「直接雇用メンバーが全員女性のチームって、何か狙いがあるんですか?」
取材や商談で、もう何十回聞かれたか分かりません。最近は答えるのにも慣れてきましたが、最初の頃は本気で困っていました。だって、狙ったことが一度もないんです。
facing株式会社は、いま直接雇用が8名、派遣スタッフが常時60名程度。直接雇用のメンバーは、たまたま全員が女性です。創業から数えて、ここに至るまで気づいたらこうなっていました。
でも、ダイバーシティを掲げたことは一度もありません。「女性が活躍する会社をつくろう」と思って始めたわけでもない。むしろ最初は、そんなことを考える余裕すら、なかったんです。
採用基準は最初から一つだった
2021年に会社を始めたとき、僕が考えていたのは「逃げない人と働きたい」ということだけでした。
CSとかBPOって、世の中的にはあんまりキラキラした仕事に見えないと思います。解約したいお客様の電話を取って、怒っているお客様のクレームを受けて、それでも翌日また電話を取る。そういう仕事です。
きれいごとを言っても続かない。だから採用面接で見ていたのは、「目の前から逃げない人かどうか」、それだけでした。性別も年齢も経歴も、正直あまり気にしていなかった。
そうやって直接雇用の採用を続けていたら、いつのまにか応募者がほぼ全員女性になっていました。
理由は後から分析して分かったんですが、CS領域って、もともと応募者の母数が女性に偏っているんです。コールセンター経験者、接客経験者、事務職経験者。そういう人たちが「次のキャリアどうしよう」と動くときに、うちみたいな会社が選択肢に入ってくる。
つまり戦略じゃなくて、市場構造の結果でした。派遣スタッフのほうには男性も普通にいて、現場で一緒に動いています。
制度は、特別に作ってこなかった
ここで「だから女性が働きやすい制度を整えてきました」みたいな話ができれば格好いいんですが、正直に言うと、僕は採用のときに性別を意識したことがありません。
逆に言うと、女性だから優遇したことも、女性だから採用したことも、一度もない。書類が来たら同じ基準で見て、面接でも同じ質問をして、同じ目線で判断してきました。
その結果として、いま直接雇用が全員女性なだけです。
たまに「女性の応募が多いなら、女性向けの制度を整えれば採用力が上がるのでは」と言われることもあります。でも、それをやった瞬間に、うちの会社は「女性の働きやすさを売りにする会社」になってしまう。
僕がやりたかったのは、そうじゃない。逃げない人が、性別に関係なく結果を出せる会社です。だから制度も、女性向けに整えるんじゃなくて、誰にとってもフェアな形でしか作ってきませんでした。
男性が浮く会社、ではない
たまに誤解されるんですが、男性を採らない方針があるわけでもありません。
実際、これまで直接雇用でも男性の応募はありましたし、面接もしてきました。たまたま最終的にご一緒できる人がいなかっただけで、明日男性が入社しても、何も問題はないと思っています。常時60名いる派遣スタッフには男性メンバーもいて、同じ現場で同じ熱量で動いています。
僕自身が男性で、いま直接雇用のなかでは唯一の男性ですが、浮いている感覚はまったくありません。理由はシンプルで、ここにいるメンバーは「女性として」集まっているわけじゃないからです。
クライアントが本当に困っているときに動ける人、解約阻止の電話を100本かけても顔色を変えない人、ローンチ前夜に作品データの最終チェックを黙々とやり切れる人。そういう姿勢で集まった結果が、いまの構成になっているだけ。
性別は属性であって、仕事の質を決めるものじゃない。当たり前のことなんですが、これを実感として持てたのは、会社を始めてからでした。
結果として、強いチームになった
過去には、新サービスのローンチに合わせて、6営業日で30名体制を立ち上げたことがあります。普通に考えると無理なスケジュールでしたが、ローンチ日の作品数100%達成までやり切りました。
あのとき動いていたメンバーの顔を思い出すと、誰一人「女性として頑張った」なんて思っていない。ただ目の前のクライアントが困っていたから、間に合わせただけです。
累計のCS支援金額は10億円を超えました。解約阻止率を平均-38%まで改善した案件もあれば、LTVを+22%動かした案件もあります。
これらの数字は、誰かが「女性らしい繊細さ」とかで出したものじゃないんです。逃げずに、クライアントの成果のために動いた人たちが、結果として積み上げてきた数字です。
候補者の方へ
もしこの記事を読んで「女性が多い会社だから安心」と思った方がいたら、申し訳ないですが、その期待には応えられないかもしれません。
うちは、女性が安心して働ける会社を目指しているわけではなく、逃げない人が結果を出せる会社を目指しているからです。たまたまそこに集まった人が、いま直接雇用では全員女性だっただけ。
逆に「女性ばっかりだと、自分は浮くかも」と思った方がいたら、それも気にしなくていいです。性別で浮く会社じゃありません。姿勢が合わなければ、男女関係なく浮きます。それだけのシンプルな話です。
facingが探しているのは、ずっと一つだけ変わっていません。
目の前のお客様から、逃げない人。
それだけです。