こんにちは、株式会社Low Code代表の文山です。
2025年も残すところあとわずかとなりました。
振り返って一言で言えば、ただひたすらに「駆け抜けた」1年でした。 走っている最中は、目の前のことに必死だったというのが正直なところです。
けれど、年末の今、ようやく一息ついて後ろを振り返ってみると、自分が想像していたよりもずっと長い道が続いていました。
「大変だったな」という苦笑いと、「遠くまで来たな」という驚きと。
そんな今のリアルな心境とともに、Low Codeが歩んできた道のりをお話ししたいと思います。
目次
「個人の集まり」から、「本物の組織」へ
突きつけられた「社長」の現実
「いつか楽になれる」という甘えとの決別
残ったのは、泥臭い「素」の自分
AIと共に、新しい働き方を伴走する
「モノ売り」にはならない
スマートさよりも、泥臭さ
まずは僕たちが日本一のAI活用集団になる
2026年は、間違いなく「苦しい年」になる。けれど、それが最高に面白い
迷いはない。やることは明確
「個人の集まり」から、「本物の組織」へ
2025年を振り返って一番強く感じるのは、「組織としての手触り感」が劇的に変わったということです。
1年前、私たちはまだ十数名前後の「個人の集まり」に過ぎませんでした。
それが今では100名規模へと拡大を目指すほどの組織となり、大手商社様でのAIの月間利用者率(MAU)100%や、大手メガバンク様での600〜700人規模のAIエージェント内製化支援、そして中央省庁への支援など、日本を代表するようなプロジェクトを「チーム」として動かせるようになりました。
創業当初を振り返ると、なんだか遠い昔のことのように感じます。
2024年2月、Low Codeを創業した時、メンバーは僕と現在COOを務める創業メンバー青木の2人だけ。「死なない程度」の収益はありましたが、これからどうなるかという漠然とした不安の中にいました。
最初の半年は仕事も少なく、自由に旅行に行けるほど暇で、正直なところ「仕事ができる個人事業主が2人いる」だけのような状態でした。当時の僕たちの間には、今のような特別なチーム感もまだありませんでした。
そこから1年半。今では「Low Codeで働きたい!」と毎月100件もの応募をいただき、人生をかけてジョインしてくれる仲間が増えました。 個人の集合体だったLow Codeは、ビジョンに向かって切磋琢磨する一つの「本物の組織」へと進化しました。
ただ、チームが変わるためには、まず何よりも、僕自身の意識を変える必要がありました。
突きつけられた「社長」の現実
1期目から2期目にかけての最大の変化は、「仲の良い個人の集まり」から「組織」へとフェーズが変わったことでした。
創業半年から1年ほどの時期、採用の中心はリファラルでした。
大学の友人、前職のパートナー、高校の同級生……。
「絶対伸びるし、一緒にやらん?」と声をかけまくっていました。
「創業期で面白そう」「AIだし伸びそう」
そんな理由で集まってくれた彼らを前に、当時の僕は「AIは伸びるし、まあ1億はいくだろう」。と、ある程度の成功を疑っていませんでした。
でもそれは、今思えば「なんとなく想像できる世界」の話でしかありませんでした。
自分では必死に挑戦しているつもりでしたが、実際には、確かな手触り感もないまま、彼らを巻き込んでいただけだったのかもしれません。
今ほど大きな目標も、未来も描いていない。
当時はただ漠然と、少し先を見ていただけだったように思います。
当時の感覚を例えるなら、「世界一周の旅に出るバックパッカーが、最初の目的地であるタイへ向かう」ような状態でした。 足を踏み入れたことはないけれど、そこにある熱気や喧騒、混沌とした自由な空気感はなんとなく想像がつく。「AIという新しい武器を手に入れた俺たちなら、そのカオスの中でも自由に振る舞える」 そんな風に、未知への不安よりも「なんとかなる」「楽しめる」という楽観が勝っている状態でした。
しかし、組織が拡大するにつれて、その「個人の万能感」だけでは通用しなくなりました。 僕は自分を「現場のトッププレイヤー」であり、メンバーとは「横並びの友達」だと思っていました。しかし、社員が求めていた経営者像とは違いました。
2期目の前半、ある社員からこう言われました。
「このまま行くと、ついていきたいと思えません」
ショックでした。でも、何も言い返せませんでした。
当時の僕は、「現場が忙しいから」と言い訳をして、本来社長がやるべきことから逃げていました。 「楽しければいいじゃん」「俺が一番動けるし文句ないでしょ」。 そんな僕のスタンスは、自由なようでいて、実はリーダーとしての責任を放棄した「ただのプレイヤーのエゴ」でしかありませんでした。
みんなが求めていたのは、横並びの「友達」じゃなかったんです。
「代表取締役社長」として、未来を示すことを求めていたんです。
その時初めて、僕は「プレイヤーとしての自分」を卒業する覚悟を決めました。 人生をかけて集まってくれた仲間のためにも、自分は経営者として、みんなを勝たせる責任がある。そう腹の底から理解した瞬間でした。
「いつか楽になれる」という甘えとの決別
経営者としての自覚を持つ過程で、僕は一つの「甘え」と決別しました。それは、「会社が大きくなれば、報われる、解放される」という期待です。
正直に言えば、創業当初の僕は、どこかで出口を探していました。
会社が大きくなれば、最終的にはM&Aをして売却して……という未来も、正直頭の片隅にはありました。
しかし現実は、僕の想定を遥かに超えていきました。会社は想像以上に伸び、AIの可能性も進化し続ける。けれど、膨れ上がる事業の可能性とは裏腹に、僕自身はその未来を背負いきる覚悟を持ちきれていませんでした。
「この先、どのような方向を目指し、どれくらいの規模までやるのか」
加速する事業のスピードと、そこに追いつかない自分の覚悟とのギャップに、僕は迷っていました。
そんなある日、売上数百億規模の先輩経営者とお話しする機会がありました。 僕の中では、「会社が大きくなれば、経営者のメンタルも働き方も落ち着いていくものだ」という勝手なイメージがありました。
しかし、目の前の彼は違いました。
僕の数十倍の売上をつくっている彼が、実は僕以上に毎日一喜一憂し、激しく気持ちを乱高下させ、悩み、もがき苦しんでいる。
「会社が大きくなっても、楽になることなんてないよ。ずっと苦しい。ただ、その苦しみの質が変わっていくだけだ」
その生々しい言葉と姿に、僕はハッとさせられました。
起業家である以上、「楽になって報われる」なんて日は来ない。
解放されたいと願うこと自体が、甘えだったのだと突きつけられたのです。
その時、改めて
「ああ、自分は楽になりたかっただけなんだ」と気づけました。
それと同時に、ふと思ったんです。
意図せず足を踏み入れたITの世界。Microsoftで積んだキャリア。そして、たまたま訪れたAIの爆発的な普及と、そのタイミングでの起業。 時代と経験、すべての点が線となり、今まさに「AIど真ん中」でビジネスができている。もちろん、ここで降りて解放されることもできる。
でも、これだけの場所にいて中途半端なことをするくらいなら、
「もうこの30代は苦しみ切るか」と。
そう思ったら、ふと。 納得したというか、妙にスッキリしたんです。
「解放されたい」という期待は捨てよう。
この会社に人生をかけてコミットしよう、そう決めることができました。
残ったのは、泥臭い「素」の自分
覚悟が決まると、不思議なもので、変なプライドも消えていきました。
「できない自分でいいじゃん」
そう思えるようになったんです。
賢く見せよう、すごく見せようとする意識を手放して、素の自分でいよう。そう認めた瞬間、ふっと肩の力が抜けました。
自分を大きく見せる必要なんてない。
むしろ、ありのままの自分にある「強み」を、存分に活かせばいいんだ。
そう思って振り返れば、僕の本来の得意領域は、もっと泥臭い場所にありました。
誰よりも献身的に動けること、仲間のために苦労できること、責任は僕が持ち、メンバーに任せること、一対一で相談に乗り人と向き合うこと、人を見極めること、方向性を指し示すこと。そして何より、みんなを元気づけること。
思えば、部活をしていた頃もそうでした。めちゃくちゃしんどい練習の最中に、あえてふざけて空気を変えたり、みんながバテている時に「いや、あえて打とうぜ!」と声をかけたり。 暗い状況を暗いままにするのは誰にでもできます。でも、そこで声を上げ、熱を伝え、チームを「エナジャイズ(元気づけ、鼓舞する)」すること。これは、僕の得意領域でした。
ロジカルな仮面を脱ぎ捨て、泥臭く、人間臭い「素」の自分に戻る。
そう決めた時から、僕はやっと本当の意味で
Low Codeというチームの「代表」になれた気がします。
AIと共に、新しい働き方を伴走する
事業ビジョン
「苦しみ切る」と覚悟が決まったことで、成し遂げたいビジョンも明確になりました。 それは、「AIと共に、新しい働き方を伴走する」ことです。
AIが登場したからこそ、これまでの働き方は根本から変わっていくはずです。 ChatGPTの登場からまだ数年ですが、技術は指数関数的(二次曲線)に進化し続け、AIエージェントが自律的に動く時代もすぐそこまで来ています。
AIの進化曲線
しかし、技術がいかに速く進化しても、それを使う「人」や「組織」の変化は線形的で、ゆっくりです。 放っておけば、進化したAIと、今のままの現場との間に、埋められないギャップが生まれてしまう。素晴らしい技術があるのに、「使い方がわからない」「変わるのが怖い」と立ち止まったままになってしまう。
だからこそ、僕たちは「伴走支援」と「定着化」にこだわります。 このギャップを泥臭い支援で埋め、技術を現場に溶け込ませる。そうやって土台を作った先にこそ、AIと人が共存し、人が本来の価値を発揮できる「新しい働き方」が定着できると信じているからです。
どれだけAIが賢くなっても、最後に人の心を動かし、行動を変えるのは「人」です。 だからこそ、僕たちはAI企業でありながら、誰よりも人間臭く、現場に入り込むことにこだわります。
AIと共に、新しい働き方を伴走しながら、技術と人の間にあるギャップを埋めていく。 どうせやるなら、やっぱりトップを目指したい。
だから、この市場を本気で「獲りに行く」と決めました。
描いている道筋は、自分の中ではクリアです。
まずは2026年までにMicrosoftの生成AI/AIエージェントツールであるCopilotの定着化でシェアNo.1を獲る。 そして2028年までには、デスクワーク領域全体で生成AI定着化のシェアNo.1を獲りにいく。
将来的にはデスクワークだけじゃなくて、日本の製造現場や流通、インフラといった場所にも、AIやロボティクスを実装していきたいなと本気で思っています。
日本中のすべての社員が生成AIやローコードを使いこなして、業務を楽にする。そして、本当にやりたかったことに注力できる世界をつくる。
結局、僕がやりたいのはここなんです。
そのために、2026年は勝負に出ようと思っています。
社員数も増やして、売上を一気に3倍へ。
正直、今の自分たちの規模からすると、かなりきつい目標だというのはわかっています。 でも、自分の中で「やる」と覚悟を決めたので、あとはその現実ととことん向き合おうと思います。
この山を登るために、こだわっていきたいのがこの3つです。
「モノ売り」にはならない
僕たちはAI会社ではありますが、システム開発はやらない、ライセンスビジネスはやらない、プロダクトは作らない、上流だけのコンサルでは終わらせない。現場の定着化に特化して、顧客の変革を隣で支える。そんな新しい形のAI会社を創っていきたい。
スマートさよりも、泥臭さ
「AI企業」っていうとスマートなイメージがあるかもしれないですが、お客様が必要としているのは、現場に入り込んで、一緒にAIで業務を変えてくれるパートナーです。 僕たちは、格好つける必要なんてなくて、引き続き泥臭く顧客の課題に向き合っていきたいと思っています。
まずは僕たちが日本一のAI活用集団になる
お客様に「AIで働き方を変えましょう」って言っている僕たちが、AIを使えていなかったら嘘になりますよね。 まだ世の中にない使い方も、まずは社内で試して、失敗して、仕組み化する。 「Low Codeが一番AIを使えている」。 結局、それが一番の説得力になるんじゃないかなと信じています。
2026年は、間違いなく「苦しい年」になる。けれど、それが最高に面白い
正直に言えば、2026年はこれまで以上に苦しい年になると思います。
組織が急拡大すれば歪みも生まれるかもしれません。
売上が伸び悩むプレッシャーもあるでしょうし、お客様からも、そして社員からも、指摘をたくさん受けるはずです。
でも、それでいいんです。
「苦しみ切る」と決めましたが、
そこにネガティブな感情は一切ありません。
感覚としては、本気で甲子園を目指している高校球児と同じです。
せっかく目指すなら、その過程の苦しささえも、信頼できる仲間と一緒に面白がりたい。 「きっついなあ」と言いながら、ふと振り返った時に「うわ、こんな高いところまで登ってきたんや」と笑い合える。
そんな1年にしたいと思っています。
迷いはない。やることは明確
余計なプライドを捨て、「素」の自分に戻れた今、 僕の中にあるのはシンプルで強い確信だけです。
AIという技術と、現場の人々の間にある深いギャップ。 これを誰よりも丁寧に、誰よりも泥臭く埋めていくこと。 そして、日本中の働く人たちに「新しい働き方」の選択肢を届けていくこと。
それが、僕たちの使命です。
Low Codeの挑戦は、まだ始まったばかりです。
2026年も泥臭く、現場の最前線で走り続け、
ここから本気で獲りに行きます。
最後まで読んでくださって、本当にありがとうございました。
もし少しでも興味を持っていただけたら、ぜひ一度お話ししましょう。
このnoteを読んで一緒に働いてみたいと思った人、AIに興味のある人は、
お気軽にご連絡いただけると嬉しいです。