仕事終わりの時間、デスクに向かっていた手がふと止まる。
メールは全部返した。会議もこなした。Todoも埋まっている。
でもなぜか、「やりきった」という感じがしない。このまま電車に乗って帰るには、どこか自分だけが置いていかれているような気がして、無意識にスマホを開いてしまう。
何もしていないわけではない。むしろちゃんと働いたはずなのに、「やった感」がない日は確かにある。
でもそれは「真面目に向き合っている証拠」なのだと思う。
思い返せば、新人の頃はすべてが初めてで、1日終えるたびに、疲労感と達成感がセットでやってきた。でも、仕事に慣れて「できること」が増えてくると、逆に「達成感」は薄れていく。
それはきっと、成果や効率を追うあまり、「自分の感情」と「仕事の結果」がずれていくからだ。
だから最近は、一日の終わりに"数字"ではなく"行動"を振り返るようにしている。
今日、必要な断りをちゃんと伝えられたか 、今日、自分の言葉で話せたか 、今日、頭を使って動いた瞬間があったか?どれか一つでもあれば、その日は「意味があった日」だと決めている。
たとえ成果がゼロでも。誰にも評価されなくても。自分だけは、「ちゃんとやっていた」と思っていたい。
facingでもよく話すのだが、数字だけを追っていると、本質を見失うことがある。
一番努力した人ではなく、"たまたま上手くいった人"が評価されることだってある。
だからこそ、うまくいかなかった日の「なぜ」を拾って、ナレッジにして、チーム全体に還元する。
失敗は、その人の責任ではなく、次の仮説のタネだから。
今日もきっと、誰かは成果が出なかったと思っている。
でも、その分だけ気づいたことがあったはず。悔しかった分だけ、言葉が研ぎ澄まされているはず。
そうやって、明日に持ち帰れるものがあるなら、その日は、ちゃんと前に進んでいる。