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◤クロスマートの創業ヒストリー◢食品流通のインフラを目指して

こんにちは。インサイドセールス/広報の硲(ハザマ)です。
クロスマート株式会社はシリーズAの資金調達後、地銀との業務提携により全国展開を進めています。
だんだんとお客様からお声がけいただくことも増えましたが、

「クロスマートって実際どんな会社?」
「どんなことをしているの?」
「何を目指しているの?」

と疑問をお持ちの方もいらっしゃると思います。そこで皆様に少しでも弊社の「思い」や「目指しているもの」を知って頂きたいと思い、今回はクロスマート創業者 寺田 佳史に思い切ってインタビューを実施しましたので、ぜひご一読ください。

クロスマート代表取締役 寺田佳史(てらだ よしふみ)


寺田 佳史(てらだ よしふみ)(36)

大学卒業後、2007年にサイバーエージェント入社。大手企業とのアライアンス事業や、Facebookコマース事業の立ち上げを経験。2013年にヘルスケアメディア「Doctors Me」を立ち上げ、2017年に月間300万UU規模まで拡大したタイミングで事業売却。2018年にXTechに入社し、外食産業のDXを推進するクロスマート株式会社を創業し、代表取締役就任。現在は飲食店と卸売会社をつなぐ受発注プラットフォーム「クロスオーダー」を運営。
二児の父、趣味はキャンプと観葉植物。
プロフィール:https://www.wantedly.com/id/yoshifumi_terada_c
Twitter:https://twitter.com/teramm
meety:https://meety.net/matches/anvoKDWyLNmk

幼少期から目にしていた「商売の波」

父は門前仲町で曽祖父の代から続く「オリオン飲料」という飲料メーカーを営んでいました。その会社は瓶ラムネを製造・販売していたのですが、江戸三大祭の一つ「深川八幡祭り」というお祭りの日は工場の前で、親戚総出でラムネを販売していたのを今でも覚えています。

会社は残念ながら閉じてしまいましたが、「自分たちで商品を作って販売する光景」や、「商売には浮き沈みがあること」を幼い頃から間近で見ていた経験は、私自身の原体験なのかもしれません。その後、父は自分で新しい会社を立ち上げ、現在も食品関係の事業を営んでいます。

この時代を生きる自分に与えられたチケット

2才下の弟はとにかく優秀で、私は昔から勉強に対するコンプレックスがありました。勉強から逃げるように、中高はサッカーに打ち込み、指定校推薦で中央大学商学部に入学しました。同級生は税理士や公認会計士を目指している人が多く、勉強への苦手意識を克服するため、会計の勉強をしようと決意しました。ただ、どうしてものめり込めず簿記2級まで勉強したところで、ドロップアウトしてしまいました。笑

そこで大学時代に熱中したのがバックパッカーです。東南アジアや北欧など、数ヶ月単位で何度も旅をしました。目的地やスケジュールを決めず、気になった場所や国に直感的に移動していました。破天荒と言われればその通りかもしれません。笑

数ヶ月間旅をする内に、現地の人と仲良くなって安いドミトリーに寝泊まりしたり、屋台で食事をしたり、日本では想像し得なかった生活を送っていました。思い返すと今の原動力はそうした経験から培われたのだと思います。

こうしてふと我に返った時、「自分はなんて恵まれているんだ」ということを痛感させられます。世界中を旅できること、大学に通えること、将来を自分で選択できること、当たり前だと思っていた環境がとても恵まれていたということに改めて気付き、同時に強い衝撃を受けました。生まれる場所や時代が違うだけで、教育を受けられなかったり、満足に食事を取れなかったりする人がいる。この時代に生まれたからこそ、こうした経験をしてきたからこそ、社会をより良くしていきたいと強く感じるようになりました。

「0→1」経験の始まり

2007年に新卒でサイバーエージェントに入社しました。当時はネットベンチャーが人気で、サイバーエージェントもそのうちの1社でした。色々な会社の面接を受けましたが、ハードワークにも関わらず目をキラキラ輝かせながら、仕事を全力で楽しむ先輩社員に憧れて入社を決めました。

私は新規事業をやりたい気持ちが強く、5人しかいなかったメディアアライアンスという部署に入りました。その部署は大手企業と一緒にポイントメディアを運営しており、私はアシスタントプロデューサーとして既存サービスの運営や新規サービスの立ち上げに携わりました。毎晩終電ギリギリまで働き、渋谷駅までダッシュする生活でしたが、サイバーエージェントに入社を決意したあの時の先輩社員の一員になれたかのようで本当に楽しかったです。

自慢ではないですが、私は昔から“人の出逢い”にはツイていて、社会人1年目の上司は株式会社ZENKIGENの野澤比日樹さんと、株式会社マクアケの中山亮太郎さんでした。二人とも現在では起業家・経営者として成功されていますが、当時から仕事ができ人間的にもカッコよく、社会人生活の始まりでこの二人と共に仕事ができたことは本当にラッキーであり財産となりました。

また、1年目から「自分たちでサービスをつくって販売する」という一連の流れを経験できたことも貴重でした。当時私が担当していた「永久不滅.com」というサービスは株式会社クレディセゾンとのアライアンス事業なんです。今回セゾン・ベンチャーズから出資いただけたのは、まさにその時のご縁なんです。

その後、新規事業をやりたいと志願し、ソーシャルコマース事業部を立ち上げました。2009年頃は多くの企業がFacebook上に公式ページを作り、SNSで情報発信を始めた時期だったので企業のFacebookページ開設支援と、そこで簡単にECができるアプリケーションを開発・販売しました。その事業は結局うまくはいかず、約2年で閉じたのですが、この時に初めて「自分で仲間を集める」という経験をしました。

その後グループ会社の株式会社サイバー・バズに転籍し、インフルエンサー事業のマネジメントをしていました。しかしどうしても0→1の新規事業をやりたいという思いがあり、28歳の時に社内の新規事業会議でヘルスケアメディア「Doctors Me」を立ち上げました。弟が医者で医療はIT化が遅いという話を聞いていたこと、第一子が生まれたタイミングで「医療相談×育児」という切り口が身近だったことがサービス立ち上げのきっかけとなりました。「Doctors
Me」は順調に拡大し、月間300万MAU・単月黒字化を達成することもできました。しかしちょうどその頃起きていた、WELQ問題を踏まえ最終的には「事業譲渡する」というを判断をしました。個人的には事業も伸び、チームメンバーも大好きだったので、ここからというタイミングでの事業譲渡はショックでした。

気持ちを切り替え、「また新たな0→1に挑戦するんだ」と心に決め、約6年間お世話になったサイバー・バズを退職しました。

大きな社会課題を解決したい

サイバー・バスを退職した時は、次に何をやるかまったく決めていませんでした。自分の中で「次チャレンジしたら10年はコミットしたい」と思っていたので、自分が何をやりたいのかをひたすら考える日々が続きました。起業している先輩や、スタートアップに転職した同期、知り合いのベンチャーキャピタルなど様々な方にお会いし、多種多様な話を聞きました。

その時お会いした一人がXTech代表の西條さんです。西條さんがスタートアップスタジオというテーマで起業したことは知っており、Facebookでメッセージを送り、話を聞きにいきました。西條さんの考えているスケールの大きさや、事業をつくりEXITした経験、経営ノウハウなどを聞き、XTech内で起業すると決め、入社しました。この時XTechにはまだ西條さんと、イークラウド社長の波多江さんしかおらず、私が2人目の社員としてJOINしました。当時はまだオフィスもなく、カフェで集まって新規事業会議をしていたことは記憶に新しいです。

2018年にXTechに入社してから、どの領域で事業を起こすかひたすら調査しました。ヘルスケアやFintech(フィンテック)、シニア向け事業など様々な領域を検討しては、3人でディスカッションしていました。同時並行で複数アイデアを検討する中で、食品流通について調査しているときが、一番ワクワクできました。やるなら自分が没頭できて、大きな社会課題を解決したいと思い、次のチャレンジは食品流通に決めました。思い返すと大学時代のバックパッカーの経験が根底にあったのかもしれません。

外食産業には約60万の飲食店と、飲食店に食材を販売する数万の卸売会社がいます。飲食店の予約や決済はIT化が進み、どんどん便利になっていますが、外食産業のバックオフィスはいまだにアナログな業務が多く残っています。飲食店からの発注はFAXが主流で、「FAXが届かない問題」や「手書きの文字の読み間違い」「基幹システムへのデータ入力」など、挙げればキリがないほど様々な課題が山積していました。いくつかの既存サービスはありましたが、外食産業における受発注の6〜7割がいまだにFAXという状態でした。

これらの課題を解決できれば、食に携わる人たちがやりたいこと、やるべきことに時間が使えるようになる。「生産者はよりよい食材をつくること」に、「卸売会社は食材の魅力を伝えること」に、「飲食店はお客様を笑顔にすること」に集中できる、そんな世界の未来を見据え、自分で創りたいと思い、今のクロスマートを創業しました。


「三方よし」のサービスを作りたい

食品流通における課題は受発注以外にもたくさんあります。その一つが、「飲食店と卸売会社のマッチング」です。卸売会社は飛び込み営業や展示会で飲食店を開拓しており、一方飲食店は食材を探すときネットで検索し、卸売会社に問い合わせをします。「双方のニーズが最適にマッチングできていない」と感じ、最初は卸売会社と飲食店のマッチングサービス「クロスマート」をリリースしました。

飲食店が現在仕入れている納品伝票をクロスマートに登録すると、卸売会社は伝票を確認し、見積り提案を行うことができます。飲食店は仕入れ原価を下げられる可能性があり、卸売会社は効率的な取引先開拓ができるWinWinなサービスだと考えリリースしました。しかし、思いとは裏腹にサービスが広まるに連れてネガティブな反応が返ってきました。

飲食店は取引先への恩や信頼関係を大切にしており、取引先を変えることには慎重でした。「卸売業者も価格競争をしたいとは思っていない」、利用店舗数は右肩上がりに増える一方で、このようなネガティブな声も次々と聞こえてきました。これは自分が本当にやりたいサービスなのか、大切にしている価値観「三方よし」と胸を張って言えるのか、自問自答しながらずっと違和感を覚えていました。最終的には社内で何度も議論を重ね、サービス開始から約半年でピボットを決めました。

次にリリースしたのが、現在の主力事業である受発注プラットフォーム「クロスオーダー」です。卸売会社に「一番の課題は何ですか?」「デジタル化したい業務はありますか?」とヒアリングをして、サービスの解像度を上げました。

なぜ外食産業の受発注はいまだにFAXが主流なのか。それは「飲食店と卸売会社の双方にとって使いやすいサービスがなかったため」です。特に中小・個人経営の飲食店はFAXの利用率が高いので、中小飲食店が喜んでくれる受発注サービスを作ろうと決めました。

ありがたいことに現在サービスリリースから1年半で100社以上の卸売会社と数万の飲食店に利用していただいています。卸売会社の業務効率化と、飲食店の使いやすさを満たすことができ、今度こそ自信を持って「三方よし」と言えるサービスとなりました。

「食」からブレないこだわり

外食産業はコロナで苦しい状況が続いています。こんな時だからこそ、食に携わる人たちが本来やりたいこと、やるべきことに時間が使えるように貢献したいと考えています。

コロナの影響は自分たちにもありました。進んでいた資金調達の話がストップしてしまい、資金ショートの危機を迎えたこともありました。ただ、創業当初に掲げた「新たな価値を生み出す、食のマーケットプレイスをつくる」というビジョンの通り、食の領域からはブレずに、「良いサービスをつくろう」というこだわりは持ち続けていました。

コロナで新規の営業活動が厳しいときは、プロダクトの磨き込みに集中しました。受発注以外にも、「クロスオーダー 販促」「クロスオーダー 決済」「クロスオーダー 空容器回収」と、受発注の周辺業務の課題解決ができる新プロダクトを立て続けにリリースしました。


クロスマートのロゴマークにも「食」へのこだわりを込めています


クロスマートの将来像

私たちは普段の生活で、水道や電気や道路などのインフラを使うことは当たり前になっています。日常生活で無意識に利用し、それが当たり前になっている。インフラとはそういうことだと考えています。

「クロスオーダー」は食品流通の新しいインフラになりたいと思っています。2018年に創業してから、事業のピボットや、コロナショックなど様々なことがありましたが、チーム一丸で乗り越えてきました。2021年には総額2.7億のシリーズA資金調達を実施し、心強い株主が仲間に加わってくれました。

起業したら新卒採用を大切にしたいと考えていて、創業2年目から新卒採用を始めました。素直で勢いのある新卒と、経験豊富な中途メンバーが融合した良いチームになりました。クロスオーダーを利用いただいている卸売会社も飲食店も、加速度的に増えています。まだまだインフラと呼べる規模ではありませんが、いつか食に携わる人が”無意識”に利用し、”なくてはならないサービス”になる日を目指してチーム一丸がんばっています。

最後になりますが、”食品流通のインフラになる”という壮大な目標を一緒に実現してくれる仲間を集めています。興味がある方は、まずはざっくばらんにお話ししましょう!


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