目次
どんな人が伸びるのか?
採用をしていると、「どんな人が仕事で伸びるんだろう?」とよく考えます。
頭がいい人。
コミュニケーション能力が高い人。
明るい人。
素直な人。
責任感がある人。
いろいろあります。
ただ、20年以上会社を経営して、いろいろな人を見てきて、最近かなり自分の中で整理されてきました。
わたしが一番見ているのは、
これまでの人生で、自分をどこまで伸ばそうとしてきたか。
です。
勉強でもいい。
部活でもいい。
仕事でもいい。
何でもいいんです。
自分にとって少し高い目標を置いて、そこに向かって努力して、簡単に逃げずにやり切った経験があるか。
わたしは、そこが仕事にもかなり出ると思っています。
学歴は良い方がいい。でも、学校名だけでは見ていない
これは少し誤解されるかもしれませんが、わたしは学歴は良い方がいいと思っています。
一定以上の学校に行くためには、基本的には勉強しないといけません。
目標を決める。
時間を使う。
我慢する。
結果が出なくても続ける。
こういう経験は仕事にもつながるからです。
ただし、
高学歴=優秀
とは思っていません。
例えば、本気でやればかなり上の大学を狙える能力があるのに、
「まあ、ここくらいでいいか」とほとんど努力せずに進学した人。
一方で、最初は全然届かなかった大学を目指して、必死に勉強して合格した人。
わたしなら後者の方に興味を持ちます。
見ているのは大学名そのものではありません。
その人のスタート地点から、どこまで自分を引き上げようとしたのか。
そこです。
推薦についても同じです。
推薦入試だから一律にダメということではありません。
部活や学校生活で努力して推薦を勝ち取った人もいるでしょう。
ただ、「受験は大変だから、できるだけ楽な道でいい」
という考え方で進路を選んできたのであれば、わたしは少し気になります。
制度を見ているのではなく、その人がこれまで、楽な方ばかりを選んできたのか。それとも、自分を伸ばす方を選んできたのか。
そこを見ています。
部活も、レギュラーかどうかだけでは分からない
部活も同じです。
レギュラーだった。
全国大会に行った。
県大会で優勝した。
もちろん素晴らしいです。
でも、それだけでは分からない。
もともと能力が高くて、あまり努力しなくても試合に出られた人もいるかもしれません。
逆に、最初は全然うまくなかった。
ずっと補欠だった。
でも毎日練習して、最後にはベンチに入った。
わたしは、こういう話の方が気になります。
大事なのは、
自分の元々の能力から、どこまで上に行こうとしたか。
だからです。
自分よりうまい人がいる。
何回やってもできない。
試合に出られない。
それでも続ける。
昨日できなかったことが、少しずつできるようになる。
この経験はかなり大きいと思っています。
成長意欲は、「成長した経験」から生まれる
なぜ、わたしがここまで過去の経験を見るのか。
理由はシンプルです。
一度でも自分が成長する喜びを知った人は強い。
と思っているからです。
最初はできなかった。
でも、勉強した。
練習した。
失敗した。
またやった。
そして、できるようになった。
この経験をした人は、
「努力すれば、自分は今より成長できる」
ということを知っています。
頭で理解しているのではなく、体験として知っている。
これが仕事でも大きい。
新しい仕事を任されても、最初から全部できる人なんてほとんどいません。
分からない。
失敗する。
怒られる。
思うように結果が出ない。
そんな時でも、
「今できないだけ」
と思える人は強いです。
なぜなら、過去にできなかったことができるようになった経験があるからです。
反対に、これまで一度も何かを本気でやり切った経験がない人に、
「仕事では成長意欲を持とう」
と言っても、なかなか難しいと思っています。
成長する喜びを知らないからです。
責任感も、根っこは同じだと思う
仕事では責任感も大事です。
でも、責任感って何なんだろうと考えると、
わたしは、
自分との約束を守れるかどうか
だと思っています。
やると言ったからやる。
任されたから最後までやる。
目標を決めたから、そこに向かって動く。
これは会社のためでも、お客様のためでもあります。
でも、その前に、
自分で決めたことを、自分で裏切らない。
ということだと思うんです。
「今日はいいか」
「忙しかったから仕方ない」
「目標未達だけど、まあいいか」
これをずっと繰り返していると、自分との約束を破ることに慣れてしまう。
仕事をしない。
言われたことをやらない。
目標を必達しようとしない。
こういうことも、突き詰めれば、
自分を裏切ることに慣れてしまっている
ということなのかもしれません。
責任感は、会社に入った瞬間に急に生まれるものではないと思っています。
これまで、
「自分で決めたことを、ちゃんとやってきたか」
の積み重ねだと思います。習慣ですよね。
素直さも、自責思考も全部つながっている
伸びる人は素直です。
人の話を聞く。
まずやってみる。
できている人のやり方を吸収する。
最初から、
「いや、自分はこう思います」
ばかりでは、なかなか伸びません。
もちろん、自分で考えることは大事です。
ただ、順番があります。
まず吸収する。
その後に、自分で考える。
そして、うまくいかなかった時に、
会社が悪い。
上司が悪い。
お客様が悪い。
だけで終わらない。
「自分に何ができたんだろう?」
と考えられる。
これも、わたしは過去の成功体験とつながっていると思っています。
自分が努力した。
自分が変わった。
その結果、できることが増えた。
この経験を持っているから、
「自分が変われば、結果も変わるかもしれない」
と考えられる。
成長意欲。
責任感。
素直さ。
自責思考。
これらは全部バラバラの能力ではなく、
過去に自分を伸ばした経験からつながっている
ように思います。
採用で知りたいのは「何をやり切ったか」
だから、わたしが採用で知りたいのは、華やかな経歴だけではありません。
どこの大学か。
何の部活だったか。
何の賞を取ったか。
それだけでは分かりません。
知りたいのは、
「あなたはこれまで、何を本気でやり切りましたか?」
ということです。
勉強でもいい。
部活でもいい。
アルバイトでもいい。
趣味でもいい。
目標を決めて、頑張って、苦しい時も逃げずに、自分なりに成長した経験がある。
そういう人は、仕事でもまた成長できる可能性が高い。
わたしはそう思っています。
今できるかどうかだけで、人を見ない。
これまで自分をどう成長させてきたのか。
その過去の中に、その人がこれから仕事で伸びるかどうかのヒントがかなりあると思っています。