ITベンチャーからKurasuへ。コーヒーの世界で新たな挑戦を続けるCFO Masaのこれまでとこれから | 合同会社Kurasu
Kurasuでは、多様なバックグラウンドを持つメンバーが活躍しています。2023年8月からCFOとしてジョインしたMasaもその一人。ユニークなキャリアの持ち主である彼に、これまでの経歴やKur...
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新京極商店街に位置する2050 coffeeの1号店。
「Build the future of coffee, together」 を掲げるブランド2050 coffeeは、コーヒー業界が直面する「2050年問題」に真正面から挑みスタートしました。未来を見据えたそのビジョンの通り、ブランドの始発点となる1号店は、創造と破壊が交錯するカオスの場。けれどもそこでは、日々の現場から新しい工夫や発見が積み重ねられています。
ワンタップで10秒で抽出されるコーヒー。
「え、これで終わり?」と、よくあるコーヒーショップに慣れた人にとっては寂しく感じてもおかしくないほどフューチャリスティックな空間を、温かさで満たし、新しいメッセージの発信の場として、また京都に来るお客様へのコーヒーを通したホスピタリティの入り口としても成り立たせてきたのは、スタッフ一人ひとりの力です。
とくに、George、Tommy、Shoyoの3人は、オープン当初からマネージャーとともにお店を支えてきた学生メンバーたち。そんな彼らも大学卒業とともに、残り数か月で旅立ちます。青春の時間を2050で過ごした彼らの、等身大のリアルな話に今回は迫りたいと思います。
ーー今日は3人とも集まってくれてありがとうございます!早速、軽く自己紹介をお願いできますか?
George:Kurogi Hirokiです。お店でのニックネームは「おさるのジョージ」と雰囲気が似ているといわれて、Georgeです。大学4回生で、コーヒーにはスターバックスでのアルバイトをきっかけにハマりました。 あと半年で京都を出る予定なんですけど、今のうちに関西の景色を見納めたくて、京都マラソンに応募したり、琵琶湖一周チャレンジを計画したりしています。バスケ部出身で、ポジションはポイントガード。声が張れるので、みんなを鼓舞したり、ディフェンスをしたりしてチームに貢献する役割でした。チームの雰囲気をつくるのが得意で、それは今も変わってないかもしれない。
(写真左:George、写真右:Tommy)
Tommy:TommyことKotani Tetsuakiです。大学は京田辺にあるグローバルコミュニケーション学部。めちゃくちゃ田舎にあって、カフェもコンビニも少ないんですけど(笑)。 大学2年のときにカナダ・トロント付近に留学しました。あの有名なナイアガラの滝の近くですね。そこで初めてカフェ文化に出会いました。帰国して2050 coffeeで初めてバリスタを経験したのですが、もう楽しくて、成長できる職場だったので、大学の部活動もやめてのめり込みました。気が付けば京田辺より、2050 coffeeのある新京極で青春の思い出が増えました。
Shoyo:Shoyoです。福島県出身で、大学進学のタイミングで京都に来ました。父がコーヒー好きで、家にはデロンギのエスプレッソマシンがあって、小さい頃から「ジャーア!」という大きな抽出音をよく聞いていたので親しみはありました。
Georgeと同じく、大学に入学してからスターバックスで働いたのですが、当時は正直、味の違いなんて全然分からなくて(笑)。でもコーヒーショップ巡りをすると、「コロンビア・〇〇〇」「エチオピア・〇〇〇」と見たことない横文字が並んでいる。好奇心を持っているうちに、働いていたスタバの店のすぐ近くに2050 coffeeができて、「面白そうだな」と思って応募したのがきっかけです。
まだ覚えているのが、代表のYozoさんの名前を調べたら「元ゴールドマンサックス」って出てきて、「やばい、何かロジカルに話さなきゃ」と緊張していたこと(笑)。でも実際に会ったら、すごく柔らかくて、人を見てくれる方でした。面接中に、とにかくバックグラウンドが面白い方を採用したい、多様なチームをつくりたいということを何度も強調されていましたね。
(写真)Shoyo
ーー2050 coffee一号店となる新京極店のオープンを担った3人ですが、入社からもう2年も経って卒業が近いと思うと、本当に時間の流れが速いことに驚きます。まずは、3人ともおめでとうございます!ちなみに、それぞれ大学卒業後はどういう進路を予定していますか?
George:就職先はマネーフォワード。キャリア中のどこかのタイミングで人事にも挑戦してみたいなと思っています。Kurasuの元CFOで現COOのMasaさんがマネーフォワード出身で、そこで初めて社名を知りました。最初は第一志望というより「知ってる人がいるから受けてみた」くらいの軽い気持ちだったけど、話を重ねるうちに会社としてのスピード感とか、成長していく過程がすごく面白くて。
マネーフォワードを選んだ決め手として、2050 coffeeの立ち上げ期にMasaさんの背中を見れたことも大きいですね。よく現場に来られ、同じ空間で働く機会が多かったのですが、PDCAサイクルを回す速さがとんでもなくて、改善が翌日に現場に反映されます。
僕は学生団体でオープンキャンパスを運営していて、裏でサポートに回るとスタッフが生き生きするのを何度も見てきました。目の前の人の「働きやすさ」を整えることで結果が変わる。だったら、組織の真ん中でそれをやりたい。人事なら、空気づくりを「仕組み」で回せると思ったんです。
あと、マネーフォワードは社内にコーヒー部があるんで、たぶんそこでまた豆を挽いてると思います(笑)。
Tommy:就職先は日系の食品商社です。社員3,000人のうち日本本社のメンバーはわずか200人なので、海外に出るチャンスが早く訪れそうなところが魅力的だと思いました。語学力を活かして海外の駐在員となり、現地の市場で人々と話しながら、「これ美味しいね」「これ、日本の味だね」と一緒に笑えるような仕事がしたいです。
また、海外での経験を重ねる中で、改めて自分にとっての「日本人としてのアイデンティティ」を意識するようになりました。異文化の中で相対化することで、自分の足元を見直せた部分も多くあります。太い根を遠くまで張れるような人間になりたいです。
Shoyo:Tommyは2050 coffeeで接客をする際にも、必ずスモールトークをしていて、豆販売の売上もスタッフの中でトップなんじゃないかな。
Tommy:いやー(笑)。でも、2050 coffeeで接客をしていて嬉しいのは再会があること。去年出会って豆を買ってくれたメキシコのカップルが春にまた店を訪ねてくれて、「また君の笑顔に会いに来たよ」と言ってくれたんです。お客様とスタッフ、消費者と販売者の間に壁をつくる必要はないなと。2050 coffeeで学んだ「カジュアルさ」と「距離感」は、きっと営業でも活きると思っています。
Shoyo:2050 coffeeのスタッフは、みんな言語を通して自分の世界を広げたいという気持ちも強い気がします。私は、言語学習アプリでスペイン語を毎日10分、もう300日以上続けています(笑)。最初は「¿Cómo estás?(調子どう?」)」しか言えなかったけど、今は「¿A dónde vas hoy?(今日どこ行く?)」くらいなら自然に出てくる。挨拶程度の言葉でも、旅先で聞くと嬉しいものなんだろうなと感じます。少なくとも2050 coffeeのグローバルな環境においては、大事なまなざしだと思います。
Shoyo:就職先は映像プラットフォームを手がける日本のIT企業にしました。2050 coffeeの2階についている監視カメラ、実は内定先の製品なんです(笑)。もともとコンサルティングに興味があり、インターンも受けていたのですが、途中で「私はまだ、人と現場に近いところで働きたい」と思うようになりました。
内定をいただいた会社を調べてみると、企業理念に「先義後利」という言葉が掲げられていました。先に正しいことを行い、そのあとに利益がついてくるという考え方。その理念が、自分の中でずっと大切にしてきた価値観と重なったんです。
剣道を6年間続けてきたこともあって、「型を整える」とか「姿勢を保つ」という感覚は身体に染みついています。だからこそ、プラットフォームを通して「現場を見える化することで社会を変える」というビジョンに惹かれました。環境を整えることで人を動かす。そこに自分の役割を見出せた気がしました。
あと、印象的だったエピソードがあります。実は、半年留年してしまったんです。それは内定の時点でわかっていたことで、卒業が少し遅れる可能性があると正直に人事へ伝えました。普通ならマイナスに捉えられるかもしれないと思いましたが、「じゃあ、定期的に卒業までの進捗を教えてください」と言ってもらえて、2か月に1回、オンラインで近況を報告する時間をつくってもらいました。そのたびに「焦らず、自分のペースでいいですよ」と声をかけてもらい、結果的に会社のほうが私を待ってくれたんです。だから、次は自分が仕事で返していく番だと思っています。
ーーバックグラウンドも、この先の進路もバラバラな3人ですが、ここ2年、働いていてよかったことや印象に残っている出来事はありますか?
Shoyo:コーヒー好きの学生からすれば、2050 coffeeは、いわゆるスターバックスのようなコーヒー店と個人経営のスペシャルティコーヒー店のあいだのような存在です。コーヒーを極められる環境であることが何より嬉しい。豆はしっかりハイクオリティで、タップコーヒーを提供するにあたっては、カッピングやセンサリースキルのトレーニングもきちんと行われる。味の取り方を身体で覚えるような、学びの場でもありました。
Hiroki:確かに。私も同じく、スターバックスで働いていた頃よりさらにいろんなコーヒー豆に触れられてレベルアップした気がします。あと、2050 coffeeほど異文化が当たり前に混ざる職場ってあまりないのではないですかね。スタッフのKayさんが3月にラマダン(断食月)をしていること、祈りの時間があることを最初に知ったとき、「知らなかったことに気づかされた」感じがありました。シフトが終わった後にお祈りをしてから帰る姿が、あまりにも自然で最初は気づかなかったんです。もちろん誰も「いま何してるの?」なんて思わないし、そのときは休憩室を一人にする時間をつくったりもしました。自分の友人や仲間に異文化の人がいると、生活実感としてすっと受け入れられる。それがありがたいなと思います。むしろ、みんな当たり前のようにその時間を受け入れていて。
Shoyo:2050 coffeeでは、国とか文化とかの違いを「受け入れる」というより、最初からそれが混ざってる。それがこの店の「ナチュラル」なんだと思います。だから、いい意味でカルチャーショックがショックじゃない。日ごろ配慮は意識するけど、それが度を超えるわけでもない。むしろ、こういう異文化体験が京都で身をもってできるのはとてもラッキーだし、有難いことですよね。
Tommy:海外のお客さんを相手にしていると、宗教とか文化の違いを毎日感じます。たとえばイタリアの人にエスプレッソを出すと「これはルンゴだ、エスプレッソはないのか?」って言われたり、ギリシャの人が「砂糖は3杯!」って笑ってたり。
あくまで傾向ですが、中東の方って頼み方が全然違うんです。たとえば「ドリップコーヒーある?」って最初から聞いてくる。もう自分の中で“これを飲む”って決まってる。日本のお客さんはまずメニューを見て「おすすめありますか?」と聞いてから決めることが多いけど、海外の人は即断型。日々のルーティンの中で「俺の定番はこれ」っていう感覚があるんです。
Shoyo:でも面白いのが、同じ海外の人でもスタバに行くとちゃんとルールに従うんですよ。「スタバではスタバの頼み方をする」みたいに。でも2050 coffeeに来ると、自分のペースに戻る。多分、「自分の国で通っているカフェの感覚」で来ているんだと思う。それが、なんかいいなと思って。お店ごとに文化のスイッチを切り替えてる感じ。
Hiroki:ああ、それわかる。こっちもそういう違いを見てると勉強になる。2050 coffeeっていろんな国の人が来るから、最初の頃は「どう接客すればいいんだろう」って悩んでたけど、だんだん国ごとのリズムが分かってくる。ヨーロッパ系の人は朝が早いことが多くて、南欧とか中東の方は夜の来店が多い。コーヒーひとつとっても、その人の生活スタイルが見えるんですよ。
同時に感じたのは、固定観念を持たないことの大事さ。最初の頃、見た目が完全に海外の方だったから、自然に英語で話しかけたら「日本語しか話せません」って言われて、すごく反省しました。だから、それからはどんな人でもまず「こんにちは」って日本語で話すようにしてる。そのあと、相手の反応を見て言葉を変える。
Tommy:俺もあるなぁ。最初は「なんか強そうな人だな」って思ってたけど、話してみたらすごく優しくて、日本のカルチャーにも好奇心がある。そういうのが「ダイバーシティ」なのかもしれないけど、2050 coffeeではそれが当たり前に起きてる。
Shoyo:海外でも「多様性」「ダイバーシティ」って言われるけど、実際は同じ国の人同士で固まることが多い。だから「ダイバーシティがある環境」って、制度とか国じゃなくて「日常の中で自然に混ざってる」ことなんだと思う。
George:そうそう。でも最後はみんな「ありがとう(Arigato)」で終わる。2050 coffeeだと、これが不思議と共通なんですよね。「ありがとうって、今はわりと通じる言葉だから、接客の最後は必ずそれで締めよう」って。言葉が違っても、笑顔とありがとうで終われば伝わる。
Shoyo:この店って、見た目はすごく未来的なんです。ブランドとしてもそうですが、単純にインテリアが。ステンレスのカウンターとか、一見すると無機質な壁とか。でも、実際に働いてみると、最後に残るのは「人の体温」なんです。マシンが抽出してくれても、豆の味を決めるのは人だし、お客さんと交わす「今日どうでした?」の一言があるだけで空気が変わる。
だから、テクノロジーが進んでも、人と人の間にある“ありがとう”の距離感って絶対に変わらないということを、この店は示してくれている気がします。
実はオープン当初から、お店のBGMをつくっているのですが、そういうちょっとした仕掛けにもちゃんと人間らしさが宿る。
Tommy:わかる。なんか未来っぽい空間とは裏腹に、温かさが見える感じ。
Shoyo:そうそう。空間的にも人しか見えない店だから、人間味をどう出すかってすごく考えた。壁には何も飾っていない。だから、見えるのは働く人だけ。服の色や動き方、声の高さまで、そのまま店の表情になる気がします。
George:2050 coffeeって2050問題に直球を投げているからこそ、学びの種があらゆる場所にあると思うんです。たとえば労働のこと。「なんでコーヒーが安いのか」って考え出したら、その裏には現地の人の働き方とか経済の仕組みとか、普通に大学で勉強するような話が出てくる。
仕事をする中で、そういうソーシャルなものと実際につながれる感覚を持てるのはやりがいにつながります。最初はただ豆を挽いてるだけだったのに、気づいたら経済とか社会とか、そういうことを考えるようになっていた。
Tommy:あと、言葉とか文化もそうだよね。毎日いろんな国の人が来るから、英語もスペイン語も使うし、韓国の人も多い。自然と耳が慣れてくるし、「あ、この言い方伝わるんだ」とか、言葉の感覚で覚えていくのが面白い。
George:本当にそう。コーヒーだけやなくて、社会とか文化とか、言葉とか、いろんなことを身体で学んだ感じ。2050 coffeeで過ごした時間は、誰かに教わったものではなく、自分たちで見つけた学びの時間です。その手触りや空気の感覚は、きっとこの先にも続いていく気がします。
ーー他にもいろんなエピソードがたくさんある気がしますが、皆さんが充実した時間を過ごせたと聞けて嬉しいです。この先も、それぞれのコーヒータイムがあるだろうし、そのときに2050 coffeeでの経験が交差することもあると思います。旅立つまでの残りの時間も、より充実させて楽しんでください!
2025年9月19日、取材日は実はShoyoくんのラストシフトインの日。閉店後は、集まれるスタッフでお見送り会をしながらクローズ作業をしました。
2023年、2050 coffeeが生まれようとしていたとき——
「え、全自動のコーヒー?」と、誰もが最初は半信半疑で、しかし本気でディスカッションを何度も重ねていたことを覚えています。
「2050 coffeeのバリスタは、バリスタなの?」という自問自答もありながら、日々現場で誠実に、自分の仕事に向き合ってきたのは彼ら。彼らのおかげで、今のブランドの“らしさ”や、2050 coffeeのホスピタリティ像が出来上がったといっても過言ではないかもしれません。きっとこの経験は、これからの人生の中で確かに活きていくことでしょう。
(photo: Ai Mizobuchi / text: Jongmin)
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