自己紹介
メディフォンの開発部 mediPhone 開発チームでエンジニアリングマネージャーをしています、原田と申します。業務内容は開発チームのマネジメント及びプロダクトマネジメント、エンジニア採用など多岐にわたります。
詳しい業務は別の記事でも書いていますので、メディフォンのマネジメント業務に興味がある方は一読いただければ幸いです。

経営と現場を「双方向に翻訳」する。 組織を前に進めるEMの挑戦|メディフォン株式会社【公式】
プロダクト開発チームでオフサイトイベントを開催しました
2026年9月中旬に、エンジニアとデザイナーを集めて「Product All Hands」というオフサイトイベントを開きました。参加者は20名、おおよそ2時間の会です。
この記事では、どうしてこのオフサイトの会を企画したのか、どういう場にしようとしたのか、実際どうだったのかを書こうと思います。
チームビルディングや組織の目線合わせにおいて何か施策を考えている方の参考になるように、出発地点の課題から実施後の評価までを記載しておきます。
そもそも課題に感じていたこと
今年の年始あたりの組織の体制変更により、開発チームに大きな変化が生じました。
特に、人数の増減は組織のフェーズや個人の事情もあるので基本的に受け入れることにしています。
しかし、それ以上に課題と感じたのは、各チームが目の前の業務に集中する一方、チーム間の取り組みや状況が見えづらくなっていたことでした。
メディフォンでは誰もが真摯に自分の仕事に取り組んでいます。
一方で、日々の業務に集中する中で、チームをまたいだ情報共有や相互理解には、まだ改善の余地があると感じていました。特定のメンバーに知識や業務が集中し、周囲からはその状況が見えづらくなる。
いわゆる「属人化」です。
属人化しているという感覚は、おそらく開発者全員がうっすら持っていたと思っています。ただし、それを言葉にして意見交換する場が足りていないというぼんやりとした感覚も同時にあったと推測しています。
エンジニアリングにおいて、言語化されていない課題の解決は非常に難しいです。そこで、まずは属人化について「それぞれが言語化していい場」を用意してみようと考えました。
今回のイベントで用意したかった空間
メディフォンのエンジニアのうち、遠方でフルリモートしているメンバーも数名います。そのメンバーも含めたプロダクトチーム全体が対面で話ができる機会ならば、企画意図をはっきりとさせて設計するべきだと考えました。
ここで自分が一番避けたいと思ったのは、参加者が一方的に話を聞くだけの「お客さん」になることです。
前に立った人だけが喋って、座っている人は最後まで一度も口を開かない。自分たちの組織の話をしているはずなのに、どこか他人事のような振る舞いになってしまいます。
そういう雰囲気にならないようなイベント設計が必要でした。
今回テーマとして扱うことに決めた「属人化」は自分の手元にあるものを棚卸ししないと意見としてまとまりません。そういう意味では、全員が自分のこととして考える時間を設ければ自ずと対話が始まるのではないか?という仮説を立てました。
また、もうひとつ用意したかったのが、チームをまたいで喋る時間です。
普段はリモートワーク中心で、チーム内の限られた人としか話さない日も多い。せっかく全員が同じ場所に集まるので、そこに対してもアプローチしたいと考えました。
工夫した点
上述した通りですが、問いを「自分の話」にしました。
具体的には下記です。
「自分が明日から1ヶ月いなくなったら、何が止まりますか」
人が多い状態で抽象的な議題について議論すると、どうしても他人事になったり、内容が薄くなったりする印象があります。そこで、主語を自分にして、期間を区切って、「止まるもの」という具体的な形で聞きました。これなら全員が答えられますし、現状では「何も止まりません」と言う人はいないと考えたからです。
当日は、マネージャーがパネラーとして登壇するパネルディスカッションを軸に進めました。パネラーに答えてもらうときは、止まるものだけではなく構造にまで言及したかったので「なぜそれが自分のところに集まったのか」まで聞くようにしました。
同時に、問いを出した直後に、隣の人と1分話してもらうようにしました。
狙いは2つあります。
ひとつは、全員が一度は声を出すこと。
もうひとつは、その後で会場に振ったときに「何も考えていない状態で当てられる」のを防ぐことです。
1分話していれば、手元に話した内容が残っています。所感ですが、今回参加者の発言を引き出す上で、これが一番効果的であったように思います。
結果として、パネラーは答えを出す人ではなく、話題を広げる人になり、会場はゼロから考えなくてよくなるので、発言のハードルが下がったように見えました。
▲1分間のペアトーク中の様子
当日の議論
これは問いの設計についての反省点ですが、「自分が明日から1ヶ月いなくなったら、何が止まりますか」という問いに対して、一番よく出たのは
「1ヶ月だけならばすぐに何かは起きない」というものでした。
これは期間の問題で、プロダクト運用においては必ず何かが壊れる期間に設定するべきだったなと反省しています。
次点で出たのは「自分が判断しているものが判断できなくなるため、まわりの仕事が進まなくなる」というものです。
これはマネージャーから多く出た意見ですが、社歴が長いメンバーについても同様の構造があることがその場の発言でわかったので、属人化と一口に言っても明文化されていないナレッジに依存するものが多いかもしれないという示唆が得られました。
実施後アンケート結果
当日のうちに Google フォームでアンケートを配り、11件の回答をもらいました。回答数が少ないので、割合ではなく実数で書きます。
属人化について自分の仕事で思い当たることがあったか、という問いには、「あった」が4件、「なんとなくあった」が4件でした。11件中8件です。
パネルディスカッションについては「自分のことを考えるきっかけになった」が6件、「他チームの状況が分かった」が6件。
回答数は限られていますが、今回目指していた、属人化について自分の言葉で考え、他チームの状況を理解する場づくりについては、一定の手応えを感じています。
隣の人と1分話す時間は、8件が「よかった」、「なくてよい」は0件でした。初めての試みではあったので、正直ほっとしています。
一方で、「発言しやすかった」は3件に留まりました。「発言しづらかった」は0件なので、ネガティブな理由ではないと見ています。
これは当日の体感とも一致しています。
ペアトークの1分間は、司会の自分の声が届かないくらい盛り上がっていました。それが全体共有に切り替わった瞬間、静かになる。全員が自分の考えを喋ることはできましたが、それを会場全体へ向けて発表・共有するステップにはハードルが残っていた、ということだと考察しています。ここは次回の企画/進行で工夫したいところです。
まとめ
エンジニア/デザイナー全員が参加者のオフサイトイベントを企画して、属人化について言語化する会を開いてみました。
結果としては自分事として言語化してもらうことには成功した一方で、今回は何かを決定することは目的としていなかったため、実際に今回わかった属人化について各チームがお互いに意見を出し合いながら日々改善していくことになると思います。
また、新メンバーの入社やチーム編成の都合で、今回は発表者をマネージャーに絞りました。しかし、せっかくのプロダクトチームのオフサイトイベントなので、次は役職に関係なく「自分の仕事の意義」「プロダクト開発の面白さ」といった観点で LT を企画できるといいなと考えています。自分が作っているものへの理解を深められますし、普段できないコミュニケーションの場にもなることを今から期待して、日々の組織開発にも努めていこうと思います。