※このストーリーは、noteで発信した記事を転載しています。
kickflowでは2020年の創業以来、稟議ワークフローSaaS「kickflow」を通じて企業の生産性向上を支援してきました。常に最先端の技術と向き合い、未来を見据えた事業展開を進めてきたkickflowが、今年に入って新しくバリューに加えたのが「AI 1st」です(※)。
※6月に当社のバリューが【HRT】【AI 1st】【圧倒的当事者意識】【高みドリブン】の4つにアップデートされました。
AIがもたらす未来への(ある意味)悲観的な予想がある中で、なぜ今「AI 1st」なのか? 今回は、「AI 1st」というある種の覚悟をした背景から社内での浸透への取り組み、そして未来への展望を、代表の重松に聞いてみました。
このままだと死ぬ
小澤:
kickflowが新たに「AI 1st」というバリューを追加した背景について、詳しく教えてください。
重松:
「AI 1st」を策定するにあたって、経営チームで何度も議論を重ねました。ワードそのものはすんなり決まったのですが、AIに対してどの程度の危機意識を持つべきかという点がまとまらなかったんです。
小澤:
たしかに個人差が大きい論点ですね。一定の合意はできたんですか?
重松:
最終的には、AIは単なる便利なツールではなく、人類史における「世界三大発明」や「産業革命」を超える影響をもたらすような「世紀の発明」として捉えるべきだ、って結論に至りました。
私たちの世代はインターネットやスマートフォンの登場を経験していますが、AIにはそれ以上の可能性があると本気で思ってます。このとてつもないインパクトを、社員一人ひとりが自分事として理解できるように伝える必要があると考えました。
小澤:
非常に強いメッセージですね。企業や個人にはどのような影響がありそうですか?
重松:
AIはいずれ、当たり前の存在として世の中に浸透していくはずです。その時、自分たちのようなIT企業、特にSaaSを提供している企業がAIに適応できていなければ、必ず衰退します。
これは企業だけでなく、そこで働く個人にも言えることです。スタートアップが生き残るためには、変化に適応し続けるしかありません。これまでの延長線上で考えていると、間違いなく死んじゃいます。
小澤:
こうした危機感が「AI 1st」というバリューに繋がっているんですね。
重松:
ですです。だからこそ、バリューとして意味することは「死なないために、AIをあらゆる業務や意思決定の最初の選択肢に置こう」なんです。
このインタビューが決まってから少し時間が経ってしまいましたが、その間にもゴリゴリ進化しているのを見ると、あらためて「AIやばい」って思います。まさに待ったなしの状況です。
「For 目標」と「For 美学」
小澤:
当社のバリューは「For 目標」と「For 美学」という二つの側面で定義されていますが、この分け方にはどのような意図があるのでしょうか?
重松:
バリューの持つ意味って会社によって微妙に違う部分があると思っていますが、kickflow社では大きく二つの要素を持たせています。一つは目標達成に必要な行動規範としての要素。もう一つは、単に目標を達成できれば何でも良いというわけではなく、「kickflowとしてこうありたい」という美学としての要素です。
小澤:
実利的な部分だけで決めないというのは、ある意味kickflowらしいですね。AI 1stにはどのような意味があるのですか?
重松:
「For 目標」としては「そもそもAIに適応できないと、会社も個々人もいずれ必ず衰退する(だから目標達成のためには当たり前にAIが大事)」という、ある種の必然性を提示しています。
一方で「For 美学」には、「新しい技術にただただ驚いたり無関心を装うのではなく、しっかり活用した方が楽しいしカッコいいよね!」という意味合いを入れています。
個人的には「せっかくこんな面白い時代に遭遇できたんだし、楽しまなきゃ損損」って思ってます。
小澤:
「楽しいしカッコいい」には、どんな想いがこめられているのですか?
重松:
新しいものに対して、人は多かれ少なかれ「面倒くさい」と感じてしまうものです 。その心理的なハードルを乗り越えるには、新しいおもちゃを手に入れた時に夢中になって遊んで楽しむような気持ちが大事なんじゃないかと。
小澤:
「楽しむ」ことが、結果として業務効率化や新しい価値創造に繋がるというわけですね。
重松:
そのとおりです。単にAIに詳しいだけでは駄目で、業務そのものの深い知見と新しい技術としてのAIが組み合わさった時に、初めて大きな成果を得ることができるんですね。
とすると、業務もAIもどっちもがんばらないといけない。その時に「つまんねー」と思いながら嫌々やるより、「なにこれ、おもろ!」ってやった方が絶対に良い時間を過ごせるはず。
せっかくAI黎明期に立ち会える幸運を手にしているのだから、AIと共に良い時間を過ごしたいんですよね。これってかなり贅沢なことだと思ってます!
最初に踊る、手を変え品を変えながらしつこく踊る
小澤:
「AI 1st」というバリューを社内に浸透させるために、具体的にどのような取り組みをしているんですか?
重松:
代表である自分が「最初に踊る」ことが重要だと考えています。バリューは作っただけでは浸透しないので、「経営チームが率先して背中を見せてかなきゃ」って気概です。途中で追加されたものは特に。なので、社内勉強会についても今は自分や小林さん(共同創業者 取締役CTO)が主催しています。
小澤:
重松さんは人前で喋るよりドキュメント書く方が好きそうなのに、何で勉強会にしたんですか?
重松:
最初はドキュメントを書きまくってました。ただ、あまり読まれている実感がなくて。社員に聞いてみたところ「ドキュメントがたくさん出ているのは知ってたし興味もあるんだけど、読むのが億劫。業務で気が散ってしまうし」「AIだけに集中する時間、かつ同期的に質問できる時間があった方がやりやすい」という声があったんですね。
「なるほど一理ある」と思って、試しに勉強会を開催してみたところ、社員の7割ぐらいの人が参加してくれました。「顧客が本当に必要だったものはこれだったんか!」とビビった次第です。どんなことでも、現場の声をヒアリングすることが大事ですね。
小澤:
勉強会はどんな内容なんですか?
重松:
今はAIチャットツールやCircleback、Difyといった基本的なツールの勉強会を定期的に開催しています。内容は至ってシンプルで、基本的な使い方や注意点、実務での具体的なユースケースをササッと説明し、残りの時間は触ってもらうようにしています。質疑応答も、触ってみて気になったところに対して答えています。座学だけにすると飽きちゃうし、忘れちゃうからです。
小澤:
実際に勉強会に参加した社員からは、どのような反応がありましたか?
重松:
忖度されていないと嬉しいのですが、ポジティブな声が多かったです。「最初は難しそうだと思ってたけど、触ってみたら簡単だった。これなら業務に活かせそう」という声や、「ドキュメント読みながら1人で触るより、勉強会に参加してその場で学んだ方が効率的だし楽しい」という声が多かったです。
小澤:
効果絶大ですね! AIに対する心理的なハードルが下がった、と。
重松:
そうですね、一歩前進できたと感じています 。ただ正直なところ、心理的な障壁が下がったからといって、すぐに全員が積極的にAIを業務に取り入れてくれるかというと、まだ見極めている段階なのかなと 。
一握りのアーリーアダプター気質の人たちは使いこなしていますが、正直なところ、全社への浸透はまだこれからといったところです。
小澤:
なるほど。この状態をどう捉えていますか?
重松:
他社に聞いても、多くの企業が同じ課題に直面しているようです。ですので、この状態をいち早く抜け出すことが、これからの競争優位性に直結すると確信しています。
だからこそ諦めずに、しつこく、手を変え品を変えながらAIの重要性を伝え続けていかなくてはならないんですね。粘り強さで勝負していきたいと考えています。
小澤:
そういえばAll hands(週次で開催される全社集会)でKICK THE CAN CREWのマルシェの一節を引用していましたね。
重松:
KICK THE CAN CREWは大事なことを言ってます。まさに「Yeah 誰も置いてかない こっちの世界も覗いてかない? 連れてきたい 触れてみたい てか全て見たいんだ!」です。一部の人だけではなく、全員が当たり前に使っている状態を目指しています。
AI時代を見据えて、どんな方と一緒に働きたいか
小澤:
最後に、kickflowに興味をお持ちの方々にメッセージをお願いします。
重松:
kickflowは「AIは未来の当たり前になる」と強く信じています。しかしその一方で、AIについていけない企業はいずれ淘汰されるという危機感も抱いています 。だからこそ会社全体でAIを活用していこうとしています。
と言いつつ、いろいろそれっぽいことを喋りましたが、実際にはまだまだ全然できてなくて、鼻息だけ粗くフガフガ言ってる状態です。だからこそ「自分が何とかしちゃる」って人に助けて欲しいです。一緒にこの課題を解決してくれる仲間を探しています。
小澤:
会社全体をレベルアップさせるというチャレンジは、個人にとっても大きな経験になりそうですね。
重松:
まさにです。これから先は自分だけ、一握りのアーリーアダプターだけがAIを使えれば良いという世界ではありません。kickflowでは全社的にAIに取り組んでいくので、個人としてのAI活用スキルはもちろん、組織全体のAIリテラシー向上に関わるナレッジや経験を積むことができる環境です。好きな人はめっちゃ好きだと思います。
小澤:
これから先の取り組みが重要ってことですね。
重松:
ですです。AIに関して先行している会社はたくさんありますが、まだまだ追いつき追い越せるフェーズだと思っています。都合の良い考え方ですが、今がAI時代における分水嶺。
だからこそAIの可能性にワクワクし、新しい技術を「おもちゃ」のように楽しみながら、大きな目標に向かって果敢に挑戦したい人と一緒に働きたいです!