半年とか、長くても1年では情報の整理や適切な参照においても、かなりAIが活用されるようにできると思っています。

もう1つの大きな課題は、何を言ってしまうかわからない問題(よく言われるハルシネーション問題もその1つ)です。生成AIのメリットとして、非常に柔軟な会話ができることですが、その裏返しで、どんな発言をしてしまうか究極的にはわかりません。なので、事実と異なる、架空の回答をしてしまい、相手を図らずも惑わせてしまうことがあり得ます。特に、コマースにおいては、正しい情報を伝えるという制約は非常に大事(極端な話、詐欺につながってしまいかねない)です。

ここに関しては、上述したように、メリットに対する裏表のため、バランスが難しく、正直まだこの方向で必ず解決できるというのが見えているわけではないです。しかし、取り得る打ち手のアイディアは色々あり、様々なトライを積み重ねることで改善していけるところだと思っています。

これからのAlgoageの取り組み

これまで述べたように、我々の事業領域や、目指していくビジョンにおいて、生成AIはものすごくチャンスのある領域です。かつ、本質的な課題領域と向き合える良いポジションにいるとも言えます。なので、着実かつスピーディーに、この領域でコミットし、大きく社会を変えるようなサービスに繋げていきたいと思っています。

そのため、CTO直下でチームを立ち上げ、この領域に最優先で取り組んでいこうと思っています。それにあたって、採用も思いっきり加速したいと思っており、広く、0~1フェーズが得意、やりたいという人を求めています。特に、エンジニア、デザイナー、PdMなど、新しいサービスを創ることができる、したいと思っているメンバーを募集しています。特に、未知なる領域でのサービスというものを、0から考え、生み出せるとてもエキサイティングな環境なので、是非そこで腕をふるいたいという方を求めています。

少しでも気になった方、TwitterのDMなどでもウェルカムですので、お気軽にご連絡いただけますと幸いです。是非お話ししましょう!



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