年功序列から実力主義へ
給与や人事制度について何が正解というのは存在しない前提でお話しますが、昭和~平成の中盤くらいに掛けては大企業を中心に企業が年功序列制度のところが多くありました。
それが平成の後半くらいから実力主義の会社の割合が増えてきて、今ではベンチャー企業を中心に多くの会社で実力主義の評価制度を見るようになりました。
年功序列だと本人の成果や成長に関わらずその会社での年次で給与や昇格が決まるため、成長したい人にとっては相対的に高い成果を出しているにも関わらず、自分よりも成果の低い先輩が先に昇格していくのを見守るしかありませんでした。
個人的な考えですが、これはあまり良いとは思っていなくて、頑張って成長し、成果を上げた人が適正に評価されないのは「頑張っても無駄」という意識を芽生えさせ、せっかく努力しようとしている人の成長意欲を削いでしまうからです。
仕事、勉強、スポーツ、ダイエット…何でもそうですが、努力するというのは簡単なことではありません。
もちろん好きで頑張る人もいますが、伸び悩んだ時やスランプの時など楽しいだけでは続けられない瞬間も存在ます。
そんな中でも頑張り続けられる人は素晴らしいと思っているからこそ、その頑張ろうという気が削がれるのは良くないと思っています。
では、実力主義なら全ての課題が解決するのか?と言われるとそうではないからこそ実力主義の良いところ悪いところを整理し、実力主義の会社に行くべき人・行かない方がいい人をクリアにしたいと思います。
実力主義のメリット
まず、実力主義の会社の精度も様々ですので、本記事においては「プレイヤーの個人成績またはマネージャーのチーム成績に伴って本人の給料やポジションのアップが見込める制度」と定義しておきます。
実力主義の良いところはおおよそ以下の通りになります。
- 自分の努力で成果を上げられればそれによって給与やポジションがアップするため、入社歴に関係なく待遇を良くすることが可能なため若手や新入社員にもチャンスがある。
- 社内に適正な競争意識を醸成することができ、社員同士での切磋琢磨を図ることができる
- 頑張った分だけ評価されるため、高いモチベーションの維持・モチベーションの向上が可能
年齢、性別、社歴などに関係なく、自分で自分の求めるポジション・評価・待遇を得やすい環境だと言えるでしょう。
実力主義のデメリット
対して、一定のデメリットも存在することは事実です。
代表例としては
- 相対評価になることがあり、(自分よりも高い成果を上げる人がいた場合)目標数字を達成したのみでは評価されないケースがある
- プレイヤーにおいては個人プレーに走る人が出やすく、チームワークや人間関係が醸成されない例がある。
- 50~60代のプレイヤーとしてのパフォーマンスが下がってきた人の評価が難しい面がある
- 高い成果を求められ続けることによる負荷の増加が起きやすい
など、注意して運用しなければ逆にマイナスになることもあります。
特に個人主義になりがちな点については、個人の成果を上げることばかりに傾倒し、周りの人の成長を阻害する人や邪魔する人がいたりすると最悪ですし、そうでないとしても周りを成長させられない人になったりする例は少なくありません。
評価制度の前に何のために成果なのかを意識すること
上記の実力主義における個人成果に傾倒しがちな点については、「何のために成果を上げる必要があるのか?」という目的意識の欠如から起きやすいことが事実です。
そもそも評価制度は人事の領域の話で、その上位には会社の事業戦略、その上には全社としての経営戦略が存在します。
つまり、会社として〇〇万円の売上、事業として〇〇万円の売上を上げる、という目的の下に、「あなたの今年の目標は〇万円」というチームや個人目標が設定されます。
だから、自分一人が成果を上げ、達成してもチームや会社が目標を達成していなければ「未達」なのです。
だから、全社→事業→チーム→個人という単位で達成しているか?という観点を失ってはいけないので、リーダーはそれを浸透させる必要があると考えます。
その上で、各個人が自分の目標を達成し、その上で更に他の人・他のチームの目標達成にも貢献できる人であってほしいと思います。
ステラリンクス税理士事務所の評価制度
ステラリンクス税理士事務所の評価制度は実力主義の評価制度ですが、同時に他人・全社を意識させる設計になっており、
大きく
- 個人の数値目標や成長目標の設定
- 他人への貢献
- 全社での達成度合い
が評価軸になっています。
その背景には当事務所が分業制で、一社のお客様を複数人でサポートする体制であるがために、他の人との協力は避けて通れないし、むしろみんなで協力することで相乗効果を生むことを目指しているからです。
自分と他のメンバー、そして組織自体を成長させて行ける環境になっていると思いますので、自分の実力を適正に評価してほしいけど、実力主義特有のギスギスした空気感ではなく、チームワークを大事にしたい人にはとても働きやすい環境です。
最後までお読みいただいてありがとうございました。
ご興味持っていただけたら採用のご相談いただければ幸いです。