こんにちは。アイブレインズの佐藤です。
今回は、私がこの2年程携わっていた「飲食店の売上改善業務」で感じたことについてお話させてください。
うまくいったことも、足りなかったことも、両方含めて書きます。
目次
初めて任された“売上改善”というミッション
正論では、現場は動かなかった。
「正しさ」よりも「関係性」
売上は1.5倍まで伸びたが、構造課題は残った。
「改善」ではなく「代替」だった部分もある。
2026年3月末、お店は閉店。
優しさだけでも、正しさだけでも、人は動かない。
おわりに
初めて任された“売上改善”というミッション
「このままだとお店を続けられない、何とか数字を上げてほしい。」
そんなひと言から始まったのが、私の飲食店の売上改善の仕事でした。
飲食店の経験といえば、学生時代のバイトくらい。
経営やマーケティングに詳しいわけでもない。
でも、「この状況を立て直せたらおもしろい」という気持ちだけで飛び込みました。
正論では、現場は動かなかった。
売上データを分析し、課題を洗い出し、改善施策を考える。
ここまでは順調でした。
しかし、現場に提案しても反応は想像以上に厳しいもので。笑
「忙しいのでできません」
「お客さんはそこまで求めていません」
「前にもやって失敗しました」
“正しいこと”を言っているはずなのに、まったく動かない。
そのとき上司に言われた言葉があります。
「人は基本やらない、やらない前提で考えた方がいいよ。」
「人を動かすことが一番難しいんだよ。」
この言葉で、自分の前提が間違っていたことに気づきました。
「正しさ」よりも「関係性」
今振り返ると、当時の私は「これやってください」「これは良くないかも」と、現場の状況を理解する前に、意見をぶつけすぎていました。
信頼関係がない状態で、外から来た人間に正論を言われても、素直に受け入れられるわけがありません。
そこから意識を変えました。
- まず話を聞く
- 何に困っているのかを一緒に考える
- できる・できないではなく、どうすればできるかを探る
- 相手のメリットまで含めて伝える
- 小さなことでも丁寧に感謝を伝える
時間はかかりましたが、少しずつ関係値は変わっていったと思います。
現場側にも現場側の制約や優先度があり、その中で動いてもらっていたことも理解しているつもりです。
売上は1.5倍まで伸びたが、構造課題は残った。
施策が実行されるようになり、現場との連携も取れるようになった結果、売上は昨年比約1.5倍で右肩上がりに推移していました。
施策としては、予約導線の再設計やコース内容と価格帯の再構築など。
これにより来店数と客単価の両面で改善が見られました。
一方で、この改善は「需要の取り切り」に近く、中長期的に新規のお客様を増やし続ける仕組みまでは作り切れていませんでした。
「改善」ではなく「代替」だった部分もある。
売上が伸び悩んだ2025年秋頃、本来は現場のタスクだったお客様へのメール対応や予約サイトの更新などの作業を自分で巻き取って対応しました。
その方が早いし、確実に回るからです。
でも、自分がやれば回る状態は、自分がいなくなった瞬間に崩れる。
現場ができるようになる前に自分がやってしまうことで、チームの成長の機会を奪っていた部分もありました。
2026年3月末、お店は閉店。
売上は伸びていたものの、最終的にお店は閉店することになりました。
そのとき、シェフに言われた一言があります。
「もうちょっとケツを叩いてほしかった」
正直、意外でした。
自分としては、現場との関係性を壊さないことを優先していたからです。
でも、この言葉で気づきました。
信頼関係を築くことと、踏み込まないことは全く違う。
優しさだけでも、正しさだけでも、人は動かない。
この経験を通して学んだのは、
- 人は正しさだけでは動かない
- 信頼関係があって初めて動く
- ただし、信頼だけでも不十分
- 任せるだけでも足りない
最後に人を動かすのは、「この人は本気で変えようとしている」という覚悟と、そこから逃げない関わり方だと感じています。
あのとき、もう一歩踏み込めていたら。
任せるだけでなく、やり切るところまで向き合えていたら。
結果は違ったのかもしれません。
おわりに
うまくいかないとき、つい「正しいかどうか」で考えてしまいがちです。
でも実際には、その前に「誰が、どう関わるか」が大きく影響します。
その上で必要なのは、
- 任せること
- 踏み込むこと
- やり切らせること
そのすべてに責任を持つことです。
信頼を築くことから逃げず、踏み込むことからも逃げない。
その両方をやり切って初めて、人は動くのだと思います。